原発問題

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『死の淵を見た男』<~激震~ 「動くな! 動くんじゃない」> ※4回目の紹介

2016-02-02 22:10:00 | 【吉田昌郎と福島第一原発の500日】

 *『死の淵を見た男』著者 門田隆将 を複数回に分け紹介します。4回目の紹介

『死の淵を見た男』著者 門田隆将

「その時、もう完全にダメだと思ったんですよ。椅子に座っていられなくてね。椅子をどけて、机の下で、座禅じゃないけど、胡坐をかいて机に背を向けて座ったんです。終わりだっていうか、あとはもう、それこそ神様、仏さまに任せるしかねぇっていうのがあってね」

それは、吉田にとって極限の場面だった。こいつならいっしょに死んでくれる、こいつも死んでくれるだろう、とそれぞれの顔を吉田は思い浮かべていた。「死」という言葉が何度も吉田の口から出た。それは、「日本」を守るために戦う男のぎりぎりの姿だった。(本文より)

吉田昌郎、菅直人、斑目春樹・・・当事者たちが赤裸々に語った「原子力事故」驚愕の真実。

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**『死の淵を見た男』著書の紹介

第1章 激震

 「動くな! 動くんじゃない」  P25~

 所長室のある事務本館から南東側におよそ400メートルの位置にある原子炉建屋と、それを管理するサービス建屋にも、同時に激震が襲っていた。

「地震だ!」

「しゃがめっ」

「つかまれ!」

 52歳となっていた伊沢郁夫は、この時、原子炉1号機、2号機を操作する中央制御室(通称「中操」)の当直長だった。この日、担当の当直長がたまたま病院での精密検査が入っており、別の班の当直長である伊沢が代わりに当直業務を務めていたのだ。

 中操が揺れ始めた瞬間、伊沢が当直長席から立ち上がった。

 原子炉を操作・運転するのは、当直長とその部下の運転員たちだ。彼ら原子力の専門知識と操作技術を習得した当直の運転員たちが、24時間体制でこれにあたっている。組織的には、福島第一原発の運転管理部に所属している面々だ。

 1号機と2号機、3号機と4号機、5号機と6号機という具合に2つずつの原子炉を制御するため、福島第一原発には、中操が「3つ」存在する。

 そのうちの1、2号機を操作・制御する中操の当直長が伊沢だったのである。

 運転員たちには、地震の場合、見なければならないパラメータが数多くある。中操は、700平米(およそ200坪)を超える広さがある。伊沢が当直長を務める中操には、右側に1号機、左側に2号機の制御盤(パネル)が壁いっぱい並んでいる。

 地震の発生を告げる声と、まず「身を守れ」という声が交錯する中、制御盤の近くにいた運転員たちは、揺れが始まると同時に、反射的に制御盤の手前についているハンドレール(手すり)を握っていた。

 だが、揺れは尋常なものではなかった。

 マグニチュード9・0という経験したことのない地震が、彼らの”動き”を封じていた。最初に制御盤についているハンドレールにとりつくことのできた運転員以外は、制御盤に近づくこともできなった。

 ある者は、立ったまま、ある者は、床に座り込んで激震に耐えていた。

 伊沢は、目の前にあるパソコンのディスプレイが机から転げ落ちないように右手で押さえ、左手は自分の体を支えるために机の縁を握った。

 「動くな! 動くんじゃない」

 伊沢は部下の運転員たちにそう叫んだ。だが、ゴゴゴゴゴゴゴ・・・という凄まじい音と揺れのために、おそらく自分の声は届いていないだろう。

 揺れはますます激しくなっていく。伊沢は、立ったままこう叫んでいた。

 「スクラムするぞ!」

 スクラムするーそれは、原子炉が緊急停止する、という意味である。原子炉は、地震などの揺れや異常事態に遭遇した時に、自動的に炉心に制御棒が入り、停止する仕組みになっている。制御棒には、中性子を吸収し、核分裂を抑える働きがある。

 もし、自動停止しない場合は、制御棒を挿入するために、手動でさまざまなことをおこなわなければならない。

 伊沢は、「スクラム」を運転員達に向かって伝えたのである。もちろん運転員たちには、揺れの烈しさから原子炉の緊急停止がすでに頭の中にある。

「伊沢さんが叫んでいる時には、もう自分たちの頭の中には、”スクラムする”という認識がありました。スクラム信号には、A系、B系があって、どちらかだけの段階をハーフスクラムというんですが、伊沢さんが叫んだ時に、まず1号がハーフスクラムになりました」

 そう語るのは、主任の本馬昇(36)である。中操には、全体を見渡せる真ん中より少し後の方に、当直長席があり、その横に副長席がある。本馬は制御盤に近い正面の主任席に座っていた。それぞれの運転員たちの席は、当直長席前の中央テーブルにある。

 ひとつの班は、当直長以下、通常は11人のスタッフで構成される。これに研究の人間など2、3人が加わり、中操には十数人が、常時詰めていることになる。運転員は年次と経験度によって、主機操作員、補機操作員に分けられており、この時は、全部で14人の人間は1、2号機の中操内にいた。

 その時、1号機がハーフスクラムに入った信号がパネルに表示された。

「1号、ハーフスクラム!」

 本馬が伊沢に向かってそう大声を挙げた瞬間、今度は2号機がハーフスクラムを経て、スクラムした。

「2号、スクラム!」

 次いで、1号機もスクラムした。

 同時に、制御棒をあらわす「CR」という言葉を使って、

「CR全挿入!」

 本馬は、そう声を上げた。

 だが、中操のあるサービス建屋が崩れ落ちるのではないか、と思うほどの揺れである。建物全体がきしむ音と、パネルに表示されると当時に発せられる警告音のため、伊沢の耳には、わずか数メートルしか離れていない本馬の声が届かない。

「動くな! 動くんじゃない」次回に続く)

※続き『死の淵を見た男』~吉田昌郎と福島第一原発の500日~は、

2016/2/3(水)22:00に投稿予定です。

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日


2月1日(月)のつぶやき

2016-02-02 02:49:57 | つぶやき

"takeccommaa 2014年9月23日
今日は某産院で撮影

先生が「東京だって本当はヤバイ」
とハッキリ言う人だった。

妊婦さん達で甲状腺に問題のある人が
増えているのだそうだ。

福島から東京への避難も支援してる
けど、A-2判定の子供達が本当に多いのだと。"

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"tokaiama
俺たちの次の世代は短命になる。
100%確実。

寿命を迎えられず病死。
今の若者達だ。

ソ連では8歳寿命が低下。

日本の汚染度はソ連よりはるかに酷く
避難もさせられてない。

桁違いに凄い被害が出るだろう。

何で死んでゆくのか
分からぬままに死に行く"

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アメリカ西海岸で漁禁止!太平洋側の魚はほぼ全滅。”被爆した福島のクロマグロが、西海岸まで回遊” ln.is/blog.goo.ne.jp… @neko_aiiから

neko-aiiさんがリツイート | 5 RT

"karrento
これから心臓病が
子どもたちを襲うだろう。

たった1%の細胞が死滅しただけで、
5%の心筋が機能を失う。

わずかなレベルのセシウムの影響を
1年間受けるだけで、

心臓細胞の2割が破壊される。
クリス・バズビー教授"

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<低線量被曝の症状>

放射線は、最終的には
以前に予想もしなかった損傷を
起こしてしまう。

これには
インフルエンザ、肺炎などの感染症、
その他加齢による病気、

肺気腫、心疾患、甲状腺疾患、
糖尿病などが含まれる。

(日本DEATHS 2013/05/09)より

1 件 リツイートされました

チェルノブイリから600Kmのミンスクで内部被ばく
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/30fd2…

最初は、
風邪やインフルエンザ。

そして、
尿路感染症・腎臓感染症に、肺炎。 

終わりがなく、
繰り返されました。

顔色が黄色っぽくなり
目の下に大きなクマができた。

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2013-02-23
東京の事務所の人
先日腹膜炎で入院。43歳男性

気になることは
腹膜炎よりも肝臓・腎臓の方がヤバイかもと
1週間絶食後に検査

身近な人で
心筋梗塞、脳梗塞、緑内障、
腎臓結石、肺炎とちょっと怖い

関東にはもう戻れないと思うが
両親、兄弟がいるので心配


福島の病院で、片手がない奇形児などが生まれ始めた(病院の医療事務から直接聞き出す) blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/f3ad3… @neko_aiiから

neko-aiiさんがリツイート | 9 RT

『死の淵を見た男』~吉田昌郎と福島第一原発の500日~
<~激震~ それは突然やってきた> ※3回目の紹介
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/dbabd…

吉田は言葉を失った

どこもかしこも
足の踏み場もない惨状を呈していたのだ

吉田の地獄の日々は
「この時」から始まった


ラ・アーク再処理工場周辺で高濃度汚染 排出液から1億6千万Bq/L
blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/31e98…

工場から35キロ圏に住む
白血病の子供27人と健康な子供192人を比較

頻繁に海水浴したり
地元産の魚を多く食べた子供ほど
白血病にかかりやすい傾向が確認された

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