シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

御厨さと美のフレンチロリータ

2006年12月05日 | コミック界を語る
左から3つは『裂けた旅券 (パスポート)』、右は『ノーラ』
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御厨 (みくりや) さと美の『裂けた旅券 (パスポート)』は、パリに住み 日本人ツアコンの臨時代理や裏稼業で小銭を稼ぐ  "しがない不良外人" だった日本人 羅生 (らもう) 豪介が、幼い娼婦マレッタと出会ってからジャーナリストとして歩み始める __ というコメディタッチのコミック。

1980年代の男性週刊誌に連載され、当初一年くらいは、欧州の裏街道で稼ぐ一匹狼という書き出しでした。 それが、マレッタの世話を警察から頼まれてから、二人の珍道中ものに変わります。 豪介の人相も当初の中年太りの汗臭いオッサン風から、痩せたビジネスマン風に変わっていきます。 でも いつも加えタバコ姿で登場します (?)。
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この『裂けた旅券』以外、殆ど 他の御厨作品を見かけませんでしたが、最近 未来SFコメディ『ノーラ』シリーズを書いていたことを知りました。 ヒロイン「ノーラ」は先のマレッタと同じミドルティーンの金髪少女。 この作家は、この手のフレンチロリータ (下記) を描くのが得意のようです。
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ウィキペディアから __ フレンチロリータ (French lolita) とは、ロリータ的な魅力を武器に活躍したフランスの歌手・女優・アイドルたちのことである。 日本人が日常使用する言葉としてはアイドル (和製英語) がイメージ的に近い。
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『裂けた旅券』に入れあげて、ビジネス編/政治編/欧州事情編/文化編/人生編に分けて 分析評論しているブロガーのページもあります。 お調子もののパリ生活漫談記といってもいいのですが、仏文化に憧れる日本人を皮肉ったページも多く、また仏人の日本人観もよく出ていて、比較文化論コミックとして読むのも面白いです。
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ただ ひとつだけ、これは日本人の視点からの発想だろうという箇所があります __ それは、羅生豪介がマレッタを矯正させようとして、平手打ちを何度もすることです。 最後にはマレッタが泣いて豪介に抱きつき、豪介も優しくマレッタを抱き寄せる、というものですが、この展開は “かつての日本人独特のもの“ でしょう。

かつての日本だけでは通用する展開で、今はただの暴力としか見られないのではないでしょうか。 今でも体育会系のクラブで時折 報じられますが、現在の日本でも許される行為ではありませんね。
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この頃まで日本人は仏文化に片思いだったのですが、その後 日本経済の拡大とともに、仏人も日本文化に興味を示すようになり、F. モレシャンの本では 仏に帰ってパーティで「日本の話しをしてくれ」とよく頼まれるようになったとありますね。 この間 在日本 仏人の中で日本語の「微妙」が仏語表現になく、そのまま「ビミョー」で使われていると新聞で読んで、時代も変わったものだと感慨深く思いました。

コメディコミックなので、おふざけや飛躍した話し、「ナンでこうナルの~」といった展開も多く出てきますが、そこは “ご愛嬌” として読んだ方が面白いですね。

今日はここまでです。


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