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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

やっぱり病気だった?

2011年12月29日 | 事件事故の多い世
写真左は、1985年当時のストロスカーン氏。 右は欧州メディアをにぎあわせたスト … 事件。
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スト … 前 IMF 専務理事のスキャンダルがなかなか収束しないのは、この人が関与する事件が次から次へと出てくるからで、以前からスキャンダルの種を多くバラまいていた証拠ではないでしょうか?
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「IMF 前専務理事、仏帰国後は売春網に関与疑惑」(12月27日 読売新聞) _ ※追加1へ
「中国 GDP を押し上げてきた『金持ちの愛人たち』の "逆襲" は経済バブル崩壊を裏書きしている」(12月7日 邱海涛/SAPIO) _ ※追加2へ
「スト … 前 IMF 専務理事、フランスでも不起訴に」(10月14日 朝日新聞/パリ) _ ※追加3へ
「スト … 事件はフランスの性意識を変えるか?」(9月21日  プラド・夏樹 /WEBRONZA) _ ※追加4へ
「スト … 氏の浮沈人生」(5月21日 ウォール・ストリート・ジャーナル) _ ※追加5へ

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男としてアッパレと褒めるべきか、懲りない見下げ果てたヤツと突き放すか、国情により見方は違ってくるでしょうね。 また時代によっても 見方は変わるでしょう。

※追加4記事にあるように、米仏のスキャンダルへの対応の違いがあります。 厳格な清教徒 (ピューリタン) によって国が築かれた国 米国と、無神論者が 50% というフランスは元々 感覚が違うのだろう__ミッテラン元大統領は愛人の女性と暮らしていて隠し子がいたが、記者から問われて 否定せず、「それが何か問題か?」と逆に聞いた国柄です。

日仏との違いでは、「同僚から性的嫌がらせを受けたら?」というジャーナリストの質問に対し、「自分で張り倒せば?」(仏大臣) や、「性犯罪は厳しく取り締まるべきだが、男女関係がアメリカ流のピューリタニズムで干涸びてしまうより 男女がお互いを尊重しながら、ユーモアを混じえて危険な会話を楽しむ余裕がある社会のほうがいいと思う」(ナタリー仏環境大臣) など、明らかにこの2つのケースは日本ではあり得ないと思いますね。 農耕社会と、狩猟社会の違いでしょうか?

もっとも 戦前の日本は政治家ないし金持ちが2号さんを囲うのは男の甲斐性と見られた時代だったように想像します。 戦後はそういうことは許されなくなり、スキャンダル報道で首相の座を2ヶ月で降りた人もいました。
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神楽坂の芸妓の中でも 凄い美貌の持ち主だった告発者に、宇野が「もし自分の愛人になってくれたらこれだけ出す」といって自分の指を三本 (30万円の意) 出した。 告発者は当然 300万円 だと思ったが、宇野は 30万円 のつもりだった。 これに憤慨した告発者は、マスコミにこの事実をリークしたという (サンデー毎日/ウィキペディア)。
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中国では、"契約妻" という考えが認められているというか 半ば公認されているらしいです。 これは貧富の差が激しいことからくる、一種の "オカネの還流方式" で 必要なものかも。 ですから中国ではスト … 事件はスキャンダルに成り得ない?

一夫多妻が認められるアラブ・イスラム諸国では、どう見るのか聞いてみたいところです。 スキャンダルを起こさないために、精力・資力のある男性は多くの妻を持てば このようなスキャンダルに成り得ない?

というわけで、国情・時代により "容認度" が違うということを推理しましたが、隠し子騒動で人気が凋落したシュワルツェネガーの件なども併せて考えると、清教徒の国 米国が最も厳しい見方になりそうですね。

以上


※追加1_ 国際通貨基金 (IMF) 前専務理事ドミニク・ストロスカーン氏 (62) は、5月 米ニューヨークで強姦未遂容疑で逮捕されたが、検察が訴追を取り下げ、フランスに帰国した。

仏では売春網への関与疑惑が浮上しており、「スキャンダルの主役」は健在だ。

疑惑の舞台は、仏北部リールの高級ホテル。 ここの幹部が客に売春あっせんしていたことが発覚し、地元警察、財界を巻き込む事件に発展した。 容疑者の一人でストロスカーン氏と親しい企業家が横領した裏金を使って、同氏のために売春婦を集めて乱痴気パーティーを開いていたことが発覚。 同氏は弁護士を通じてパーティー出席を認めた上で、「女性が売春婦とは知らなかった」と主張したが、騒ぎは収まらない。

今月初めには、再びニューヨークの事件に注目が集まった。 暴行現場とされたホテルの監視カメラ映像を、仏民間テレビがスクープ放送した。 ホテル警備員が「暴行された」と訴えた女性従業員と話し、その後、別室で警備員が男性従業員と一緒に喜ぶ様子が映っていた。「やはり事件は仕組まれた陰謀だったのでは」との観測が飛び交った。
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※追加2_ あなたが金持ちの中国人男性と友人になったら、こう聞かれるだろう__「あなたの愛人はどんな女性か?」

もし「愛人なんていません」と答えようものなら、ホモか病気かと疑われるはずだ。 中国では、それほど金持ちの男性が愛人を持つのは当たり前だ。 特にここ数年 急激な経済成長とともに、愛人 "二奶" (アルナイ) の数は急増した。 正妻とは別の "隠し妻" 的存在という意味では日本でいう「愛人」「二号さん」に相当するが、中国の場合 基本的に男女間に恋愛感情はなく、後述するように ほぼ純粋にお金で結ばれ、明確な契約を結んでいるのが特徴だ。

現代中国では、露骨なほどに "二奶" を囲うことは地位と富の象徴になっている。

一説には、中央政府・地方政府の高級官僚と民間企業の経営幹部を中心に、外資系企業・国営企業の幹部、中国に進出している日本・韓国・台湾の企業経営者 (日本人、韓国人、台湾人) の 99% が "二奶" を囲っている、といわれている。 中国には約 1000万人 の役人がおり、そのうちある程度の金銭と実権を握っている幹部クラスは 100万人。 一方 民間企業の数はおよそ 600万社 と推定され、その経営者だけでも 600万人。 とすれば、数百万人の "二奶" が存在することは間違いない。

"二奶" になるのは女子大生が最も多く、他にキャビンアテンダント、女優、モデルもいれば、ナイトクラブや風俗店の女性、農村から都会に出てきたばかりの女性などもいる。 複数の "二奶" がいる場合、2人目の "二奶" は「三奶」、3人目の "二奶" は「四奶」と呼ばれる。

"二奶" を囲う時、明確な契約 (書) を交わす。 その内容は (性関係の) 契約期間、報酬金額に始まり、守秘義務、女性に提供される住居や車、許容される行動範囲、子供を産むか産まないか、産んだ場合 どちらが引き取るか、違約時の処罰、解約時の財産処理といったことに至るまで、事細かに規定されている。 男性が高級官僚や国営企業の幹部の場合、「男性が汚職事件に巻き込まれ、司法機関に拘束・起訴される時、契約は無効となり、女性が巻き込まれないようにする」という条項が加えられることが多い。

一般的にいって 契約期間は1~5年が多く、契約が満了すれば男女は別れ、金持ちの男性は新たな二奶を探す。

"二奶" を囲うことを「包二奶」、"二奶" に払う生活費を「包養費」というが、通常 包養費は年間 数万元から十数万元 で、食事代/住居費/年末ボーナス/契約満了時の謝礼金などは別途支給だ。 中ランク以上の "二奶" が得る全ての報酬を月額平均すると、中堅サラリーマンの年収に匹敵する。

こうした「"二奶" 文化」が中国に出現したのは、改革開放路線に舵を切った30年ほど前からだ。 広東省の深セン/珠海/汕頭/福建省の厦門が経済特区に指定されると、香港/台湾からの投資が始まり、富を持つ香港人、台湾人が周辺の四川省/湖南省/貴州省/江西省などの貧しい村から出てきた若い女性を二奶として囲い始めたのである。

特に、香港に隣接した深センは "二奶" が最も多く住む地域となった。 その中でもある住宅区域の場合、元々の住民はわずか 3300人 ほどだったのに対し、他の省から流入した住民は 6万5000人 にも達した。 当時、香港フェニックス TV が調査したところ、そのうち "二奶" が 5万人 も占めていたという。 このように "二奶" が集中して住んでいる地域は「"二奶" 村」と呼ばれている。 日本語にすれば「愛人村」である。 

深センのこの「"二奶" 村」は今でも有名で、今年6月11日付のエル・パイスというスペイン最大の新聞が報じ、後日 新華社がその記事を翻訳して紹介したほどだ (その記事では "二奶" の数は「数千名」とされている)。 "二奶" 村は海外にもある。 90年代半ば以降、民営企業の経営者たちがロサンゼルス郊外のローランドハイツに開発された別荘地に投資を始めたのだが、その時 中国国内にいる多くの "二奶" を住まわせた。 代理人として現地不動産の管理を任せたのだ。 遠く離れた地ならば正妻に見つかりにくいのも好都合だ。

こうした "二奶" の存在が中国の GDP を押し上げる要因のひとつになってきた。

"二奶" を囲うには高級マンションが必要であり、その他 高級車/高級化粧品/ブランド物の服などを買い与え、高級レストランで食事をさせ、時には海外旅行に連れて行かなければならない。 "二奶" 囲いが不動産価格の高騰を招いてきたのは間違いないし、"二奶" が好む「"二奶" 車」という言葉があるように、自動車市場の拡大にも "二奶" は貢献してきた。 ちなみに、フォルクスワーゲン・ビートル/ヒュンダイ・ジェネシスクーペ/ホンダ・アコードが "二奶" 車ベスト3である。 化粧品市場の規模も、87年にはわずか 18億元 だったが、今は 900億元 だ。

「"二奶" 1人が消費する額は一般の中国人女性50人分に相当する」「北京/上海/広州など沿岸部の大都市では "二奶" が人口の 5% を占め、彼女たちの消費額はその都市の総消費額の 20% を占めている」という説もある。 去年11月12日付のイギリス・サンデータイムズ紙も、「中国の高級品市場は "二奶" に金をつぎ込む富裕層の男性によって牽引されている」という、世界最大の金融グループ HSBC のエコノミストによる分析結果を掲載した。

だが、バブル崩壊の兆しが表われ始めた今日、"二奶" 経済にも変化が起こりつつある。

金回りが悪くなり始めた富裕層が、"二奶" との契約を解除するケースが出始めた。 そのため "二奶" が高級マンションから立ち退き、それが空室率上昇の一因になっている。 高級化粧品の売り上げも落ち始め、ナイトクラブの客足も鈍り、閉店時間が早まっている。

97年のアジア通貨危機や08年のリーマン・ショックで香港経済が一時的に落ち込んだ頃、深センの "二奶" 村では長期の契約を解除する動きが急増し、代わりに数か月、極端な場合は2週間という短期契約が増えた。 包養費も半額以下に下げられた。 まだその時ほどではないが、"二奶" の状況は厳しくなりつつある。

中国初の民営企業が設立された地で、中小企業が林立する浙江省温州市では、今 コストの上昇と銀行の貸し渋りによって経営が傾き始めた企業が多い。 そのため、この秋だけでも数十人の経営者が自殺したり失踪したりした。 そうした兆候に最も早く気づくのが "二奶" である。 自分の生活がかかっているので、経営者の微かな変化にも敏感なのだ。 自殺、失踪事件を警察が調査する過程で、数々の隠し資産と "二奶" の存在が発覚するケースもある。

また 最近、「役人の愛人たちは腐敗追及の主力軍だ」という言葉が流行っている。 盛んに行なわれている役人の汚職摘発では、多くの場合、"二奶" が警察に情報を提供しているのだ。 契約通りの待遇、あるいは以前の好待遇を受けられなくなったことに不満を持ったからである。

地位と金のある男性にとって "二奶" は天国である。 だが、中国の女性は欲深い。 その欲望を満足させられなくなった時、地獄に変わるのである。
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※追加3_ 国際通貨基金 (IMF) のストロスカーン前専務理事がフランス人女性作家トリスタンヌ・バノンさん (32) から性的暴行で告訴された事件で、パリ検察当局は、13日 ストロスカーン氏が2003年にわいせつな行為をしたと認定したものの、公訴時効の3年を過ぎているため不起訴処分とすると発表した。 バノンさん側は民事訴訟を提起するとしている。 検察当局は「(公訴時効が10年の) 強姦罪を立件するための十分な証拠はない」とした。

ストロスカーン氏は、米国でのホテル客室係への強姦未遂容疑事件での起訴が取り下げられた後に帰国。 バノンさんへの性的暴行疑惑については仏テレビに「妄想だ」と述べて、全否定していた。
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※追加4_ ニューヨークで性的暴行・強姦未遂容疑で訴追されていたストロスカーン元国際通貨基金 (IMF) 専務理事が、9月18日 フランスのテレビ局 TF1 に出演し、事件後初めてのインタビューに答えた。

ストロスカーン氏は2012年大統領選挙の社会党有力候補で、今年3月の世論調査ではサルコジ現大統領を上回る支持率を得ていたが、5月14日 マンハッタンのホテルで女性客室係に対する性的暴行・強姦未遂の疑いで訴えられた。 15日 ハーレムの警察署から出る手錠姿のカーン氏の姿がメディアで流され、フランス中を騒然とさせた。 7月初め 検察当局が女性側の証言に疑念をいだき、8月22日 あっけなく起訴が取り下げられた。 同氏は一環して「同意の上での性的接触であった」と主張しているが、女性側は民事裁判に提訴している。

インタビューでは、ニューヨーク検察庁の発表通り 暴行はなかったことを強調する一方、社会的に責任ある立場にありながら軽はずみな行動をとったことに対しては「家族、友人、そして私に期待してくれた国民に対してモラル上の過失を犯した、後悔している」と謝罪した。 大統領選挙への出馬はしないが、左翼の勝利を願っていることを表明し、EC 諸国の経済危機に関しては説得力のある分析をし、これからもなんらかの形で社会に貢献していこうという意志を見せた。

今回の事件では、米仏二国において 十分な裏付け捜査をしないまま起訴にもちこんだニューヨーク検察当局に批判が高まっている。 また フランス側では、国際人権規約に明文化されている推定無罪を無視して手錠姿の被疑者をメディアの前でさらし者にしたことや、女性側のプライバシーを暴露するワイドショー的なアメリカの司法システムが批判を浴びた。

しかし もっとも印象的だったのは、二国間での性意識の違いが浮き彫りになったことだ。

ニューヨーク・タイムスのサイトのフォーラムでは、「フランス人女性は男性権力者の性的不品行に対して寛容過ぎる」という意見が飛び交った。 また 7月24日付けのニュースウィーク誌では ヴォーグ誌元編集長のジョーン・ジュリエット・バックが、フランス社会がいかに性的に放埒、かつ男性優位社会であり、女性側もそれを許容しているかを記述している。 ストロスカーン氏は結婚しているのにもかかわらず 女性関係が派手なことで有名だったが、アメリカ人の視点からすれば、「そのような政治家が、なぜ大統領候補になれるのかわからない」ということらしい。

このようなアメリカ側の反応は、質素/清潔/潔白をモットーとしているプロテスタントのなかでも さらに厳格な清教徒 (ピューリタン) によって国が築かれた歴史をふりかえれば、容易に理解することができる。 90% のアメリカ人が神の存在を信じており、70% が教会に通っているという統計が出ているほどのキリスト教国である。

反対にフランスは、18世紀の革命以前はカトリック教を国教としていたが、現在は無神論者が 50% という、EC 諸国でもっとも宗教離れが激しい国である。 現在 毎日曜日教会に通う信者はわずか 4.5% に過ぎない。 もはや性を「悪」と断罪するキリスト教的道徳は、ほとんど存在しないといってもよいだろう。

南仏で12世紀に生まれたとされる「恋愛」の原型が、若い騎士が自分より高貴な既婚女性に捧げる不倫の愛であったとされていることもあるかもしれない。 一般人であろうと政治家であろうと、成人同士の不倫や「適切でない」性的関係がスキャンダルにならない。 クリントン前大統領がモニカ・ルインスキー事件で叩かれた際にも、フランスではクリントン擁護一色であった。

シラク前大統領の大統領就任一周年を前に大衆雑誌「ガラ」に掲載された世論調査によると、「シラク大統領、あるいは夫人が婚外関係に陥ったらショックを受けるか?」という質問に、国民の 73% がノンと答えたそうである。 ミッテラン前大統領は愛人の女性と暮らしていて隠し子がいたが、それを微笑ましく思う人はいても、非難の声があがることはなかった。 同意した者同士の関係ならばプライバシーという聖域に入り、他人がその善悪について言及することは憚られる。

一方 ストロスカーン氏の事件は、フランスのフェミニズム運動が活性化するきっかけになったことも否めない。 今まで口を噤んでいた、政財界でセクシャルハラスメントや性暴力を受けた女性たちが発言し始め、フェミニスト団体の抗議デモが相次いだ。 性暴力被害者相談室への電話は、通常より 30% 多くなったという。 ル・ヌーヴェルオプセルヴァタール誌の調査によると、毎年約 7万5千人 の女性が強姦されているが、告訴するのはそのうちの約 10% に過ぎない。 セクシャルハラスメントは話題にすらならないのである。

日本でセクハラという言葉がひろがったのは1980年代半ばだが、フランスで 上司が部下に対して自分の権限を利用する対価型セクシャルハラスメントが軽罪として認められたのはきわめて遅く、1992年のことだ。 この時、「同僚から性的嫌がらせを受けた場合には?」というジャーナリストの質問に対して、当時の女権大臣ヴェロニック・ネイルスは「自分で張り倒せば?」と答えている。 この反応は、フランスのフェミニズム運動の特徴をよく表現している。

セクシャルハラスメントという概念は、70年代初頭 アメリカのラジカル・フェミニズム運動の過程で誕生した。 根本に「女性に対する抑圧は、家父長制度を基にした男性の支配的な性に要因する」という考え方があり、「だから男性の性は法律で規制すべきだ」という思想的流れのなかで、セクシャルハラスメントという概念が生まれた。

一方 哲学者シモーヌ・ド・ボーヴォワールやエリザベト・バダンテールの思想を中心にする、フランスで主流の普遍主義フェミニズムは、男女同権を主張するものの、ラジカル・フェミニズムのような男性の性悪説を否定し、あくまで男女共存を説いている。 このような思想背景のもとでは、セクシャルハラスメントという概念は定着しにくい。「男女間で起きるあらゆるすれ違いや摩擦の解決を警察や法に頼るようでは、女性は無能だとみずから認めるようなものではないか」とバダンテール氏はいっている。

ストロスカーン事件が、フランス人の性意識に一抹の疑念を投げかけたことは確かだろう。 しかし 事件後に発行された『フランスのマッチョ』とタイトルされたル・ヌーヴェルオプセルヴァタール誌上で、「フランスでは、仕事の場でも誘惑し誘惑されといった恋愛ゲームが許容されているが、こういう習慣は危険ではないだろうか?」という質問に、ナタリー・コシュースコ=モリゼ環境大臣が次のように答えている。

「性犯罪は厳しく取り締まるべきだと思う。 でも 男女関係がアメリカ流のピューリタニズムで干涸びてしまうのは勘弁してほしい。 男女がお互いを尊重しながら、時にはユーモアを混じえて危険な会話を楽しむ余裕がある社会のほうがいいと思う」と。 多くのフランス人の心境を代弁しているように思われる。
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※追加5_ 国際通貨基金 (IMF) のストロスカーン前専務理事のキャリアが19日の起訴によって終わった。 同氏は、毀誉褒貶 (きよほうへん) が激しく、次期大統領の有力候補といわれながら政治家としては素人とみなされていた。

先週末ニューヨークで性的暴行容疑によって逮捕される前から、同氏は何度も政治的な生死を乗り越えてきた。 19日に専務理事を辞任したが、容疑は否認している。逮捕前には、来年のフランス大統領選のトップ候補とみられていた。

ストロスカーン氏はチェスの名人だった。 彼をよく知る人によると、チェスボードを見ずに遠くからでも対局ができるという。 また エコノミストとしても優秀で原稿なしでスピーチをすることも多かった。

浮沈といえば、最近では 同氏は存在意義を失っていた IMF を活性化することに貢献したと評価される一方、部下へのセクハラの疑いで問題になっている。

ストロスカーン氏は、パリ郊外のヌイー・シュル・セーヌに、ジャーナリストの母と税アドバイザーの父の間に生まれた。 早熟で、15歳のときには、死刑に関するスピーチで賞を受けた。 最初の妻とは高校時代に出会い18歳で結婚した。

権威ある HEC 経営大学院に入学したこともあって1968年の五月革命には関わらなかった。 当時 彼は将来、財務相になるかノーベル賞を取ると公言していたという。 財務相の座は、実際に97年 社会党のジョスパン内閣で射止めた。

90年代初めは、ユーロの導入に尽力し国際的に知名度を上げた。 エール・フランスやフランス・テレコムの部分民営化によって穏健な社会主義者という評価を受けた。

しかし 99年には汚職疑惑で辞職している。 のちにこの嫌疑は晴らされた。

2002年には 熱心な党内政治の結果、首相への就任が確実視されていたが、社会党の大統領候補のジョスパン氏が再選されなかったため実現しなかった。

07年の大統領選では、平議員のセゴレーヌ・ロワイヤル氏に社会党の予備選で敗れた。 ロワイヤル氏のように地方を回ることもなく、党本部周辺でしか運動しなかったため、無投票で選ばれることを好む、政治的には素人だという見方がさらに強まった。

そのイメージを嫌って、ストロスカーン氏は07年の選挙戦では「確かに大統領になろうと思って生まれたわけではない。 しかし わたしは素人ではない」と記者団に言明したこともある。

07年9月 同氏は IMF の専務理事になった。 この当時 IMF は目的を失い、世界的な好況の中で役割を模索していた。

同氏は、IMF の1945年の創立以来 初めて大規模な人員削減を行い、赤字を回避するため、IMF が保有する金の一部売却を実現させた。 その結果 IMF は、途上国だけでなく西欧でも重要なプレーヤーとみなされるまでに生まれ変わった。

ある IMF 幹部は「彼の力で、IMF は単に存続できるようになっただけでなく 中心的な役割を演じられるまでになった。 こうした認識は IMF の隅々まで行き渡っている」と語った。

だが そうした功績を上げる一方、不適切な行動が同氏と IMF を辱めた。 就任から数カ月後、同氏は地位を利用して部下に性的な関係を迫ったとして糾弾された。 その後の調査で 関係は合意に基づくものだったとされたが、IMF 理事会は 同氏が重大な判断の過ちを犯したと結論付けた。 同氏は謝罪し、専務理事としての高い期待に応えるよう努力すると述べた。

19日 同氏は、「IMF を守るため」として専務理事を辞任した。

以上




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