シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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東欧には未だに吸血鬼が徘徊?

2012年12月19日 | 海外世相あれやこれや
写真左は、窓に吸血鬼よけのニンニクの束をかける住民 (セルビアの町 ザロジェで12月3日)。 右は “ベネチアの吸血鬼” の頭蓋骨。
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吸血鬼のフルサトは東ヨーロッパ、ということは大概の人も想像がつくでしょう。 それは、ヴァンパイア小説で有名なブラム・ストーカー Abraham “Bram” Stoker の怪奇小説の古典『ドラキュラ Dracula』とか、串刺し公と呼ばれたワラキア公ヴラド3世 Vlad III がルーマニアの話しだったからです。

今では、ルーマニア・トランシルヴァニア地方のシギショアラにあるヴラド3世の城は、観光施設となって、『ドラキュラ 』を大いに宣伝して、串刺し公=ヴラド3世=ドラキュラを売り物にしているらしいですけどね。

行ったことはないのですが、”東欧” と聞いて想像するのは、(東欧の方々には悪いですが) ウィーンで終点となった西欧文化とはひと味違う、前時代的な 迷信が幅を効かせていそうな、文化教育水準が高くなさそうな、そんな田舎のイメージですね。
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記事のセルビアはルーマニアのお隣りですから、吸血鬼伝説が伝わって セルビア版吸血鬼が流布していても不思議ではない気もします。 科学や医学が未発達な時代にあっては、死者に対する恐れもあって、伝説が広まるのは致し方ないところでしょう。 日本でも数十年前 都市伝説 “口裂け女” が週刊誌などを賑わせました。

また 身分の低かった女性が野菜と穀類を食べていたため、当時としては長生きしたせいで “ベネチアの吸血鬼” とされたことは、見方を変えると 肉食だけでは寿命を延ばさないことも意味していますね。
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「セルビアで “吸血鬼警報”、その真相は」(12月18日 Sasha Ingber /ナショナルジオグラフィック) _ ※追加1へ
「”常にニンニクを携帯せよ” セルビアで吸血鬼注意報が発令中」(12月10日 万国びっくりニュース) _ ※追加2へ
「“ベネチアの吸血鬼” の正体が判明」(10年3月1日 Christine Dell'Amore /ナショナルジオグラフィック) _ ※追加3へ

ウィキペディアから__ 吸血鬼は、民話や伝説に登場する存在で、生命の根源ともいわれる血を吸い、その存在や力には実態が無いとされる。 狼男、フランケンシュタインの怪物と並び、「三大怪物」と呼ばれる。

 口裂け女 (くちさけおんな) は、1979年の春から夏にかけて日本で流布され、社会問題にまで発展した都市伝説。 マスクをした若い女性が、学校帰りの子供に「わたし、きれい?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「……これでも?」といいながらマスクを外す。 すると その口は耳元まで大きく裂けていた、というもの。「きれいじゃない」と答えると鎌や鋏で斬り殺される、と続く。
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以上


※追加1_ ニンニクの売れ行きがよくなった。 木製の十字架が飛ぶように売れている。 この事実が意味することはただ1つ …、吸血鬼の襲来だ!?

だが これは映画の脚本や小説の一節ではない。 セルビアの町 ザロジェで実際に起きていることだ。 11月に この町の役場が地域の公衆衛生に関して、この地区に住むと伝えられる吸血鬼、サバ・サバノビッチ Sava Savanovic が徘徊している可能性があると警告を発したのだ。

この吸血鬼を巡る騒動は、吸血鬼サバノビッチの棲家と伝えられる古い水車小屋が倒壊したとの報道をきっかけに始まった。 ABC ニュースによれば、この町の首長を務めるミオドラグ・ブイェティッチ Miodrag Vujetic 氏もこう語ったという。「住民は心配している。 この吸血鬼の伝説は誰もが知っている話であり、今は家を失い、どこか別の (住む) 場所、さらには次の犠牲者を探しているかと思うと恐ろしい」

とはいえ 吸血鬼はどれほど恐るべき存在なのだろうか? この点について詳しく知るため、『Vampire Forensics 吸血鬼の法医学』の著者でもあるマーク・コリンズ・ジェンキンス Mark Collins Jenkins 氏、法医考古学と人類学を専門とするマッテオ・ボリーニ Matteo Borrini 氏に話を聞いた。

◆ 今回の吸血鬼警報は、観光客を呼び寄せるための話題作りなのか、それとも古くからの迷信が現代になって姿を現したものなのか、どちらなのでしょう?
【ジェンキンス氏】まるで見当がつかないが、前者ではないかと思う。 私はこの一件については、慎重な見方を取りたい。 バルカン半島では吸血鬼の存在が根強く信じられているとはいえ、この地においても 近代以降の吸血鬼伝説の影響で大幅に改変されていない「古くからの迷信」は存在しないはずだ。 牙を持ち、血を吸うという特徴は、昔からのいい伝えにはほとんど見受けられない。 昔の話では、犠牲者は殴られるか、窒息死させられるのが常だった。

◆ 町役場が公衆衛生に関する警報を発したのは行き過ぎでしょうか?
【ジェンキンス氏】歴史的に見れば、行き過ぎとはいえない。 過去数世紀の間、特に中欧や東欧では、多くの場合 結核や多数の死者を出す疫病の流行に伴って吸血鬼に関する集団ヒステリーが起きている。 当時の農民たちは、多くの人が突然死に至った理由がわからず、これは魔女や吸血鬼といった超自然的な生き物の仕業に違いないと思い込んだのだ。

◆ なぜ昔の人々は吸血鬼の存在を信じるようになったのでしょう?
【ボリーニ氏】特に16~18世紀の間は、死後の人体にどのような変化が起きるかはほとんど知られていなかった。 ペストなどの伝染病が流行している期間には、共同墓地では新たな遺体を埋葬するため、墓が開けられることもしばしばだった。 時には死因を突き止めるため、埋葬後の遺体が掘り起こされることもあった。 吸血鬼に関する報告は、腐敗の過程にある、死後数週間から数カ月にかけての遺体の様子を描写したものだ。

【ジェンキンス氏】当時の遺体は防腐処置が施されていなかった。 そのため 今とは腐敗の状況も大きく異なっていた。 多くの村人が続けざまに不可解な死を遂げ始めると、村の住民は最初に亡くなった人の墓を掘り起こし、その遺体が見慣れない様子になっているのを目の当たりにし、頬を伝っている液体を血だと誤解したのだ (この液体は現代の法医学では腐敗から自然に生ずる副産物であり、血液ではないと考えられている)。 多くの場合 こうした遺体は焼却され、吸血鬼は息の根を断たれた。

◆ なぜニンニクは吸血鬼の天敵なのですか?
【ジェンキンス氏】昔の人々は、ニンニクのように香りの強いものには悪霊を寄せつけない、厄除けの効果があると考えていた。 しかし 吸血鬼が特にニンニクを避けるという話は、19~20世紀の小説や映画によって広まったものだ。 (ロマの人たちの間で知られる) 吸血鬼には、ターメリックを避けるものもいる。 こうした吸血鬼にはニンニクは効かない。

◆ 吸血鬼が実在していたという証拠は存在しているのですか?
【ボリーニ氏】それはない。 吸血鬼に関する昔の報告はすべて、現実の出来事や吸血鬼だと疑われる遺体を実際に掘り起こした様子について記述している。 しかし これは、遺体の腐敗に伴って起きる現象を誤って解釈したものだ。 掘り起こされた吸血鬼とされる遺体はすべて、実際には正常な腐敗の過程にあるものだ。

◆ 吸血鬼の存在が今でも信じられているのはなぜですか?
【ジェンキンス氏】死者への恐れからだ。 今でも人々が、心の奥底で幽霊を恐れている理由とも通じるものがある。

【ボリーニ氏】人間の思考の奥底に流れる2つの要素、死と血につながっているからだろう。 死は誰もが避けられない運命であり、血は我々の生命維持に欠かせない液体だ。 吸血鬼はこの2つの要素を逆説的な形で結びつけている。 死体でありながら、血を吸うことで死を逃れている、というわけだ。
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※追加2_ 観光や所用で、旧ユーゴスラビアのセルビアに行く予定があるならば、少なくともニンニクを持っていった方がいいかもしれない。

セルビア西部のズラティボル郡バイナ・バシュタにある小さな村役場では、村人たちに対し “吸血鬼” を撃退すべく、常にひとかけらのニンニクをポケットに忍ばせたり、木製の十字架を部屋に置くよう呼びかけているという。

村人の多くは、セルビアで最も有名な吸血鬼サヴァ・サヴァノヴィッチの存在は作り話だと思っているのだが、それでも万が一のことを考え、村からのアドバイスを実行しているそう。

「サヴァノヴィッチの話は語り継がれてきたものですが、昔は不思議なことも起きていたんです」と話すのは、主婦のミルカ氏。 そんな氏は複数のニンニクを手に持ち、もう片方の手では大きな木製の杭を握りしめている。

サヴァノヴィッチは水車に住み着いているといわれていたのだが、2~3カ月前に老朽化のためか水車が崩壊。 これに怒った彼が新たな棲家を探し、あたりをさまよっているというのだ。

別の村人は次のように語る。「外から来た人たちは『吸血鬼か~』なんて笑い飛ばすかもしれないが、我々は本気だ。 この小さなコミュニティでは最近、5人が相次いで亡くなったんだ。 そのうちの1人は首を吊っていたのさ。 これは決して、偶然なんかじゃない」

吸血鬼の伝説は何世紀にも渡り、バルカン半島で語り継がれてきた。 中でもルーマニア・トランシルヴァニア地方のドラキュラは世界的にも有名だ。 さらに18世紀には集団ヒステリーが起こり、吸血鬼だと糾弾された人々が公開処刑される事態にまで発展している。
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※追加3_ イタリアのベネチアに近い集団墓地から女性の “吸血鬼” が発掘されていたが、今回、新たな研究から生前に“魔女”として扱われていたと推定された。 2006年 中世の疫病の犠牲者の中から16世紀の女性の頭蓋骨が見つかった。 彼女の口はレンガでこじ開けられていたが、これは当時のヨーロッパで吸血鬼と疑われた遺体に対して行われた悪魔払いの儀式だった。

研究チームのリーダーを務め、イタリアのフィレンツェ大学の法医考古学者マッテオ・ボリニ氏は、2009年3月にこの頭蓋骨についての発表時、「これまで吸血鬼にかかわるものであると認められた考古学資料はなく、これが初めての事例となる」と述べていた。 その後の調査で、彼女の人物像や魔術に手を染めたと疑われる理由、さらには実際の容貌まで解明されることになる。

ナショナルジオグラフィック チャンネルのドキュメンタリー番組「吸血鬼の法医学 Vampire Forensics」の中で、ボリニ氏は次のように語った。「500年前の彼女を手がかりに吸血鬼伝説の起源を解明すれば、歴史の一部が書き直されることになる」

ボリニ氏はベネチアのラッザレット・ヌオーボ島で集団墓地の発掘時に “吸血鬼” の頭蓋骨を発見した。 中世では吸血鬼の存在が広く信じられていたが、これは主に腐敗のプロセスがよく理解されていなかったためだという。 例えば 人間の胃は死後腐敗が進むと、血液に似た暗褐色の体液を放出するが、死体の鼻や口から大量に流れ出すことがある。

当時の墓や集団墓地は、疫病が流行すると次々に遺体を埋葬するためにたびたび掘り返された。 イタリアの墓堀人たちは腐敗した遺体を見て、流れ出した体液を吸血鬼の犠牲者の血だと誤解したのかもしれない。 また 遺体の口の辺りを覆う埋葬布がこの体液で湿って口の中に落ち込み、裂け目ができたように見えたのかもしれない。 まるで遺体が布を噛んでいると考えても無理はない。

「吸血鬼は疫病の原因とも考えられていた。 埋葬布を咬む行為は、人間に病気を広めるために吸血鬼が使った魔術だという迷信が根付くことになった」とボリニ氏は話す。 吸血鬼と疑われた遺体の口にレンガや石などが詰め込まれたのは、口をふさげば疫病の流行が止むと信じられていたためだった。

“ベネチアの吸血鬼” の詳細を具体的に肉付けするために、ボリニ氏は科学者チームを結成した。

古栄養学者は頭蓋骨と同時に見つかった遺体の一部を細かく砕き、死後も骨内部に定着している食物由来の成分を探した。 その結果、食事の大部分が野菜と穀類で占められており、彼女の身分は低かったとわかった。

DNA 解析により 人種はヨーロッパ人と判明した。 法医学歯科医は最先端のデジタルX線装置で頭蓋骨の長い犬歯を調べて、61~71歳という死亡年齢も突き止めた。 ボリニ氏は番組内で、「60歳過ぎという結果には驚いている。 16世紀では、ほとんどの女性がその前に亡くなっている」と述べている。

魔女の恐怖が広まっていた中世ヨーロッパでは、悪魔が不死などの不思議な能力を魔女に授けていると考えられていた。 死後に吸血鬼として疑われたとすると、生前は高齢のために魔女呼ばわりされていたのではないか、というのが研究チームの推測だ。

ボリニ氏は研究の最終段階で、3Dイメージの専門家に頭蓋骨のデジタルモデルの作成を依頼した。 そのモデルを土台にして筋肉を追加し、“ベネチアの吸血鬼” の顔を再現していった。

そうして姿を現したのは、ごく普通の女性の顔だった。「死後数世紀を経て、彼女に対する疑いをようやく晴らすことができたようだ。 これで一段落だが、ちょっと不思議な感じもする。 親近感がわいてきたところだったからね」とボリニ氏は語っている。

以上

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