備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム205.一宮(その15・但馬国・出石神社)

2009-09-12 20:50:53 | Weblog
出石神社(いずしじんじゃ)。
場所:兵庫県豊岡市出石町宮内99。JR山陰本線「国府」駅の東南約7km。国道426号線「鳥居橋」交差点の真東、狭い道に入るが、約700m進むと鳥居前に出る。駐車場あり。
写真にあるように、鳥居は堂々とした「両部鳥居」で、扁額は「一宮」。式内社・名神大で、創建時期は不明だが、古くから但馬国一宮とされてきた。通称も「いっきゅうさん」。祭神は、新羅の王子、天日槍命(アメノヒボコ)。息長帯比売命(神功皇后)は、その子孫にあたる。新羅出身にも拘らず、天とか日とか、皇族並みの名前を持ち、槍(矛)も付いているから製鉄にも関係があったのではないか、ともいわれる。当神社が当地に鎮座しているのは、最終的に天日槍命が但馬国に定住したからだとされる。
また、当神社が8座とされることも異例で、天日槍命が8種の神宝を伝え、これを「八前大神」(やまえのおおかみ)とするので、元は天日槍命という人(神)格ではなく、8種の神宝を祀ったのかもしれない(備前国「石上布都魂神社」(赤磐市)の祭神は素盞嗚尊であるが、もともとは素盞嗚尊が八岐大蛇を斬った十握剣の霊=布都魂を祀ったものというのと似ている。)。
なお、鎮座地の「出石」という名は、神宝の1つ「出石小刀」に由来するともいわれている。以上のようなことから、当神社には石の字が付いていながら「磐座」はないようだ。ただし、境内の東北隅に禁足地があり、天日槍命の御廟所であって、入ると祟りがあるとのこと。


玄松子さんのHP(出石神社):http://www.genbu.net/data/tajima/izusi_title.htm

のりちゃんずさんのHPから(出石神社):http://www.norichan.jp/jinja/benkyou/izushi.htm