ミサイル防衛に思うー北朝鮮7発目のミサイル
たしか先週の木曜日のフジテレビの夜のニュースでのことだった。コメンテーターの名前すら存じ上げずに話を取るのは失礼かも知れないが、改めてミサイル防衛の難しさを理解した話だと思うので書き留めておきたい。
氏によれば、北朝鮮には打ち上げられなかった7発目のミサイルがあり、それは旧ソ連製、射程は2500-4000KMの移動式との事。これだと北朝鮮からはハワイにもグアムにも到達しない。ならば何故そのようなミサイルが?
即ち、日本向けであると。
北朝鮮・日本の距離は約1300KMと見れば充分であろうが、何故2500-4000KMが?これならゆとりを持って使用できるということのようである。そのゆとりとは超航空高度まで打ち上げ真上から落ちるスピードも加えて、今ひとつは巡航ミサイルのように低空に打ち上げレーダーを避けて、この二つの攻撃方法はいずれもミサイル防衛を著しく困難にするということのようだ。
北朝鮮のミサイル発射来、敵地攻撃の話が先制攻撃も含め議論され始めているが、総裁選に紛れてか充分議論されていないので今一度明確にしておきたい。
日本が大陸からのミサイル防衛という場合に前提としてミサイルが発射後7分程度で日本に到着するという時間的制約を考えれば、日本が取りうる選択肢は三つある。
・敵がミサイルを打つ準備をしたら敵地ミサイル基地を攻撃しミサイルを破壊する。ミサイルを破壊することを目的とするためだけのものであるから、正確性が求められるが、大きな攻撃力・破壊力は必要ではないのではないか。このミサイルの打ち上げの時期の決定が難しい。移動式ミサイルについては発射位置の特定が困難である。打ち上げ前の攻撃が無理なら、大気圏から出る前に打ち落とせないか?
・敵が打ち上げたミサイルを打ち落とす。これが今日米が取り組んでいる課題であろうが、
前述の打ち上げ方をされれば、防衛は難しい。
・相手のミサイルによる攻撃を受けてから反撃に出る。即ち、反撃という攻撃になるが、この場合は大きな攻撃力を持つものでなければ反撃の意味がなくなる。従って、どうしても核弾頭つきのものとなり、一般に言われているのは「核巡航ミサイル」による反撃ということであり、これを所有することで「報復抑止力」をもつということになる。
まだこのほかに軍事的な選択肢があるのかもしれないが、私は知らない。
こうして、日本の選択肢を並べてみると日米が共同研究をしている二番目は確かに必要なことではあろうが、一方で悠長な話でもある。即ち、相手が打ち上げてからの対応であるからであり、一度に数多くのミサイルを打ち上げられたり、前述の方法で打ち上げられれば防御はまず不可能となり、間違いなく犠牲者は多数出ることになろう。これで国民の安全保障を守る方策と呼びうるのか。
だとすれば、後の二つの選択肢も考えざるを得ないのではないか?
敵地先制攻撃を否定する人々は、日本に犠牲が出てから、ひょっとして、日本が全滅状態になってから、ミサイルを打てというのだろうか?そして、ミサイルを打ち込まれたら核巡航ミサイルもなくどう反撃しようとするのか?日本の防衛が今のままなら中国は尖閣の問題に間違いなく‘核’をちらつかせて来る。アメリカは小さな領土問題にまでには日米安保を発動してまで介入してこない。中国に領土を取られるのが始まりで、後は日本の属国化が始まる。
中国に勝つための防衛力などは所詮日本にはもてないし、持つ必要もなかろう。日米安保では解決できない、東アジア固有の安全保障問題に資する程度の防衛力が最低限必要であり、それが‘敵ミサイル基地先制攻撃力’と報復抑止力としての‘核巡航ミサイルの所有’ではないだろうか?アメリカも日本がこのような攻撃力を持つことを、安易には了解しては来ないではあろうが、イラン、北朝鮮の非核化が実現してしまえば、ミサイルもグアムに到達しない程度のものとすれば最終的には‘否’とは言えなくなろう。
皆さんからの忌憚のないご意見を伺いたい。
と、昨晩書いて、今朝の産経を見たら、一面シリーズもので「敵基地攻撃」が始まっている。産経をお読みの方、小生のものは稚拙で比較にはならないかも知れないが、ご参考まで!
たしか先週の木曜日のフジテレビの夜のニュースでのことだった。コメンテーターの名前すら存じ上げずに話を取るのは失礼かも知れないが、改めてミサイル防衛の難しさを理解した話だと思うので書き留めておきたい。
氏によれば、北朝鮮には打ち上げられなかった7発目のミサイルがあり、それは旧ソ連製、射程は2500-4000KMの移動式との事。これだと北朝鮮からはハワイにもグアムにも到達しない。ならば何故そのようなミサイルが?
即ち、日本向けであると。
北朝鮮・日本の距離は約1300KMと見れば充分であろうが、何故2500-4000KMが?これならゆとりを持って使用できるということのようである。そのゆとりとは超航空高度まで打ち上げ真上から落ちるスピードも加えて、今ひとつは巡航ミサイルのように低空に打ち上げレーダーを避けて、この二つの攻撃方法はいずれもミサイル防衛を著しく困難にするということのようだ。
北朝鮮のミサイル発射来、敵地攻撃の話が先制攻撃も含め議論され始めているが、総裁選に紛れてか充分議論されていないので今一度明確にしておきたい。
日本が大陸からのミサイル防衛という場合に前提としてミサイルが発射後7分程度で日本に到着するという時間的制約を考えれば、日本が取りうる選択肢は三つある。
・敵がミサイルを打つ準備をしたら敵地ミサイル基地を攻撃しミサイルを破壊する。ミサイルを破壊することを目的とするためだけのものであるから、正確性が求められるが、大きな攻撃力・破壊力は必要ではないのではないか。このミサイルの打ち上げの時期の決定が難しい。移動式ミサイルについては発射位置の特定が困難である。打ち上げ前の攻撃が無理なら、大気圏から出る前に打ち落とせないか?
・敵が打ち上げたミサイルを打ち落とす。これが今日米が取り組んでいる課題であろうが、
前述の打ち上げ方をされれば、防衛は難しい。
・相手のミサイルによる攻撃を受けてから反撃に出る。即ち、反撃という攻撃になるが、この場合は大きな攻撃力を持つものでなければ反撃の意味がなくなる。従って、どうしても核弾頭つきのものとなり、一般に言われているのは「核巡航ミサイル」による反撃ということであり、これを所有することで「報復抑止力」をもつということになる。
まだこのほかに軍事的な選択肢があるのかもしれないが、私は知らない。
こうして、日本の選択肢を並べてみると日米が共同研究をしている二番目は確かに必要なことではあろうが、一方で悠長な話でもある。即ち、相手が打ち上げてからの対応であるからであり、一度に数多くのミサイルを打ち上げられたり、前述の方法で打ち上げられれば防御はまず不可能となり、間違いなく犠牲者は多数出ることになろう。これで国民の安全保障を守る方策と呼びうるのか。
だとすれば、後の二つの選択肢も考えざるを得ないのではないか?
敵地先制攻撃を否定する人々は、日本に犠牲が出てから、ひょっとして、日本が全滅状態になってから、ミサイルを打てというのだろうか?そして、ミサイルを打ち込まれたら核巡航ミサイルもなくどう反撃しようとするのか?日本の防衛が今のままなら中国は尖閣の問題に間違いなく‘核’をちらつかせて来る。アメリカは小さな領土問題にまでには日米安保を発動してまで介入してこない。中国に領土を取られるのが始まりで、後は日本の属国化が始まる。
中国に勝つための防衛力などは所詮日本にはもてないし、持つ必要もなかろう。日米安保では解決できない、東アジア固有の安全保障問題に資する程度の防衛力が最低限必要であり、それが‘敵ミサイル基地先制攻撃力’と報復抑止力としての‘核巡航ミサイルの所有’ではないだろうか?アメリカも日本がこのような攻撃力を持つことを、安易には了解しては来ないではあろうが、イラン、北朝鮮の非核化が実現してしまえば、ミサイルもグアムに到達しない程度のものとすれば最終的には‘否’とは言えなくなろう。
皆さんからの忌憚のないご意見を伺いたい。
と、昨晩書いて、今朝の産経を見たら、一面シリーズもので「敵基地攻撃」が始まっている。産経をお読みの方、小生のものは稚拙で比較にはならないかも知れないが、ご参考まで!