今回の聖火リレーに関連して中国は世界各地で中国人学生を中心とした動員をおこなったが、我々日本人はこのことをどのように理解しておくべきかを考えてみた。
その結論は今回の中国政府の対応は日ごろの情報活動の一環のなかから出てきたものであり、中国政府はその多くの情報活動のなかの、それこそヴェールの下に隠されていた氷山の一角を我々に見せたに過ぎないということである。
即ち、彼らは日常的に他国である民主主義国家の自由を悪用・乱用して、秘密組織を日常的に構築し、ひとたび中国自らの利益を守る必要があると判断したときは、その組織を即座に他人の国家であっても遠慮会釈なく発動し、目的を達成することが出来るということを示したわけである。
これまでも、世界各地で中国の情報活動については語られてきているが、今回のように世界各地でそれこそ同時多発的に動員がおこなわれたことによって、彼らの仕組みが顕在化し、我々はこれまでと異なる現象を目にした事により、初めて中国政府の情報活動の正体を知ることが出来たということになるのではないか。
従って、大切なことは中国という国家が単に厚かましい等と言うレベルを超えて、いざとなれば他国の存在など無視してでも、自らの主張を実現するためには、なりふりかまわずに、行動する存在であるということを、日本人として認識し、これからは今まで以上に中国並びに身近にいる中国人に対しても対応し、警戒を怠らないということが必要であろう。
今回はたまたま長野という地方都市が対象であり、地方都市の一つぐらいなら、中国も影響力を示すことが出来るだろうと簡単に思う向きもあるかもしれない。しかしながら、彼らがその組織を長野にあわせて、その規模で動かしたと見るべきではないのか?今回は中国人留学生だけが動員の対象であったに過ぎないのだから。(余談になるが今回の件を見て外国人に地方参政権を与える等と言うことが、いかにとんでもない話か理解できよう)
中国という国がそういう国だということを知るに十分、その素顔を見る機会であったと考えている。