JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

僕らをためしにくるものに 3

2012年06月07日 11時46分51秒 | 家族
気づけば、前回の更新から1ヶ月以上が経過。6月に入っておったー。その間、何かしらあった訳ですけど、まずはこのご報告から。

母が、退院致しました。現在は、かつてとほぼ同じ状態で生活しています。大腿骨頸部の骨折と診断された時には、あの齢でどうなることやらと心配していたのですが、手術とリハビリを乗り越え、驚くべきスピードでの回復。

日増しに元気づいていく母と引き換えに、振りかかってきた家事全般に加え、病院通いの仕事が増えた私は、次第に疲れが溜まっていくのでした…。折も折、親族間のいざこざに巻き込まれ、もうGWの頃がピークやったね。じんちゃんの精神的苦痛は。

そんな中、どういう形にせよ応援してくれる人がいた。心を癒してくれる人もいた。つながっていることで煩わしい思いをする場面もあるけれど、それだけじゃあないんですねぇ。心を照らしてくれる神は、必ずどこかにいる。なんて感じながら、今日もぼちぼち頑張っています。

この年になるとね、全力でぶつかっていくのもどうだろうって有様なのよ。まぁ、きばらずやっていけるといいかな。http://shop.ehonnavi.net/item.asp?c=403201230X

最近になって、ようやく本を読んだりドラマを見たりと、心の余裕が出てきました。今手にしている小説は、角田光代『八日目の蝉』。昨年井上真央主演で映画化され、好評価を受けた作品ですが、期待に胸膨らませ内容を追い始めたのも束の間、春休みや母の入院で中断してしまい、約2ヶ月ぶりの再開。

これがまた、地味な文体なのよ。じんちゃんには、ちと合わんかなぁと思いつつ、しばらく読み進めていると…赤ん坊を誘拐した女の潜伏先として(東京から名古屋へ逃げる)、無農薬野菜や奇跡の水を糸口に、アヤシ気な世界へ誘う集団が登場し、「キターッ!」。

愛知周辺部に住んでいた人なら、ピンとくるのではないだろうか。財産は没収、新聞・雑誌などのメディアから隔離された生活を送る施設ということで、なるほどストーリー展開に即した設定だわ。って、感心してるのそこかよ!

以後、興味津々で主人公の足跡をたどっていくのでした。私にとって、もはや絵空事ではなくなったということかな。野沢尚(ミポリン&キムタクの『眠れる森』、天海祐希&モックンの『水曜日の情事』を手掛けた脚本家)の小説『魔笛』を思い出す。あれは、オウム真理教をモデルにしていたのだった。

社会問題にまで発展した出来事をどう切り取るのか、そういう所を追っていくのが楽しい。角田さんも上手いのよ。実在の逃亡犯の名前を、さらっと会話に盛り込んだりして。するとまた、リアリティが出てくる。事件のその後に焦点を当てているのは(第二部で、誘拐された娘の成長後のストーリーになる)、東野圭吾っぽくもあり…

ただ、誘拐された娘が憎むべき相手と、はからずとも同じ轍を踏んでしまう(妻子のいる男性の子をはらむ)設定は、うーむ、どうなんかなぁ。子どもがいつできてもおかしくない、綱渡りのような交わりを続けるって、男も女も勇気がいると思うけどね。

林真理子なら、瀬戸内寂聴なら、説得力のある描き方をするのだろうか。中村うさぎに監修してほしい気もする。うさぎさん、鋭い切り口で女の事件を紐解くからなぁ。『女という病』は、面白かった!って、立ち止まって考えてるのそれかよ。

果たしてラストで感動に持っていかれてしまうのだが、一方で想いに浸り切れない自分もいた。できてしまったものは仕方がない。まずはその命を送り出してあげることが大切じゃないか。子どもの目に映るのは、辛い出来事ばかりじゃないのだから。美しい世界だって、あるのだから。

’それでも生む’という選択。人道的見地に立てば善なのだろうけど、きっと助けてくれるはずの周囲を頼みに出産へ踏み切るってのはどうなのよ。私にとっては、生む・生まないどちらの選択も、簡単に下せるものでなく、そうしてこちらは善、こちらは悪と、割り切れない部分を感じていて。だからこそ、もっと前の段階で何とかならんかったんかなと。

男側の責任、女側の責任。考えてしまうよ…。時代は変わったというが、肝心な所で主張の一つもできぬまま男に委ねちゃってる図は変わらないんやなぁと。それが情けなかった。ふぅ~男女関係も、まだまだ自由じゃないよね。

それはそうと、最後に但し書きを見つけました。’この作品はフィクションであり、登場する人物や団体は実在のものとは一切関係ありません’ええーっ!?福田和子って、実名で上がってるんですけど。「(誘拐犯について)知ってる。福田和子を知ってるのと同じ程度に」なんてセリフ、私は上手いなーと思っていたのでした。

じんちゃんのように、実在の団体と結びつけて面白がる、そそっかしい輩がいるので、クギをさしていると?ならば、こういうことにしておきましょう。’八日目の蝉に登場する団体には、非常にリアルなモデルがある’信じるも信じないも、アナタ次第です~

さてドラマ『都市伝説の女』(金曜深夜:テレビ朝日系)、家族で楽しんでいるヨ。映画『モテキ』で、’やっぱり僕らの太陽神’とばかりに魅了した長澤まさみ。今回も、軽快にトバしています。彼女はちょっとトボけた役所が上手い。松たか子のコメディエンヌぶりに迫るものを持っているんじゃないかしらん。長澤を取り巻く面々が、またいいのよ~。

『菊次郎とさき』のマー兄ちゃんコト平山浩行(じんちゃんです♪)、劇団出身の匂いプンプンの安藤玉恵(映画『八日目の蝉』に出ていたのね!)、数少ない登場シーンで記憶に渋い刻印を残す宅間孝行(別名サタケミキオ?『花より男子』の脚本を書いていた人か~)、頭の上にアヒルちゃん人形を乗せる、竹中直人のハッスルぶりも笑えます。深夜枠にしては、贅沢な俳優陣だ~。あ、ゴメン溝端淳平くん忘れてた(娘が横から’コナンの工藤新一!’と騒いでる)。軽妙なセリフのやり取りが、ホント愉快だわ。

今期ドラマは、『都市伝説の女』をはじめ、夏樹静子原作の『Wの悲劇』(木曜9時:テレビ朝日系)、貴志祐介原作の『鍵のかかった部屋』(月曜9時:フジTV系)etc…とミステリーづいており、じんちゃんご満悦。

『Wの悲劇』は地味な配役ながら、リアルタイムで必ずチャンネルを合わせる程、入れ込んでいるのだ。’おじいさまを殺してしまった~’と絶叫する娘(武井咲)、実は双子だったという設定です。財閥の令嬢と、ショーパブで清掃員をする女が、お互いの人生を交換する。令嬢に成りすましている元アバズレが、見ていて楽しい。エロジジィ(寺田農)の魔の手を逆手に取り、のし上がってやるわよみたいな。『黒革の手帳』だぜ~~~

昨日は、友人に誘われFMラジオのイベントに参加する予定が、一転して病院へ走る結果に。娘が、学校で怪我ですと。ふぅ~ やっぱりためされてる?