杉並の純一郎(3)

2009年12月で68歳に!
先の戦争が一体なんだったのかを今一度勉強し、次の世代に伝えてゆきたい。

キッシンジャーと日高義樹 ワシントン・レポート

2007-01-08 02:47:53 | Weblog


 毎年正月になると、日高義樹はキッシンジャーをゲストとしその年の予想・予測をさせる。
 これまでこの番組を楽しみにしていたが、昨年外交文書の公開でキッシンジャーの日本人への人種差別的発言、中国との金がらみの関係を知るに及んで、彼への尊敬の念は消えうせてしまった。しかし、何を言うかは聞いておきたいのでテレビに向かうことにした。

気になる話は五つ。

・中国の軍事力強化は進むが、これから10年はアメリカに向かうということはない。
(10年後は分からない、危ないとも聞こえる。もっとも10年先まで言い切るにはそれなりの根拠もあるのだろうが、彼が親中派ということも考えざるを得ない)

・北朝鮮が日本に武力攻撃を行ったらアメリカは迷わず北朝鮮を報復・殲滅する。それがアメリカにとっての日米50年の同盟関係の重みだ、と言い切った。(核を使うということしか考えられない、その覚悟をしているということだ。)

・靖国問題は日中間の問題ではあるが、中国がもしこの問題で日本の立場、面子や困惑する立場に日本を追い込む場合にはアメリカ政府が間に立つことになると思う。

・(中国の石油戦略を話しているときに話をさえぎるように)世界は今年にでも石油消費量の割り当てを話し合う場を設けないといけない、と言い出した。そしてその前にしていた発言は、現在の石油をめぐる大国の動きがかつての植民地時代のようだといいかけていた。(この国際的話し合いの必要性は3年連続である。更なる戦争の危険性、世界的混乱を危惧しているようだ。日本は石油の手当てはアメリカしだいであることは戦前も戦後も変わっていない。だから日本人はこういう点をしっかり聞いておく必要がある。)

・核拡散の国際的な動きにも左右されようが、前にも話しているが、日本が秘密裏に核武装への準備をしていると聞いても、アメリカ政府の見解ではないが、といいながら私個人は驚かないという。準備をしてないことはないだろうとの発言にも受け取れる。

彼の話を聞いて改めて思うこと。

 良し悪しは別にして、日本がアメリカについていかなければ明日から石油に事欠くことになることは明らかだ。そして前述のとおりこのことは戦前も戦後もちっとも変わっていない。
従って、アメリカの言うことには充分に耳を傾けていかざるを得ない。

 日本の核武装はむしろ日本の判断の問題であるが、アメリカとともに地域・世界の安全に係るということになると、まずは集団的防衛義務(自衛権とはおかしな表現)、そして自衛隊の海外派兵(PKOのみならずPKFも含め)が必要になる。油の一滴が血の一滴という話になってゆくだろう。日本人もいよいよ「命を懸けて他人を守る」ことの大切さを認識しなおすことが必要だ。アメリカ人だけが死んでいいことにはならない。そんな片務的同盟のままなら遠からずつぶれてしまう。
 戦後の日本の復興は民間人が海外に出ることで行われてきている。それも、アメリカの力で一定の平和と安全が維持されていたから、まずはそう危険な目にはあわずに済んできた。しかし、よく見れば病気、犯罪、誘拐、そして9.11のテロでの犠牲者が出ている。どの国もやっていることだが、民間人が血を流してきているということだ。アメリカ一国で世界の安全の確保は困難になってきたということだから、いよいよ日本も軍事面での協力を果たさざるを得ない。私流に言えば一番最後にようやく軍隊が外国に出始めたということだ。そしてこれまで日本だけがさけてきた軍事協力、これにより血が流れることも当然覚悟せねばならない。やむをえないことだと思う。しかし忘れてはならないのは「命を懸けて他人を守る」人達(軍人に限らず、海上保安官、警察、消防等)への理解と尊敬が必要だということだ。こういう人たちがいないと国の安全が守れない、そしてその行為によって来る犠牲は金であがなえないからだ。それが靖国問題の本質でもある。