神が宿るところ

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中津神社(駿河国式内社・その15)

2010-12-10 22:49:18 | 神社
現在、静岡県内に「中津神社(なかつじんじゃ)」と称する神社はないようだ(少なくとも静岡県神社庁加盟社にはない。)。しかし、式内社「中津神社」は一般に、下記の神社に比定されている。

住吉神社(すみよしじんじゃ)。祭神:住吉三神(表筒男命・中筒男命・底筒男命)。
場所:静岡市葵区一番町25。国道362号線(通称:昭和通り)から1本北の狭い道路の角にある。南東の角にあるのだが、東側の道路は北から南への、南側の道路は東から西への一方通行になっているので、自動車で行くときは注意。例えば、北側の錦町から「顕光院」という寺院の裏側(西側)の道路を南に向かうとよい。駐車場あり。
社伝によれば、天平神護元年(765年)創建というが、その後歴史上の記事はなく、江戸時代になって、神道尊重の気運に従い式内社比定が盛んになり、当神社が式内社「中津神社」に比定されたものと思われる。
往古、藁科川と安倍川は合流しておらず、安倍川は賤機山の先(南)から東に流れていた。当神社は、その2つの川の中洲にあって、おそらく水害避けと水運の安全を祈願するために創祀されたものと思われる。「中津」というのは、「中洲」が変化したものとされる。
いずれにせよ、江戸時代には広く「住吉神社」とされていて、水運の安全という願いが住吉三神の御神徳と結びついたものだろう。ただし、創建時から住吉三神が祀られていたのかどうかは不明。あえて「中津神社」という名になっていることからすれば、当初は住吉三神ではなかった可能性が高い。一説には、中津島姫命を祀ったともいう。


玄松子さんのHP(住吉神社(静岡市)):http://www.genbu.net/data/suruga/sumiyosi_title.htm


写真1:「住吉神社」正面鳥居


写真2:社号標には「神饌幣帛供進指定 中津神社」とあるが、後ろの古い石灯籠には「住吉大神宮御寶前」と刻まれている。


写真3:社殿
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