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読んでいるのは下記なのですが、上記も興味深いので読んでみたい。
ラカンの著作は難解らしく、ラカンの知識はラカン本体を知らずジジェクの著作からという人も多いようです。ラカン研究者の新宮一成氏は難しくてもとりあえずラカンを手にとれといっていますが、前知識はある程度あったほうがよいでしょうということで本作品。
感想ですが・・・非常におもしろい。ジジェクの記述は分かりやすいです。鏡像段階論で知られるラカンはフロイトの継承者であり正当な精神分析学者です。新宮氏の著作の中で転移のことが記述されています。
ラカンが精神分析でいう「人間の欲望は他者の欲望である」というのを新宮は”自我理想の交換”という。
自我理想の交換の例としてあげられているのは、フランスに興味があった患者とイギリスに興味があった自分、時を経てみると自分はフランスへ、患者はイギリスへ向かっていった、というものである。直接的にお互いの針路について話し合ったわけではないのに自然のなりゆきでそうなっている。これは偶然ではなく二人の魂が作用しあった結果であると。
これを次のように解説する。
他者の欲望と自我理想の間には、密接な関係がある。我々が抽象化された理想を追い求めるということは、そもそも我々が他者の欲望を身に負っているということである。欲望している心は、すでに幾分かは他者のものである。
これはラカンがいったことそのものであったという。
人はみな誰かの欲望をかなえようとしている。であれば私というものはどこにあるのか。急に不安になるのだが、さて。
誰かがどこかで私の欲望をかなえているのか、今日も明日も。
JOHNY
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