杉並の純一郎(3)

2009年12月で68歳に!
先の戦争が一体なんだったのかを今一度勉強し、次の世代に伝えてゆきたい。

食品中毒、「あー、又やってやがる!」

2008-01-31 15:08:56 | Weblog
「あー、又やってやがる!」

 これは金馬が得意とした古典落語の一つ「茶の湯」の落ちである。
大家が茶の湯を覚え店子を集めて茶の湯をするが、度重なるうちに茶菓子の羊羹では高いのでケチり、いも練りに変えるが、これがまずくてかなわない。たまりかねて店子は茶会の最中に隣の畑にこれを投げ捨てる。そこで畑仕事をしている隣人の落ちのせりふが「あー、又やってやがる!」である。「茶の湯」の名誉の為に言っておくが、今の日本政府の体たらくとは何の脈略もない。おもわず私の口をついただけである。

 薬品公害の一つにようやく終止符が見えてきたと思ったら、今度は食品公害ときた。政府も役所も学習効果なく、その対応に狼狽するさまは、食中毒にかかり苦しんでいる方には申し訳ない話ではあるが、まさに喜劇でしかない。

 先ごろ福田さんも「国民の安全、安心、消費者の視点の重視」を言い出しているが、まだ何も具体的な方策は出てきていない。
 私は常々アメリカ同様に、薬と食品を取り出して消費者の立場から物を考える「薬品・食品庁」とでも言う役所を作ることを提言してきている。農林水産省からは食品関連業務を、厚生労働省からは薬品関連業務を抜き出して新しい省庁を作ればよい。そして、忘れてはならないのが、薬品・食品に関しての通商産業省がもつ企業の生殺与奪の権利を取り上げて、廃業までも命じることが出来る権限を与えることである。

 こんなことを言うと、企業の献金の影に怯える先生方、自らの権限を奪われることを恐れる役人双方からの抵抗が大きいことは目に見えている。しかし、このくらいのことを勇気をもってやらないかぎりは、消費者保護などという「お題目」は具体的な施策には結びつかないのである。

 なぜ、そんなことを大きな声で言えるかって?

 今朝の産経に面白い記事があり、それを見ると私の主張が理解できると思う。

「政府、被害拡大防止に全力」
政府は30日、中国製ギョーザ中毒事件を受け、厚生労働、農林水産など関係府省が連携して実態把握に努めるとともに、被害の拡大や再発の防止に全力を挙げる方針だ。

 ご覧のとおり、単独の省庁がこれを常日頃管理監督する機能を備えていないから、ことが起きてからでないと会議を開けないと言っているのと同じなのだ。常日頃監督する能力が役所にはない、していませんと言うのと同じである。
もう一つ言うと、輸入品についても製造物責任はあり、その場合輸入業者が責任を負うが、その罰則は必ずしも厳しいものとは言いがたい。極端に言えば保険をかけて事故を補填するに留めているとも言える。これも消費者に視点を置くならば、罰則を強化できる権限を持つ新たな責任省庁に委ねられるべきであろう。
 又、現行法がどうなっているのか調べていないが、加工原料にこのような薬害食品が使用されている場合、消費者にはそれを知るすべがない。商品には加工原料については何処から来たかは書いていない。これをどうするのか?単に表示すれば良いと言うことに止まらずに、まずはこのような加工原料を輸入する業者並びにそれを使用する加工業者に製品輸入以上に大きな責任・罰則を負ってもらわざるを得ないと考える。役所の規模をいくら拡大充実しても出来ることには限度があるから、最終的には自己責任として業者の責任を問わざるを得ないだろうが、それをどのような形で担保できるかこそが、頭の良い役人の活躍できる領域であろう。

 いい加減にして欲しい!もういくらなんでも国には薬害・食害についての学習効果が出てきても良い時期と思うのは私だけではなかろうに!

 大事な事は一般論を越えて、もはや結論・結果を出す時期になっていることだ!