シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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中国経済への締め付けは半導体製造装置でも?

2020年01月17日 | 経済あーだこーだ
左は日経記事※2から。 右上はオランダの ASML のリソグラフィ工場内部。 右下は装置内部 (ロイター記事※1から)。
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米中貿易摩擦が続く中、米国による関税率の引き上げや為替操作国認定 (これは14日 取り消し) など、いろいろな手段を繰り出してきますが、とうとうハイテク産業に欠かせない最先端半導体を製造する装置にも米国の中国包囲の手が及んできました。
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「米が半導体巡りオランダに圧力、中国への技術流出を阻止」(1月11日 ロイター ※1)
「ASML、中国納入を保留  次世代半導体製造装置  米の規制懸念か」(2019年11月7日 日経 ※2)
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半導体の中でも 最先端の 5G 対応や (DRAM や NAND フラッシュ) メモリーなどは、次世代スマートフォンには必須の製品です。 5G 対応素子は、情報の塊りで情報戦争の勝敗を決しかねないデータセンターにもフンダンに使われます。

もし この 5G 分野の製品とその要である最先端半導体を中国が製造し始め、その安価な装置を世界中に輸出し、世界のデータセンターなどが中国製品で埋め尽くされてしまうと、米国は将来の情報戦争で中国に負けてしまう可能性がないともいい切れません。
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米国にとって 軍事・経済・金融・ハイテクなど あらゆる分野でトップの座を米国が占めることが当然とされ、その覇権の座を脅かす存在は排除しなくてはならない、これが米国自身が信じるミッション (使命) なのです。

ですから 1980年代後半に自動車や電機製品などの製品とその経済力で米国に迫り、ハイテク製品・半導体分野でも米国を追い越すかに見えた (?) 国を徹底的に排除し、その産業を叩き潰そうとしました。

おかげで その国の半導体は徐々に競争力を削がれ、その間隙で韓国・台湾の半導体産業が伸びるのを許し、今では 当時米国に追いつこうとした半導体産業は見る影もありません (CCD や NAND フラッシュではまだ強いですが)。 その国は __
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いま 米国に軍事力・経済力で迫る中国を徹底的に叩き 排除するために、中国製品の関税率を引き上げたりしていますが、遂に中国に最先端半導体を製造させないために、製造装置の中でも最も高価で、最重要の (?) 露光装置を製造するオランダの会社 ASML にも米政府の要請が及んできました。

世界半導体市場は、2018年 $470B (約 50兆円)・2019年 $410B (約 45兆円) とされています (2019年12月 WSTS 発表資料)。

電子機器市場の2割が半導体市場、その2割が製造装置市場といわれますから、上記 WSTS から推測すると 10兆円から 8兆円が製造装置市場となります __ 冒頭左グラフが示すのは 5兆円~6兆円レベルですが。 過去のピークは2018年 $65B (約 7兆円) ともいわれます。

2015年頃まで長い間 製造装置市場の中で 最大分野は露光装置でしたが、15年以降はドライエッチング装置が最大分野となっています (18年時点では 露光市場が 1.1兆円、ドライエッチング市場が 1.3兆円という記事もあります)。
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露光装置市場の8割を握るのがオランダの ASML で、しかも 1台 150億円~200億円という最先端の装置は ASML しか作れません。 そこに米政府がオランダ政府に働きかけて中国への出荷を阻止するように要請しているらしいのです。

世界の工場ともいわれる中国は、長い間 半導体を自国内で調達するのが夢でした。 なぜなら 何十兆円もの電子機器を輸出するのに、その2割もの何兆円もの半導体を国外から輸入しているからです。 その代表製品がアップル製品でしょう。

アップル製品は米カリフォルニア本社で設計され、製品の製造は台湾メーカーの中国内子会社で製造され、世界中に輸出されますから、中国内で製造するには どうしても国外から部品や半導体を輸入せざるを得ないのです。

それが台湾・韓国・日本が製造する半導体 (MPU・メモリーと有機 EL・メモリーと CCD) と、日本が製造する電子部品などなのです。
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米国は考えつく限りのあらゆる手段を使って、中国の台頭を阻止しようとするでしょう。 たとえ 自動車市場や映画館客市場、他のどんな市場が世界最大市場となったとしてもです。

米国を脅かす軍司令官が出てきたら …、米国本土を狙う ICBM を保有する国が出てきたら …

今日はここまでです。

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