JOHNY’s BLOG

かほりたつあざやかなはなとどめおくおもいをよせる淡雪のふみ

ごるごとは関係ない斉藤貴男

2006-05-09 00:11:21 | Book
月刊現代2006・6 

 たぶん斉藤貴男は殺したほうがいい?
自衛隊マル秘計画「憲法違反」の核心 という題で寄せられた論考が何をベースに書かれているかというと、あのWINNY流出資料です。いろんなところでいろんな情報が流れ出しました。個人情報の保護に関心が集まるようになった昨今、情報の漏洩は世論的に許されないことのように思います。こと行政機関から開示が不適当な情報がネット上にばら撒かれるなどというのはあってはならないこと、のようにおもわれます。

 というわけで、斉藤貴男氏もがんばってその危険性を指摘・・・しようと思ったのかもしれませんが、手に入れた情報をみてびっくり驚愕。
 そこにはなんと、自衛隊の匠が作り上げた世にも見事な戦争遂行作戦が記されていたのでした。多くの人がご存知の通り日本国では軍事力の保持はされておらず、

ただ自衛をするために際しての最低限の自衛力を保持している。自衛力とはいえその根源は暴力的兵器の保持であることから、そこには当然に暴走しないように憲法と法律による枷がはめられている。自衛隊が依拠する自衛隊法がまさにその一例である。

 ところが流出した情報をみると自衛隊は法律を無視するかのごとくのことがかかれている、と斉藤は指摘する。そのことを防衛庁に問い合わせると、さらなる情報漏えいにもなりかねないということでノーコメントらしい。
 
 答えられないところから判断すると、おそらくこの情報は正規のものであろうことがうかがえる。
 
 一部容認の暴力に伴う危険というのがここにはっきり見える。法治国家のもとで枠の中に入っているはずのものが、ときとして自然と規制の本流から逸脱していく。行政権に伴う部分の逸脱はある境界を超えてしまえば、支配者による支配者のための国家を合法的に作り出してしまう。その危険性を最大限減じようとしているものが、国家の場合で言えば憲法ということになる。そして社会の中で逸脱の目が見えたときに指摘してくれるのがジャーナリズムである、といわれてきた。
 
 WINNYによる情報漏えい問題でニュースなのは、情報漏えいそのことだけではなく、それがどのような危険につながるのかということでもある。漏洩という過程だけにとらわれれば多くのものと見落とすことになる。情報の内容の精査までできてはじめてジャーナリストの仕事といえよう。多くのメディアのジャーナリストが情報を素通りした一方、斉藤のようなものもいる。

 斉藤は近時少なくなった、ものを考えるジャーナリストである。ある意味危険人物だ。危険なので殺してしまえという人たちがいっぱいいそうである。
 
 かって1960年代半ば 三矢研究(有事研究) の暴露で大騒ぎになった社会背景と今は大きく異なる。権力という暴力への歯止めとなるべき日本国憲法が変えられようとする意見の強いご時勢である。ジャーナリストによるせっかくの警告が多数のメディアに作られた群衆の流れに飲み込まれてしまうおそれもある。
 情報を見つけた人はそれらを丹念に拾い上げ掲げて見せていく必要がある。

                    JOHNY

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