
写真は爆弾製造専門家イブラヒム・アシリ容疑者の顔写真 (2009年4月公開 資料写真)。
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人体内の人間爆弾か __ まるで SF 小説か未来マンガの類いですね。 けれど 半世紀前 太平洋戦争末期の日本軍が採った “神風特攻” は、と思い巡らすと あれも人間爆弾の一種ともいえますね。 窮地に追い込まれると、考え出すことは同じかも__ということは、アルカイダはある意味 “追いつめられて” こんな爆弾を作ろうとしているのでしょうか?
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「”人体内に爆弾” の恐怖、アルカイダの爆弾専門家に各国が警戒」(7月6日 AFP=時事) __ ※追加1へ
「”体内爆弾” 欧米警戒 プラスチック製で探知困難・起爆は携帯電話」(7月6日 産經新聞/ロンドン) __ ※追加2へ
「アルカイダ “検知不能” 爆弾の脅威」(12年6月19日 ダニエル・クレードマン ワシントン特別特派員/クリストファー・ディッキー 中東総局長/ニューズウィーク) __ ※追加3へ
ウィキペディアから__ 自爆テロ (Suicide attack) とは、犯人自身も死亡する事を前提とした殺人・破壊活動などのテロ犯罪である。 技術やコストがかからず 目標まで誘導して攻撃できることから『貧者のスマート爆弾』ともいわれる。
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このような爆弾を考え出すのは、人間の尊厳など顧みない 悪逆非道のなせるものといえますね。 それだけ 中東地域での人間の命は軽いのでしょうか?
13世紀のモンゴル帝国が西方へ侵略の手を広げた中世から、この中東地域から中国の西部地域にかけての中央アジアは、テロの嵐が吹き荒れ、いまだにその風は止んでいないように思います。 それ以前にもあったのかも知れませんが、歴史に残ってないだけです。
ネット検索を掛けると 最新のニュースで、「自爆テロで市民ら16人死亡=アフガン」(7月8日 ニューデリー時事) が出てきます。 “自爆テロ” はいつまたナンドキ、この中央アジアで発生するかもしれないのです。 振り返れば 2013年に発生した “ボストンマラソン爆弾テロ事件” は、“自爆テロ” ではありませんでしたが 今も強烈な印象が残っています。
しかし 最大級の “自爆テロ” 事件は、2001年に発生した “9.11 米同時多発テロ事件” ですね。 死亡者 3,000人、負傷者は 6,000人を超えます。 その2日前 アフガニスタン北部同盟の中枢人物マスード司令官が、ジャーナリストを装っていたアラブ系の2人の自爆テロにより、殺害されています。 また 中国・新疆ウイグル自治区では過去に テロが度々 (たびたび) 発生しており、いつまた発生しないとも限りません。
よく知られた中東の “暗殺教団” も、テロ組織の一種と想像されますが__
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ウィキペディアから__ “暗殺教団” 伝説の起源は、シリアにおけるイスラム教ニザール派の活動にある。 勇猛果敢で、時に暗殺という手段も用いたことから、十字軍に非常に恐れられた。 “秘密の園” 伝説は、暗殺教団伝説とは別にヨーロッパに伝えられ、のちに複合するようになる伝説である。
山中に楽園のような秘密の庭園を築いた老人が、里の若者を連れてきてこの庭に遊ばせ、秘密の薬を調合して楽しませる。 そのうえで老人は、若者にある陰謀に類するような使命を与え、再び戻りたければその使命を達成せよといって、目的を果たしていくというものである。
マルコ・ポーロの伝える “山の老人” 伝説では、「教団の指導者 “山の老人” が大麻によって若者を眠らせて秘密の園に連れこみ、歓楽を極めさせる。 そののち 再び麻薬で眠らせると、彼は元の村にいる。 ここで園への帰還を望む若者に老人への忠誠を誓わせて暗殺を行わせる」というものである。
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『世界の歴史~5 西域とイスラム』(中央公論社 1968年刊) から__ 秘密の花園から四方に派遣される暗殺者は、当時 西アジア一帯に恐怖の渦を巻き起こし、その魔手は十字軍の将領たちにまで伸びていた。 山の長 (おさ) の本拠は、テヘランの西北 エルブルツ山脈中の 4,000m ほどの高山に囲まれた険峻な山中にあって、アラムートと呼ばれていた。 _中略_
この奇怪な話しは、ペルシア/ヨーロッパ/中国元代の書物に書かれ、一致している。 山の長と教団がモンゴル帝国によって討滅されてまもなく、イランを通って中国に行ったマルコ・ポーロの旅行記にも詳しく書かれている。 ハシッシュ (hashish) は大麻から採った麻薬で、アサシン (assassin 暗殺者) はハシッシュから出た言葉。
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__ とよく読むと、“暗殺教団” =“山の老人” では必ずしもないようです。 しかし かつてシリアからイラン北部にかけてイスラム教ニザール派の活躍した地域では、これらの伝説が関わっているものと想像してしまいますね。
そして どうしても ”暗殺教団の伝説があった地域” から、“人間爆弾を製造する地域” が重なって見えてくるのは避けられないですね。 太平洋戦争末期の “神風特攻” は、連合軍=米軍軍人には理解できなかったでしょう。 戦後の日本は、軍人による “自殺攻撃” は完全に捨て去り、もはや あのような非人道的な攻撃手段を再び持ち出す事は考えられません。
中央アジアで起こっている自爆テロは、戦前の “神風特攻” に一部通じるものがあるのかも知れません。 特攻で死んでいった軍人はただ “日本という国のため” でした。 今 中央アジアで起こっている自爆テロは、”何のため” なのでしょうか? 宗教のため?、残された家族のため?、所属する部族のため?、それとも復讐のため?、私にはよく分かりません。
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力で押さえつけるだけでは無くならないとしたら、自爆テロ犯の思考回路は、欧米人や日本人 いや 中央アジアに住む人々以外には理解不能なのかも知れません。 冒頭左写真を見て、その無表情さには 人間の顔なのか?と疑ってしまいたくなります。
いったい ”人体内に爆弾” を埋め込もうという考えはどこから来るのか? 悪魔が指示しているのではとまで想像してしまいます。 早くそのような非人間的な 狂った考えから足を洗って、逆にその化学、医学的知識を人間を救うことに活用するように変わってもらいたいものです。
以上
※追加1_ 通常の空港保安検査を通り抜けることのできる新型の爆発物が作成されたとの情報に懸念が広がる中、国際社会の目はイエメンのある人物に向けられている──国際テロ組織アルカイダの爆弾製造専門家イブラヒム・アシリ容疑者 (32) だ。
米政府はこの情報を受けて、空の便で欧州と中東から米国に入る旅行者に保安検査を強化すると発表した。 米当局は具体的な犯行計画を特定したかどうかを明らかにしていない。 だが専門家らは、この脅威の背後に誰かがいるとすれば、それは「アラビア半島のアルカイダ (AQAP)」とともに政情不安定なイエメン南部に潜伏しているサウジアラビア人 アシリ容疑者だと指摘する。
アブ・サレハの名でも知られるアシリ容疑者は、米国の最重要指名手配リストにその名がある元化学学生で、米無人機による度重なる攻撃をかいくぐって生き延びている。 アシリ容疑者が得意とするのは発見が困難な非金属の爆発物で、四硝酸ペンタエリスリット (Pentaerythritol tetranitrate、PETN) と化学薬品の起爆剤を用いることが多い。
アシリ容疑者が関与したとされる事件は、2009年12月25日の米国行きの航空機の爆破未遂事件、2010年にイエメンから米シカゴに四硝酸ペンタエリスリットを仕込んだプリンターのインクカートリッジを小包で送ろうとした事件、2009年のサウジアラビア副内相暗殺未遂事件などが知られている。
■失敗から学ぶ危険な男
仏犯罪学者で航空保安に詳しいクリストフ・ノダン氏は、シカゴへの小包爆弾が発見されたのは、従来の保安検査ではなく 情報収集活動のおかげだったと語る。
「(爆弾は) 全ての検査をくぐり抜けた。 だが AQAP に潜伏していたサウジアラビアの情報機関の要員がフライト番号と経路、小包番号を連絡してきたおかげで発見することができた。 人的情報活動がなかったら爆発していただろう」と、ノダン氏は AFP に述べた。
アシリ容疑者は、事件ごとに爆弾製造手法を改良することで知られている。 米中央情報局 (CIA) のジョン・ブレナン長官はアシリ容疑者について、「極めて危険な人物で、相当の訓練を受けた経験豊富な人物」と述べ、「アシリ容疑者の最も危険な点は、同じことを繰り返さないことだ。 失敗するたびに学び、新たなことを試してくる」と説明している。
一部の情報要員からの報告によると アシリ容疑者はシリアの医師と協力し、爆発装置を人体に手術で埋め込むという ほぼ発見不可能な方法を実験しているという。
世界のイスラム武装勢力の盟主の座をめぐり、イラクとシリアの広い範囲を支配下に置いて注目を集めたイスラム過激派「イスラム国 (IS)」との競争に直面したアルカイダが、派手な攻撃を企てている可能性があると専門家らは指摘している。 また一方で アシリ容疑者が IS 側についたことをうかがわせる報告も上がっており、IS のために攻撃の準備に取りかかった可能性も指摘されている。
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※追加2_ 国際テロ組織アルカーイダ系組織が人体に埋め込み、空港の探知機に発見されにくくした「ステルス爆弾」を開発した可能性があると英紙タイムズが4日、報じた。 爆弾は英国など欧州の過激派の手に渡ったとの情報もある。 英保安当局は米国への航空機テロを防ぐため、空港での検査を強化。 欧米諸国は新たなテロ発生への警戒を高めている。
同紙によると 爆弾はプラスチックなどでできており、外科的な手術で体内に埋め込まれる。 このため 金属探知機でも化学物質探知機でも発見しにくい。 起爆は携帯電話で行うという。 イエメンを拠点とする国際テロ組織「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP) 幹部で、爆弾製造を指揮するイブラヒム・アシリ容疑者 (32) が開発したとみられている。
サウジアラビア出身で、化学を専攻する学生だった同容疑者は、2009年に欧州から米国行き航空機の乗客が着用した「下着爆弾」や、同年のサウジアラビア高官暗殺未遂で使われた肛門内に隠す爆弾など、自爆テロ犯の爆弾製造にかかわったという。 10年に米国で押収されたプリンターのインクカートリッジに仕掛けた爆弾の製造にも関与したとみられている。
米国は無人機による容疑者殺害を数回試みたが、失敗。 同容疑者に爆弾製造技術を教え込まれた外国人義勇兵らが、欧米でのテロを画策しているとの情報があり、欧米各国の空港で最近 持ち物や衣服を含む身体検査が強化されたという。
シリアでは、イスラム過激主義に傾倒した英国人義勇兵約 500人が戦闘に加わっているともされる。 タイムズは、「旅行者らはこの夏、空港で行列をつくり、厳しい検査を受けることになる」と警告している。
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※追加3_ サウジ当局の二重スパイ作戦で旅客機爆破は防げたが、体内埋め込み型爆弾の改良が進めばテロは新たな段階に
爆発の煙が収まると、部屋中にテロリストの死体の破片が飛び散っていた。 09年8月のその夜 男が担っていた使命は、サウジアラビアのナエフ内相 (現皇太子) の息子でテロ対策責任者のムハマド・ビン・ナエフ王子を殺害することだった。 男はサウジ当局に投降の意向を伝え、王子と面会の機会を与えられれば、ほかの自爆テロ要員にも投降を呼び掛けると約束した。
サウジ当局が男を隣国イエメンとの国境近くから首都リヤドに移送し、身体検査を行ったところ武器は見つからなかった。 そこで男の要望どおり 南西部の都市ジッダにある王子の自宅で面会の場を設けた。
2人が対面した瞬間 ホラー映画の一場面さながらに、男が爆発した。 地元テレビ局の映像によると、吹き飛んだ男の腕がつり天井のタイルを粉砕し、床にははだしの足だけがぽつんと立っていた。 白い家具には、おびただしい肉片がこびりついていた。
王子は軽傷で済んだが、このとき テロが新しい段階に突入したことは間違いない。 この事件で、既存のセキュリティー装置ではほぼ検知不可能な爆発物が存在することが初めて確認されたのだ。 4カ月後の同年12月には テロリストがアムステルダム発デトロイト行きの旅客機に、下着の中に仕込んだ爆発物を持ち込むことに成功している (この爆破テロは未遂に終わった)。
そして今月に入って、新しいニュースが報じられた。 サウジアラビアの二重スパイが自爆テロ志望者を装い、イエメンを拠点とするアルカイダ系イスラム武装勢力「アラビア半島のアルカイダ (AQAP)」に潜入。 最新型の爆発物を持ち出してサウジアラビアの対テロ当局と米 CIA (中央情報局) に提出し、テロを阻止したという。
水際作戦だけでは限界
しかし これで脅威が消えたわけではない。 この種の爆弾の製造者は、AQAP の爆弾専門家イブラヒム・アル・アシリだといわれている。 サウジ王子暗殺を企てた自爆テロ犯は兄弟だ。
「アシリの手下がいったい何人いるのか分からない」と、最近まで FBI (米連邦捜査局) のテロ対策部門の幹部だったドン・ボレッリはいう。「アシリが爆弾製造の技術を弟子たちに伝授していれば、たとえ 米軍の無人爆撃機による掃討作戦でアシリが抹殺されても、爆弾作りは終わりにならない」
しかも CIA は昨年6月までに、アシリが外科手術によって人間の体内に爆発物を埋め込む技術の実用化に近づいていると結論付けた。 本誌の得た情報によると、米情報機関内でその技術に関する詳細な秘密報告書が回覧されたという。
「テロリストのおなかの贅肉に爆弾を埋め込むという話だった」と、この報告書を読んだ米政府筋はいう (機密情報を話題にしていることを理由に匿名を希望)。 実際に 人間の体内に爆発物を埋め込むことに成功したかどうかは明らかでないが、犬などを使った動物実験は行われているという。
もっとも この種の爆発物を実際に爆発させるのは簡単でない。「極めて特殊な点火システムが必要とされる」と、ボレッリは指摘する。「もし人間の体内に爆弾を埋め込むとすれば、体の外から爆発物に点火しなくてはならない」
事実 09年8月のサウジ王子暗殺未遂事件では、爆発エネルギーのほとんどを自爆テロ犯の体が吸収した。 同年12月の旅客機爆破未遂事件では、下着の中の爆弾がうまく着火しなかった。
しかし 油断はできない。 旅客機爆破未遂事件を機に、アメリカの多くの空港では搭乗前の身体検査用に全身透視スキャナーが導入されたが、外科手術で体に埋め込む爆発物の改良が進めば、検知は不可能になるだろう。
こうした不安があるからこそ、オバマ政権は空港での水際作戦だけで満足せず、テロ組織掃討作戦に力を入れている。 アフガニスタンとパキスタン、イエメンで無人爆撃機による攻撃を行っている目的はここにある。
アラビア半島における地上の戦いでは、ナエフ王子率いるサウジアラビアのテロ対策部門がカギを握る。 電子機器を用いた監視技術ではアメリカが世界一だが、この地域における人的監視能力では、サウジ当局がアメリカのはるかに上を行く。
実力は今回の二重スパイ作戦でも発揮された。「サウジ当局はイエメン国内に強力な情報収集網を持っていて、AQAP が欧米のパスポート保持者を探しているという情報を得た」と、湾岸研究センター (リヤド) の安全保障・防衛部門責任者を務めるムスタファ・アラニはいう。
サウジ当局は、二重スパイを送り込む絶好のチャンスと考えた。 そこで見つけたのが、EU のパスポートを持つ元イギリス居住者の男性だった。 これにはイギリス政府が協力したようだ。
テロ勢力はいまだ拡大中
「サウジ当局はその男性をスカウトして、イエメンに送り込んだ。 すると期待どおり (AQAP が) 食い付いた」と、アラニはいう。「アメリカ側も知らされていたが、これは全面的にサウジアラビア当局の作戦だった」
成果は、最新型爆弾の入手だけではなかったようだ。 5月6日にアメリカ軍がイエメンで無人爆撃機攻撃により AQAP 幹部のファハド・アル・クソを抹殺する上でも、この二重スパイのもたらした情報が役立った可能性がある。
こうした成果も上がってはいるものの、テロの活動領域は縮小していない。 むしろ 拡大し続けている。「ウサマ・ビンラディン抹殺から1年たって、問題が万事解決したかのようなムードも漂い始めているが、それはとんだ思い違いだ」と、ある米情報機関のベテラン職員はいう。「アルカイダ系の組織が安全に活動できる地域は広がっている」
イエメンで AQAP の支配地域は過去最大に拡大しているし、ソマリア、マリ、ナイジェリア北部、アルジェリアとリビアの一部などでもアルカイダ系の組織が頭をもたげ始めている。 爆弾専門家のアシリは今も健在で、ほかのエキスパートを育成している。
「安心ムードに水を差すのは本意でないが」と、この情報機関職員はいう。「心配することが私の仕事である以上、状況を丹念に精査しないわけにいかない。 そして精査すると、大きな不安を感じずにはいられなくなる」
以上
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人体内の人間爆弾か __ まるで SF 小説か未来マンガの類いですね。 けれど 半世紀前 太平洋戦争末期の日本軍が採った “神風特攻” は、と思い巡らすと あれも人間爆弾の一種ともいえますね。 窮地に追い込まれると、考え出すことは同じかも__ということは、アルカイダはある意味 “追いつめられて” こんな爆弾を作ろうとしているのでしょうか?
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「”人体内に爆弾” の恐怖、アルカイダの爆弾専門家に各国が警戒」(7月6日 AFP=時事) __ ※追加1へ
「”体内爆弾” 欧米警戒 プラスチック製で探知困難・起爆は携帯電話」(7月6日 産經新聞/ロンドン) __ ※追加2へ
「アルカイダ “検知不能” 爆弾の脅威」(12年6月19日 ダニエル・クレードマン ワシントン特別特派員/クリストファー・ディッキー 中東総局長/ニューズウィーク) __ ※追加3へ
ウィキペディアから__ 自爆テロ (Suicide attack) とは、犯人自身も死亡する事を前提とした殺人・破壊活動などのテロ犯罪である。 技術やコストがかからず 目標まで誘導して攻撃できることから『貧者のスマート爆弾』ともいわれる。
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このような爆弾を考え出すのは、人間の尊厳など顧みない 悪逆非道のなせるものといえますね。 それだけ 中東地域での人間の命は軽いのでしょうか?
13世紀のモンゴル帝国が西方へ侵略の手を広げた中世から、この中東地域から中国の西部地域にかけての中央アジアは、テロの嵐が吹き荒れ、いまだにその風は止んでいないように思います。 それ以前にもあったのかも知れませんが、歴史に残ってないだけです。
ネット検索を掛けると 最新のニュースで、「自爆テロで市民ら16人死亡=アフガン」(7月8日 ニューデリー時事) が出てきます。 “自爆テロ” はいつまたナンドキ、この中央アジアで発生するかもしれないのです。 振り返れば 2013年に発生した “ボストンマラソン爆弾テロ事件” は、“自爆テロ” ではありませんでしたが 今も強烈な印象が残っています。
しかし 最大級の “自爆テロ” 事件は、2001年に発生した “9.11 米同時多発テロ事件” ですね。 死亡者 3,000人、負傷者は 6,000人を超えます。 その2日前 アフガニスタン北部同盟の中枢人物マスード司令官が、ジャーナリストを装っていたアラブ系の2人の自爆テロにより、殺害されています。 また 中国・新疆ウイグル自治区では過去に テロが度々 (たびたび) 発生しており、いつまた発生しないとも限りません。
よく知られた中東の “暗殺教団” も、テロ組織の一種と想像されますが__
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ウィキペディアから__ “暗殺教団” 伝説の起源は、シリアにおけるイスラム教ニザール派の活動にある。 勇猛果敢で、時に暗殺という手段も用いたことから、十字軍に非常に恐れられた。 “秘密の園” 伝説は、暗殺教団伝説とは別にヨーロッパに伝えられ、のちに複合するようになる伝説である。
山中に楽園のような秘密の庭園を築いた老人が、里の若者を連れてきてこの庭に遊ばせ、秘密の薬を調合して楽しませる。 そのうえで老人は、若者にある陰謀に類するような使命を与え、再び戻りたければその使命を達成せよといって、目的を果たしていくというものである。
マルコ・ポーロの伝える “山の老人” 伝説では、「教団の指導者 “山の老人” が大麻によって若者を眠らせて秘密の園に連れこみ、歓楽を極めさせる。 そののち 再び麻薬で眠らせると、彼は元の村にいる。 ここで園への帰還を望む若者に老人への忠誠を誓わせて暗殺を行わせる」というものである。
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『世界の歴史~5 西域とイスラム』(中央公論社 1968年刊) から__ 秘密の花園から四方に派遣される暗殺者は、当時 西アジア一帯に恐怖の渦を巻き起こし、その魔手は十字軍の将領たちにまで伸びていた。 山の長 (おさ) の本拠は、テヘランの西北 エルブルツ山脈中の 4,000m ほどの高山に囲まれた険峻な山中にあって、アラムートと呼ばれていた。 _中略_
この奇怪な話しは、ペルシア/ヨーロッパ/中国元代の書物に書かれ、一致している。 山の長と教団がモンゴル帝国によって討滅されてまもなく、イランを通って中国に行ったマルコ・ポーロの旅行記にも詳しく書かれている。 ハシッシュ (hashish) は大麻から採った麻薬で、アサシン (assassin 暗殺者) はハシッシュから出た言葉。
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__ とよく読むと、“暗殺教団” =“山の老人” では必ずしもないようです。 しかし かつてシリアからイラン北部にかけてイスラム教ニザール派の活躍した地域では、これらの伝説が関わっているものと想像してしまいますね。
そして どうしても ”暗殺教団の伝説があった地域” から、“人間爆弾を製造する地域” が重なって見えてくるのは避けられないですね。 太平洋戦争末期の “神風特攻” は、連合軍=米軍軍人には理解できなかったでしょう。 戦後の日本は、軍人による “自殺攻撃” は完全に捨て去り、もはや あのような非人道的な攻撃手段を再び持ち出す事は考えられません。
中央アジアで起こっている自爆テロは、戦前の “神風特攻” に一部通じるものがあるのかも知れません。 特攻で死んでいった軍人はただ “日本という国のため” でした。 今 中央アジアで起こっている自爆テロは、”何のため” なのでしょうか? 宗教のため?、残された家族のため?、所属する部族のため?、それとも復讐のため?、私にはよく分かりません。
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力で押さえつけるだけでは無くならないとしたら、自爆テロ犯の思考回路は、欧米人や日本人 いや 中央アジアに住む人々以外には理解不能なのかも知れません。 冒頭左写真を見て、その無表情さには 人間の顔なのか?と疑ってしまいたくなります。
いったい ”人体内に爆弾” を埋め込もうという考えはどこから来るのか? 悪魔が指示しているのではとまで想像してしまいます。 早くそのような非人間的な 狂った考えから足を洗って、逆にその化学、医学的知識を人間を救うことに活用するように変わってもらいたいものです。
以上
※追加1_ 通常の空港保安検査を通り抜けることのできる新型の爆発物が作成されたとの情報に懸念が広がる中、国際社会の目はイエメンのある人物に向けられている──国際テロ組織アルカイダの爆弾製造専門家イブラヒム・アシリ容疑者 (32) だ。
米政府はこの情報を受けて、空の便で欧州と中東から米国に入る旅行者に保安検査を強化すると発表した。 米当局は具体的な犯行計画を特定したかどうかを明らかにしていない。 だが専門家らは、この脅威の背後に誰かがいるとすれば、それは「アラビア半島のアルカイダ (AQAP)」とともに政情不安定なイエメン南部に潜伏しているサウジアラビア人 アシリ容疑者だと指摘する。
アブ・サレハの名でも知られるアシリ容疑者は、米国の最重要指名手配リストにその名がある元化学学生で、米無人機による度重なる攻撃をかいくぐって生き延びている。 アシリ容疑者が得意とするのは発見が困難な非金属の爆発物で、四硝酸ペンタエリスリット (Pentaerythritol tetranitrate、PETN) と化学薬品の起爆剤を用いることが多い。
アシリ容疑者が関与したとされる事件は、2009年12月25日の米国行きの航空機の爆破未遂事件、2010年にイエメンから米シカゴに四硝酸ペンタエリスリットを仕込んだプリンターのインクカートリッジを小包で送ろうとした事件、2009年のサウジアラビア副内相暗殺未遂事件などが知られている。
■失敗から学ぶ危険な男
仏犯罪学者で航空保安に詳しいクリストフ・ノダン氏は、シカゴへの小包爆弾が発見されたのは、従来の保安検査ではなく 情報収集活動のおかげだったと語る。
「(爆弾は) 全ての検査をくぐり抜けた。 だが AQAP に潜伏していたサウジアラビアの情報機関の要員がフライト番号と経路、小包番号を連絡してきたおかげで発見することができた。 人的情報活動がなかったら爆発していただろう」と、ノダン氏は AFP に述べた。
アシリ容疑者は、事件ごとに爆弾製造手法を改良することで知られている。 米中央情報局 (CIA) のジョン・ブレナン長官はアシリ容疑者について、「極めて危険な人物で、相当の訓練を受けた経験豊富な人物」と述べ、「アシリ容疑者の最も危険な点は、同じことを繰り返さないことだ。 失敗するたびに学び、新たなことを試してくる」と説明している。
一部の情報要員からの報告によると アシリ容疑者はシリアの医師と協力し、爆発装置を人体に手術で埋め込むという ほぼ発見不可能な方法を実験しているという。
世界のイスラム武装勢力の盟主の座をめぐり、イラクとシリアの広い範囲を支配下に置いて注目を集めたイスラム過激派「イスラム国 (IS)」との競争に直面したアルカイダが、派手な攻撃を企てている可能性があると専門家らは指摘している。 また一方で アシリ容疑者が IS 側についたことをうかがわせる報告も上がっており、IS のために攻撃の準備に取りかかった可能性も指摘されている。
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※追加2_ 国際テロ組織アルカーイダ系組織が人体に埋め込み、空港の探知機に発見されにくくした「ステルス爆弾」を開発した可能性があると英紙タイムズが4日、報じた。 爆弾は英国など欧州の過激派の手に渡ったとの情報もある。 英保安当局は米国への航空機テロを防ぐため、空港での検査を強化。 欧米諸国は新たなテロ発生への警戒を高めている。
同紙によると 爆弾はプラスチックなどでできており、外科的な手術で体内に埋め込まれる。 このため 金属探知機でも化学物質探知機でも発見しにくい。 起爆は携帯電話で行うという。 イエメンを拠点とする国際テロ組織「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP) 幹部で、爆弾製造を指揮するイブラヒム・アシリ容疑者 (32) が開発したとみられている。
サウジアラビア出身で、化学を専攻する学生だった同容疑者は、2009年に欧州から米国行き航空機の乗客が着用した「下着爆弾」や、同年のサウジアラビア高官暗殺未遂で使われた肛門内に隠す爆弾など、自爆テロ犯の爆弾製造にかかわったという。 10年に米国で押収されたプリンターのインクカートリッジに仕掛けた爆弾の製造にも関与したとみられている。
米国は無人機による容疑者殺害を数回試みたが、失敗。 同容疑者に爆弾製造技術を教え込まれた外国人義勇兵らが、欧米でのテロを画策しているとの情報があり、欧米各国の空港で最近 持ち物や衣服を含む身体検査が強化されたという。
シリアでは、イスラム過激主義に傾倒した英国人義勇兵約 500人が戦闘に加わっているともされる。 タイムズは、「旅行者らはこの夏、空港で行列をつくり、厳しい検査を受けることになる」と警告している。
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※追加3_ サウジ当局の二重スパイ作戦で旅客機爆破は防げたが、体内埋め込み型爆弾の改良が進めばテロは新たな段階に
爆発の煙が収まると、部屋中にテロリストの死体の破片が飛び散っていた。 09年8月のその夜 男が担っていた使命は、サウジアラビアのナエフ内相 (現皇太子) の息子でテロ対策責任者のムハマド・ビン・ナエフ王子を殺害することだった。 男はサウジ当局に投降の意向を伝え、王子と面会の機会を与えられれば、ほかの自爆テロ要員にも投降を呼び掛けると約束した。
サウジ当局が男を隣国イエメンとの国境近くから首都リヤドに移送し、身体検査を行ったところ武器は見つからなかった。 そこで男の要望どおり 南西部の都市ジッダにある王子の自宅で面会の場を設けた。
2人が対面した瞬間 ホラー映画の一場面さながらに、男が爆発した。 地元テレビ局の映像によると、吹き飛んだ男の腕がつり天井のタイルを粉砕し、床にははだしの足だけがぽつんと立っていた。 白い家具には、おびただしい肉片がこびりついていた。
王子は軽傷で済んだが、このとき テロが新しい段階に突入したことは間違いない。 この事件で、既存のセキュリティー装置ではほぼ検知不可能な爆発物が存在することが初めて確認されたのだ。 4カ月後の同年12月には テロリストがアムステルダム発デトロイト行きの旅客機に、下着の中に仕込んだ爆発物を持ち込むことに成功している (この爆破テロは未遂に終わった)。
そして今月に入って、新しいニュースが報じられた。 サウジアラビアの二重スパイが自爆テロ志望者を装い、イエメンを拠点とするアルカイダ系イスラム武装勢力「アラビア半島のアルカイダ (AQAP)」に潜入。 最新型の爆発物を持ち出してサウジアラビアの対テロ当局と米 CIA (中央情報局) に提出し、テロを阻止したという。
水際作戦だけでは限界
しかし これで脅威が消えたわけではない。 この種の爆弾の製造者は、AQAP の爆弾専門家イブラヒム・アル・アシリだといわれている。 サウジ王子暗殺を企てた自爆テロ犯は兄弟だ。
「アシリの手下がいったい何人いるのか分からない」と、最近まで FBI (米連邦捜査局) のテロ対策部門の幹部だったドン・ボレッリはいう。「アシリが爆弾製造の技術を弟子たちに伝授していれば、たとえ 米軍の無人爆撃機による掃討作戦でアシリが抹殺されても、爆弾作りは終わりにならない」
しかも CIA は昨年6月までに、アシリが外科手術によって人間の体内に爆発物を埋め込む技術の実用化に近づいていると結論付けた。 本誌の得た情報によると、米情報機関内でその技術に関する詳細な秘密報告書が回覧されたという。
「テロリストのおなかの贅肉に爆弾を埋め込むという話だった」と、この報告書を読んだ米政府筋はいう (機密情報を話題にしていることを理由に匿名を希望)。 実際に 人間の体内に爆発物を埋め込むことに成功したかどうかは明らかでないが、犬などを使った動物実験は行われているという。
もっとも この種の爆発物を実際に爆発させるのは簡単でない。「極めて特殊な点火システムが必要とされる」と、ボレッリは指摘する。「もし人間の体内に爆弾を埋め込むとすれば、体の外から爆発物に点火しなくてはならない」
事実 09年8月のサウジ王子暗殺未遂事件では、爆発エネルギーのほとんどを自爆テロ犯の体が吸収した。 同年12月の旅客機爆破未遂事件では、下着の中の爆弾がうまく着火しなかった。
しかし 油断はできない。 旅客機爆破未遂事件を機に、アメリカの多くの空港では搭乗前の身体検査用に全身透視スキャナーが導入されたが、外科手術で体に埋め込む爆発物の改良が進めば、検知は不可能になるだろう。
こうした不安があるからこそ、オバマ政権は空港での水際作戦だけで満足せず、テロ組織掃討作戦に力を入れている。 アフガニスタンとパキスタン、イエメンで無人爆撃機による攻撃を行っている目的はここにある。
アラビア半島における地上の戦いでは、ナエフ王子率いるサウジアラビアのテロ対策部門がカギを握る。 電子機器を用いた監視技術ではアメリカが世界一だが、この地域における人的監視能力では、サウジ当局がアメリカのはるかに上を行く。
実力は今回の二重スパイ作戦でも発揮された。「サウジ当局はイエメン国内に強力な情報収集網を持っていて、AQAP が欧米のパスポート保持者を探しているという情報を得た」と、湾岸研究センター (リヤド) の安全保障・防衛部門責任者を務めるムスタファ・アラニはいう。
サウジ当局は、二重スパイを送り込む絶好のチャンスと考えた。 そこで見つけたのが、EU のパスポートを持つ元イギリス居住者の男性だった。 これにはイギリス政府が協力したようだ。
テロ勢力はいまだ拡大中
「サウジ当局はその男性をスカウトして、イエメンに送り込んだ。 すると期待どおり (AQAP が) 食い付いた」と、アラニはいう。「アメリカ側も知らされていたが、これは全面的にサウジアラビア当局の作戦だった」
成果は、最新型爆弾の入手だけではなかったようだ。 5月6日にアメリカ軍がイエメンで無人爆撃機攻撃により AQAP 幹部のファハド・アル・クソを抹殺する上でも、この二重スパイのもたらした情報が役立った可能性がある。
こうした成果も上がってはいるものの、テロの活動領域は縮小していない。 むしろ 拡大し続けている。「ウサマ・ビンラディン抹殺から1年たって、問題が万事解決したかのようなムードも漂い始めているが、それはとんだ思い違いだ」と、ある米情報機関のベテラン職員はいう。「アルカイダ系の組織が安全に活動できる地域は広がっている」
イエメンで AQAP の支配地域は過去最大に拡大しているし、ソマリア、マリ、ナイジェリア北部、アルジェリアとリビアの一部などでもアルカイダ系の組織が頭をもたげ始めている。 爆弾専門家のアシリは今も健在で、ほかのエキスパートを育成している。
「安心ムードに水を差すのは本意でないが」と、この情報機関職員はいう。「心配することが私の仕事である以上、状況を丹念に精査しないわけにいかない。 そして精査すると、大きな不安を感じずにはいられなくなる」
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