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カンヌ国際広告祭入賞作品上映会 ~その2~

2005-02-01 00:17:20 | 侃々諤々
前回の続き

今回の講義の大きな柱として日本の広告とカンヌ受賞作品の違いということで「日本の常識がカンヌでは通用しない」ということを実際の作品を見ながら解説。
かといって「カンヌで受賞するためには」ではなく「世界で通用するためには」という趣旨でした。ほとんど同義なんですが、やっぱりカンヌを意識しまくってるのは駄目とのこと。
大前提にCMであるということがあるので、そこから逸脱していない上で表現しまくるCMを見ると、何も残らないCMの駄目なところが分かる気がします。
マーケティングを駆使しターゲットに対する訴求力をあらゆるベクトルで駆使しまくっているはずのCMであるのだから、もちろん同じ日本人が作ったCMの方が響くはずなのですが、どうも必ずしもそうではないらしいです。制作費等のネガティブな要素で言い逃れできませんね。

CM制作をしている方にブン殴られそうですが、ほとんどの人の普段の生活でCMなんてはっきり言って邪魔なモノです。理由は簡単で、見ていてつまらない。もちろん、おもしろいものも中にはあるのですが、ほとんどが有名タレントが出て製品名を連呼してドーンとロゴが出る。作っている方には申し訳ないのですが。あれがいつまでもいつ続く、あの方法がCMとして間違いないからでしょうか、それともクライアントの要望なのか。

HD型のレコーダーでは自動的にCMをスキップする機能が付いていて、これ自体はVHSの時代からあるもので特に目新しいモノでは無いのだけれど、スキップ機能の強化と「後から編集できる」という機能のおかげで放送業界では大問題になっている様です。
ちょっと古いんですが、>「テレビコマーシャル時代の終焉」というコラムでも興味深く取り上げていました。「見てくれなくて困っている」ということではなく、この問題を著作権侵害だという議論のすり替えにしてしまっているそうです。気に入りませんね。
見てくれないなら見てくれるモノを作れと。それはCMや放送だけでなく本や新聞やあらゆるメディアに言えることなのに、それをそんな高飛車な態度で言われたら腹も立ちます。
こないだテレビを見ていたら「CMに対するアンケート」みたいなものをやっていて、その中で「CMを楽しみに見る」という人が50%以上いました。そんなアホな!
そりゃあんたの番組のクライアントのご機嫌取りでしょうと。実際に上記のような問題が発生している中でそんなことをさらりとやってくれるバカテレビ、ナメきってますね。もしくは「CMはおもしろい」という意識の植え付けのためでしょうか。
確かに面白いCM、良いCMはありますが、ごく一部だと思います。いつ流れるとも知れない一部を見るためにダラダラとCMを見るなんて超暇人か引き篭もりかその筋の方しかいません。渋谷で声をかけまくるキャッチのお兄さん並の努力が必要ですよ。


長くなってしまったので、さらに次回に続きます。