
左はカールビンソン(米原子力空母)。 中央は朝鮮半島。 右はオハイオ級原子力潜水艦。
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独自ルートからの (公開?) 韓国関連情報を分析して、これまで多くの半島情報の深読み・早読み記事で解説してきた鈴置高史 (すずおき たかぶみ) 氏が、日経ビジネス誌に7年間解説記事を書いた後、新潮デイリーに発表場所を変えて、昨年11月から寄稿しています。
最新の記事は、遂に在韓米軍の体制が整う今秋以降に 北朝鮮に対する先制核攻撃がありうることを予想する 大胆かつ衝撃的な内容となっています。
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「米国にとって北朝鮮は狂信的なカルト集団、“先制核攻撃” があり得るこれだけの根拠」(6月18日 新潮デイリー ※1)
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「北朝鮮は米国にとって “国” ではないから、宣戦布告の必要もない。 地上から発射する核ミサイルや、爆撃機に載せる核爆弾は使い勝手が悪いが、海から撃つミサイルなら、艦船に載せて容易に動かせる。
従って 朝鮮半島周辺海域に空母や原潜を展開させ、そこから北朝鮮の核施設・基地に先制攻撃を加えることが十分予想できる」というものです。
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実は 過去にも、米クリントン政権が北朝鮮の核施設を限定攻撃を行おうとした事があったと記事※3に記載されています。 四半世紀前の1994年です。
それ以前からも、以後も米軍部内では 毎年 北朝鮮攻撃と ICBM 飛来時の防衛プランが練られては改訂されているはずです。 そのためにスパイ衛星その他で四六時中 北朝鮮を監視し、新たなデータ (核施設・軍事基地所在地) を積み上げ、それらに要する軍事関係者は何千人・何万人という莫大な人員と想像します。
韓国に駐留する米軍のみならず、こうした 後方で分析・検討する いわゆる後方支援部隊というものが、いざという時に役立つはずです。 そのための予算・防衛費は莫大な額にのぼります。 朝鮮戦争は休戦状態で、未だに終結していませんからね。
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「米韓が先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮は1日で壊滅も “軍事マニュアル” 判明」(2018年1月1日 AERA.dot ※2)
「北朝鮮への米国の先制攻撃はあるか?」(2018年1月9日 BLOGOS ※3)
「消えぬ米朝戦争懸念、トランプ政権にくすぶる先制攻撃論」(2018年1月13日 ロイター ※4)
「米軍の『先制攻撃』はあるのか」(2017年9月4日 アゴラ ※5)
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こうした米軍先制攻撃の可能性がマスコミに頻繁に載るのは、情報筋からのリークです。 当然 それは北朝鮮にも届く事を狙っての意図的なリークというか (少しずつ情報を小出しする) サラミ戦術です。
そうして 北朝鮮を恐怖に追い込み、核保有を諦めさせようとしましたが、北朝鮮は核を絶対に手放さないだろうということが、先の2月の米朝会談で明らかになってきました。
米軍は世界中を相手に戦争しても勝つだろうといわれるくらい 強大な軍事力を保持しています。 一方 北朝鮮は、経済力も軍事力も吹けば飛ぶような ちっぽけな国です。 核ミサイルだけで、米国に対抗するという その “浅はかな戦略” で世界と渡り合っていけると考えているなら、それは妄想 (もうそう) としかいいようがありません。
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一方で (外貨獲得に窮して?)「北朝鮮がイランに核弾頭の素材となるプルトニウムや濃縮ウランを売った、とされる事件です。 専門家の間では常識となっています」(※1) という事案も浮上し、米国も北朝鮮の核放棄をいつまでも辛抱強く待つわけにはいかなくなってきている、という事情も米軍が先制攻撃を急ぐ必要に迫られているものと推測します。
北朝鮮が核放棄するまで 非軍事的な経済制裁のみを続けて、超大国もいつまでも “仏の顔” をできないよというわけです。
韓国内の米軍基地から先制攻撃すれば、今の韓国政権は北朝鮮に通報しかねないし、北朝鮮の核放棄を待つ間に 北朝鮮は外貨を稼ぐために 核を世界中にばら撒きかねない、もはや 悠長に待てないところまできてしまっているのかもしれません。
6月末の G20 大阪サミットでは米中協議が開催され、そこで 米中経済摩擦を話し合った後、北朝鮮問題についても話し合われるだろうと想像しますが、後ろ盾の中国のいうことを聞くとも思えない北朝鮮の扱いに 米中の進展は期待できそうもありません。
折しも 従北政権の韓国が北朝鮮に食料支援しますが、米国も容認していたとはいえ、これを喜んで見ているとは思えません。
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「北朝鮮にコメ5万トン=韓国が9年ぶり食料支援へ」(6月19日 ソウル時事 ※6) __ コメは韓国産で、5万トンの支援費用は約 1270億ウォン (約 117億円)。 韓国政府は5月、北朝鮮への支援事業に 800万ドル (約 8億6700万円) を供与、既に送金を済ませている。
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しかも「文在寅政権は 800万ドルの対北援助を決めた。 が このおカネで購って北朝鮮に送られた食糧が飢えた子どもたちではなく、軍に回る可能性が高いと国際社会は見ています」(6月11日 鈴置高史/新潮デイリー) と十分予想されるにも拘らず、韓国政府の行動は米国と同盟を結んでいる政権とは思えません。
もう 文政権は末期的症状を示しているといって差し支えないのかも … G20 大阪サミットでは 韓国大統領は日本を初め どの国も会談したがらず、ボッチ状態と予想します。
今日はここまでです。