地福寺ブログ

地福寺は、宮崎県延岡市の山あいにある曹洞宗のお寺です。
永代供養のご相談も承ります。

福島県視察研修②

2013-05-01 20:53:44 | 日常のヒトコマ
①の続きです。

「放射線モニタリングセンター」では、所長さんから今の福島市の現状をご説明いただきました。
開設当初は、計測希望が殺到し、最初の1週間で向こう1年分の予定が埋まってしまったとのこと。
その後、計測機器を増備し、計測する人員も増やしていった結果、今では落ち着いたそうです。

こちらでは、商品として出す農作物は対象外とのこと。
あくまで、家庭菜園などでとれる自家消費分です。
震災発生から2年間、さまざまな品を計測してきた経験則から、
「これは出そうだ」というのが判り始めた、と担当者がおっしゃっていました。
裏返せば、「これから出るはずがない」という場合に、
とり寄せて再度計測しなおすと、
案の定、土が洗いきれていないのが原因だったりする場合が多いそうです。

気をつけねばならない食品、おおむね安心できる食品…。

ただ、やみくもに恐れるのではなく、リスクをきちんと計測し、把握する。
ものごとを正しく見ることによって、不安を減らしていくのだということを、
改めて実感しました。


計測に使っている機械は、日本製のものだろうと思いきや、ベラルーシ製。
チェルノブイリ事故があったあと、現場で使いやすいように作られたものだそうです。
日本製のものは、研究者が研究室で使うような精密な測定が出来る半面、
それなりの知識を求められる使い勝手の悪さがあります。
その点、ベラルーシ製は、現場で使いやすいように、
計測は大雑把であっても使い易さが優先されている、ということでした。


写真のように、1斗缶よりも小さい位の円筒形に3本足を付けたような小さな機械ですが、
重さはなんと130㎏!持ち上げようとしたってビクともしません。

計測するものの周りを、暑さ5㎝程の鉛でとり囲んであり、
外から飛び込んでくる放射線の影響を受けないようにしてあるのでした。

他にも、さまざまなお話しを伺うことができました。


放射線モニタリングセンターの所長さまをはじめ、ご担当者の皆様。
お忙しい中、私たちの為にお時間を割いていただき、ありがとうございました。