シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

小曲むきのグリーグ

2013年03月07日 | ドイツ以外の音楽
写真はグリーグの銅像 (ノルウェー・ベルゲン)。 YouTube から Solvejgs Lied を歌う Marita Sølberg (中央) と Sarah Brightman (右)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このところ、ヴァイオリン小曲の「ソルヴェイグの歌」を練習しているせいか、グリーグの原曲の『ペール・ギュント』の全曲を聴きたくなり、CD を入手して聴いてみた。 この中で他に有名なのが「オーゼの死」だろう。 これら2曲とも、短調のゆっくりした曲で弾き易い。

全部で二十数曲ある、この『ペール・ギュント』の劇音楽は、詩『ペール・ギュント』に付けられた伴奏音楽だ。 全曲を聴き通すと、構成的にあまりうまくまとまっていないと感じた。 個々の曲は幾つか個性的で、いい曲なのだが。

「自分の音楽の傾向が叙情的であり、小品向きのさりげない作風に向くことを知っていたグリーグは、幻想的、劇的な史劇『ペール・ギュント』には向かないと思っていったん断ろうとした」(『北欧の巨匠』 音楽の友社) ともあるように、グリーグはは自分の本分を知っていたのだろう。 しかし、金銭のため、民族的な題材による音楽に情熱を注いでみることの意義を思って引き受けたそうだ。 その結果 出来た曲はやはり、作曲家本人が予想した通りになった。

作曲家には大曲向きの作曲家と、小曲向きの作曲家の2種類があるようだ。 大作曲家のシューベルトは、『フィエラブラス』などのオペラも書きましたが、有名なのは小品に多いようです。 歌曲「アヴェ・マリア」「野ばら」「子守唄」「魔王」、ピアノ曲「楽興の時」など、交響曲「未完成」も20分余りの短い方です。 この人も、シューマン、グリーグも小曲向きでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
グリーグの曲の中で最もよく知られているのは、ピアノ協奏曲 イ短調 (作品16) だろう。 またヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調 (作品45) もいい曲で、これら以外はこの『ペール・ギュント』の中からの「ソルヴェイグの歌」、「オーゼの死」、「アニトラの踊り」、「山の魔王の広間にて」などだろう。 これらは管弦楽組曲1番、2番で聴けるが、原曲にあった歌や合唱はない。「ソルヴェイグの歌」は、ときどきコンサートでも歌付きでかかっている。 また YouTube でも聴ける。

写真中央の歌手はクラシック歌手だろう、音程が安定していて発声がうまい。 クロスオーバー歌手ブライトマンも "それなりにうまい" のだが、やはりこれはクラシック系の歌い方ではない。 好みが別れますね。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
ウィキペディアから__『ペール・ギュント』(Peer Gynt) は、ヘンリック・イプセンが1867年に作った戯曲 (劇詩)。 韻文で書かれた。自由奔放なペールギュントが旅に出て年老いて帰ってくるまでの物語。 全5幕 (※追加1へ)。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

以上

※追加1_ 元々は舞台上演を意図して書かれた作品ではなかったが、1876年 クリスチャニア(現オスロ)の国民劇場で初演された。 その際、イプセンの依頼でエドヴァルド・グリーグが劇音楽を作曲している。

あらすじ__ 落ちぶれた豪農の息子で、母と共に暮らしている夢見がちな男ペール・ギュントは、かつての恋人イングリを結婚式から奪取して逃亡する。 しかしイングリに飽きたら彼女を捨て、トロルの娘と婚礼寸前まで行くが逃げ出す。 純情な女ソルヴェイと恋に落ちるが、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。 山師のようなことをやって金を儲けては無一文になったり、精神病院で皇帝になったり遍歴した後に老いて帰郷する。 死を意識しながら故郷を散策していると、ボタン職人と出会うが、彼は天国に行くような大の善人でもなく地獄に行くほどの大悪党でもない「中庸」の人間をボタンに溶かし込む役割の職人だった。「末路がボタン」というのだけは御免だと、ペール・ギュントは善悪を問わず自分が中庸ではなかったことを証明しようと駆けずり回るが、トロルの王も「やせた男」もそれを証明してくれなかった。 彼は最後の証人として会ったソルヴェイに子守唄を歌ってもらいながら永眠する。

以上

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。