
YouTube の画像。 左上は4人の独唱者。 右上は第4楽章でバスが歌い出す箇所 (歌唱はドイツ語)。 ムーティ/シカゴ響の第九 (81分)。
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撮影当時 73歳のリカルド・ムーティが指揮に奮闘する映像です。 彼は1971年 30歳でニュー・フィルハーモニア管弦楽団首席指揮者、1980~92年 フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督、1986~2005年 スカラ座の芸術監督、2010年からシカゴ交響楽団音楽監督に就任と、綺羅星のような経歴の持ち主です。
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Beethoven:Symphony No.9 in D Minor Op.125 ~
Camilla Nylund (S)、Ekaterina Gubanova (MS)、Matthew Polenzani (T)、Eric Owens (B)、Chicago Symphony Chorus & Orchestra、Riccardo Muti ~
Chicago Orchestra Hall on Sep 18,2014 (https://www.youtube.com/watch?v=rOjHhS5MtvA)
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指揮の身振りを見ていると、その指示が明確で、オーケストラにとっては演奏しやすい指揮者かなと想像しました。 第3楽章と4楽章との間では休憩をおかず、続けて演奏しています (44分)。 これは その方が演奏解釈上、効果的と判断してのことでしょう。
1~3楽章と4楽章は元々 別の曲だったのを、ベートーヴェンが無理無理1つの曲にしてしまったのが信じられないほど、当然のように聴こえますね。
オーケストラも熱演して、終わって聴衆はスタンディング・オベーション (Standing ovation 満場総立ちの拍手) です。 アメリカ人はこれが大好きですね。 でも それが当然の演奏だったと思います。 また 1,800万回も見る人がいるのは凄いですね (全ての人が最後まで視たかどうか、それは少ないのでは …)。
オーケストラ団員はアジア系の顔が多いです。 コンマスも中国系のようです。 アメリカではクラシック演奏家というと、お金を稼ぐよりは好きな事をしている人という認識があるそうです。 ソリストの名前からもバスを除いて非英米系のようです。
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ムーティのエピソードなどを読むと、はっきりとした発言から合う合わない演奏家・楽団もあるようです。 彼は南イタリア・ナポリ生まれですから、北イタリア・ミラノ出身の指揮者 アバドとは合わなかったのかもしれません。 2人は不仲だったと伝えられています。
ベルリン・フィルとは1曲しか録音していませんが、ウィーン・フィルとはモーツァルトのオペラなどを幾つか録音しています。 私は彼がウィーン・フィルを振ったモーツァルトのピアノ協奏曲の実況録音を FM で聴きましたが、よかったと思います。
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シカゴ交響楽団はドイツ系の音楽を得意とし、聴衆もそうした音楽を好むとされていますから、そこから外れた音楽を指揮してばかりいると不人気という烙印を押されるようです __ マルティノン、バレンボイムなどがそうでした。
バレンボイムはシカゴ響とブラームスの交響曲全集などを残していますが、聴く気が起きません。 ベルリン・フィルとのベートーヴェン7番のビデオ盤を持ってますが、印象に残るものではありませんでした。
シカゴ響の黄金時代はフリッツ・ライナー (1960年前後)、ゲオルク・ショルティ (1970~80年代) といわれています。 2人ともハンガリー系でした。 ムーティはもうじき80歳ですから、そろそろ交代の時期かもしれません。
今日はここまでです。