備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム148.本宮山(吉備中央町)

2009-04-13 22:21:23 | Weblog
古社「化氣神社」(2008年6月24日記事)は、もとは本宮山山上にあったという。そこで、「化氣神社」から本宮山山頂まで歩いてみた。
地図でみると、神社社殿前から向かって右(東)に真っ直ぐ進むと林道入口近くに出る歩道があるようにみえるのだが、よくわからない。やむなく車道に戻り、北上。最初の分岐で右折(東南へ)、「チロリン村」方面に向かう。分岐付近に木製の「化氣神社」鳥居があるが、この参道は今は使われていないようで、倒木が酷く、入らないほうがよい。また、分岐のところに案内図があるが、本宮山は記載がない。オートキャンプ場「チロリン村」の前を通り過ぎ、更に少し進むと林道ゲートがある。「化氣神社」から直線距離だと約500mだが、車道だと約1500m。ゲートを潜ると、「本宮山山頂迄3200m」の案内板がある。林道は未舗装だが、案外広く、平坦で歩き易い。途中に「旭川の源泉」という湧水がある(写真上)。「山頂迄1000m」の案内板のところで分岐があるが、真っ直ぐ(右側)進む。ここから、やや勾配がきつくなる。「山頂迄50m」のところから山道に入るが、1分で山頂に至る。
「化気社有地」という杭が何本も立っているが、(本宮山はほとんど国有林だが)どうやら山頂のみ「化氣神社」の社有地らしい。「海神社」の小祠の横に石碑があるが、「化気神社々有地 御津郡加茂川町上田東字本宮山弐四壱四番地 境内地四四壱.六壱平方メートル(壱参参坪五九)」と記されている(写真中)。
中央に、覆屋の下に小祠が2つ並んでいる(写真下)。これが「化氣神社」と「大山祇神社」であるらしいが、崩壊寸前。木立で眺望は無く、特に磐座のようなものも無い。何故ここが聖なる山とされたか不明だが、「旭川の源泉」があるように、水の豊かな山だったかもしれない。「化氣神社」の主祭神「伊奢沙和氣神」は御食津神であるとされ、食物の神様である。また、ここは備前国の北西端の高山であるが、「化氣神社」が四道将軍大吉備津彦との関係も強いことを考えると、備中国一宮「吉備津神社」、二宮「皷神社」の北の線上にあることにも何か意味があるかもしれない。


写真上:林道の途中にある「旭川の源泉」


写真中:海神社と「化氣神社々地」の石碑


写真下:覆屋の中の2つの小祠。右の石祠は不動尊?