今日は、近くの集落の「虫供養(むしくよう)」でした。
インターネットで虫供養を調べてみると、収穫を迎える秋に行われることが多いようですが、
私の住む地区では毎年、田植えが済んだこの時期に行われます。
その集落の各家の家門繁栄、子孫長久、および秋の五穀豊穣と、
田畑を起こした際に、知らず知らずと命を奪ってしまった虫達への供養として、
「虫供養」を行っています。
昨年は紙を切るところを紹介していますが、
今回はその続き、お札を印刷するところをご紹介しましょう。
各家へ二枚づつお配りするお札です。
「蜈蚣蚰蜒毒蛇之類(ごこうゆうえんどくじゃのるい)」と書かれています。
(虫編の文字が5つも並んでる…)
蜈蚣(ごこう)とは、多数の関節と足をもつ口から毒液を出して小昆虫を捕える…つまりムカデのこと。
蚰蜒(ゆうえん)とは、足が長く敏活な節足動物、つまりゲジゲジの類です。
毒蛇(どくじゃ)は、そのまま、ヘビの類ですね。
虫が苦手は私には、googleで「蜈蚣」と画像検索かけるだけで、
PCのディスプレイがとんでもないことになります…(汗)。
このような木の原版があり、これに墨を薄く塗って印刷していきます。
この木板は師匠曰く「いつから使っているのか分からない」くらい貴重なものです。
万一、破損したり紛失したりしても、替えはありません。
あまり墨を塗りすぎると、文字がつぶれてしまいます。薄く薄く墨を塗ります…。
バレンで押さえます。小学校の時の版画を思い出すなあ。
む、いい感じで写っているようです。
別に、ちょっと大きめのお札も作ります。こちらは一家に一枚です。
こちらには「金光明最勝王経」と書かれています。
このお経を読むことで、その国の安泰を願ったお経だそうですから、
それを転じて集落の無事を願ったのでしょうか…。(勉強不足ですいません)
私たちは実際に声に出して読むのではなく、お経本をめくって風を送ることで、
読誦(どくじゅ)することに替えています。
これらのお札を持って、地区の公民館や営農集会所へ赴きます。
今回はお寺で刷って持って行きましたが、本来はその地区の皆さんで作ってもらいます。
自分たちの地区のため、皆でお札を作ることに意味があるとも言えます。
写真中央に立ててある薄いお経本が「金光明最勝王経」です。
全部で10巻からありますが、どれも古いもので、壊れてしまっている巻もあります。
ちなみにその10冊を納める経箱には明治29年作(!)、と書かれていました。
西暦だと1896年です。日清戦争が終わった頃ですね~。「坂の上の雲」の時代そのままだ。
アメリカのヘンリー・フォードが世界で初めて大量生産される自動車を作った年だそうですよ。
その箱の写真はこちら。北方町の大工、山内さんがお作りになったようです。
旧暦5月の作、と書いてありますから、この虫供養の時期にあわせて新調したのでしょうかね♪
その年のお米の出来はどうだったんでしょうか。
思えば私自身、草刈りの際にマムシを見つけて、すでに今年だけで2匹、切っています。
朝のお勤めをしていると、ムカデさん達が本堂にトコトコ出てくることがありますが、
お引き取りを願う際に、命まで頂いてしまう場合があります。
もちろん噛まれたくありませんし、噛まれたら大変なことになりますから、
ある面では仕方がないのですが…。
しかし、私たちと虫たち、どちらが先にこの里に住んでいたかというと、
たぶん私たち人間の方が、彼らの生活圏に後から入ってきてるんですよね。
そう考えると、あまり大きな顔もできないのかなと思います。
そういうことに思いを馳せると、自然に謙虚な気持ちになります。
これも、毎日を過ごす上で大事なことなのでしょうね。
インターネットで虫供養を調べてみると、収穫を迎える秋に行われることが多いようですが、
私の住む地区では毎年、田植えが済んだこの時期に行われます。
その集落の各家の家門繁栄、子孫長久、および秋の五穀豊穣と、
田畑を起こした際に、知らず知らずと命を奪ってしまった虫達への供養として、
「虫供養」を行っています。
昨年は紙を切るところを紹介していますが、
今回はその続き、お札を印刷するところをご紹介しましょう。
各家へ二枚づつお配りするお札です。
「蜈蚣蚰蜒毒蛇之類(ごこうゆうえんどくじゃのるい)」と書かれています。
(虫編の文字が5つも並んでる…)
蜈蚣(ごこう)とは、多数の関節と足をもつ口から毒液を出して小昆虫を捕える…つまりムカデのこと。
蚰蜒(ゆうえん)とは、足が長く敏活な節足動物、つまりゲジゲジの類です。
毒蛇(どくじゃ)は、そのまま、ヘビの類ですね。
虫が苦手は私には、googleで「蜈蚣」と画像検索かけるだけで、
PCのディスプレイがとんでもないことになります…(汗)。
このような木の原版があり、これに墨を薄く塗って印刷していきます。
この木板は師匠曰く「いつから使っているのか分からない」くらい貴重なものです。
万一、破損したり紛失したりしても、替えはありません。
あまり墨を塗りすぎると、文字がつぶれてしまいます。薄く薄く墨を塗ります…。
バレンで押さえます。小学校の時の版画を思い出すなあ。
む、いい感じで写っているようです。
別に、ちょっと大きめのお札も作ります。こちらは一家に一枚です。
こちらには「金光明最勝王経」と書かれています。
このお経を読むことで、その国の安泰を願ったお経だそうですから、
それを転じて集落の無事を願ったのでしょうか…。(勉強不足ですいません)
私たちは実際に声に出して読むのではなく、お経本をめくって風を送ることで、
読誦(どくじゅ)することに替えています。
これらのお札を持って、地区の公民館や営農集会所へ赴きます。
今回はお寺で刷って持って行きましたが、本来はその地区の皆さんで作ってもらいます。
自分たちの地区のため、皆でお札を作ることに意味があるとも言えます。
写真中央に立ててある薄いお経本が「金光明最勝王経」です。
全部で10巻からありますが、どれも古いもので、壊れてしまっている巻もあります。
ちなみにその10冊を納める経箱には明治29年作(!)、と書かれていました。
西暦だと1896年です。日清戦争が終わった頃ですね~。「坂の上の雲」の時代そのままだ。
アメリカのヘンリー・フォードが世界で初めて大量生産される自動車を作った年だそうですよ。
その箱の写真はこちら。北方町の大工、山内さんがお作りになったようです。
旧暦5月の作、と書いてありますから、この虫供養の時期にあわせて新調したのでしょうかね♪
その年のお米の出来はどうだったんでしょうか。
思えば私自身、草刈りの際にマムシを見つけて、すでに今年だけで2匹、切っています。
朝のお勤めをしていると、ムカデさん達が本堂にトコトコ出てくることがありますが、
お引き取りを願う際に、命まで頂いてしまう場合があります。
もちろん噛まれたくありませんし、噛まれたら大変なことになりますから、
ある面では仕方がないのですが…。
しかし、私たちと虫たち、どちらが先にこの里に住んでいたかというと、
たぶん私たち人間の方が、彼らの生活圏に後から入ってきてるんですよね。
そう考えると、あまり大きな顔もできないのかなと思います。
そういうことに思いを馳せると、自然に謙虚な気持ちになります。
これも、毎日を過ごす上で大事なことなのでしょうね。
そうですね…自分で作るというのも魅力的ですねぇ。
ただ、しみ込んだ墨汁に歴史を感じたりして、この古さもお札の御利益のうちのように感じております(笑)。
いつかは自作に挑戦してみたいですが、これが使えるうちは大切に使い続けたいと思います♪