JOHNY’s BLOG

かほりたつあざやかなはなとどめおくおもいをよせる淡雪のふみ

自由とスピノザと

2005-07-26 02:28:03 | Book
 職務質問から自動車内部の精査まで許してしまう(せざるをえない)お友達。ここで侵害される自由 このことが正当化される理由はなんなのだろう。
 法律的根拠は、おそらくここにはない。現に犯罪を今犯してきたような疑いにたる外形が存在すれば別だが一般的態様においてその精査は非合法でしょう。
 そこになにがしかの意味を見出すとすれば、行政権による市民への威嚇行為。いつでも検査できるのだから、やばいことなんて考えるんじゃないぞと。

 -思うに人々を恐れによって導くことしか意図しない国家は過失のないことはありえようが、進んで有徳の国家とはなりえない。人間というものは、自分は導かれているのではなくて自分の意向・自分の自由決定に従って生きているのであると思いうるようなふうに導かれなくてはならないー
                    スピノザ『国家論』第十章第八節

自由意志で協力したという外形を最後に整えて職務質問おわり。
さて、それは自由意志でしたか?

 こんど職務質問を市民側から要求してみるというのもありでしょうか。
職務質問が全面的に有益なるものであるならそういうことになろう。

ーおのおのの人間が自己に有益なるものを最も多く求めるときに、人間は相互に最も有益であるースピノザ『エチカ』

万人の闘争状態を避けるために契約により国家を欲するのが人間だとすれば、契約の双方向性が問われる。国家の市民への介入は市民の同意を求めるべき。
そのバランスを保つことが市民の役目。
 スピノザの言うカップリング(すべての事物はなんらかと相互依存的な関係にある)はそれをさす。汎神論のスピノザによればそれが神の力であるということになるのだろう。

          JOHNY
参照
上野修『スピノザの世界』講談社現代新書


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