あどけない話

「知恵子抄」の中で、出てくる「空」の話。

「あどけない話」の一節だったかな。
　　　「智恵子は東京に空が無いといふ」


確かに東京の空は狭い。
関東平野のど真ん中の、千葉の実家からは、木造２階建てにもかかわらず、
冬晴れの日には、真っ白な富士山が見えた。
　（さすがに今は見えなくなったけど）

校庭の鉄棒で遊んでいると、
自衛隊やら、旅客機やら、飛行機がやたら飛び交うのが良く見えた。

そんな千葉から移り住んだ当初は、空の狭さにとまどって、
首都高の高架の圧迫感が、とても苦手だった。

東京暮らしももう４年。
狭い空にも、そろそろ慣れた。
今日みたいに、切り取られた空が夕焼け色に染まるのが、とても
いとしく思えるくらい。
ビルの谷間で見上げると、今日は細い三日月が浮かんでいた。


最近、うちの窓から、新・東京タワーの建設工事のクレーンの先っぽが
見えるようになった。この下町の空も、またさらに狭くなるのかな。

写真は、会社帰りに寄った、神保町の空です。
神保町・・・。さかいやスポーツをぶらっとしてきました～。