JCAの激闘!投げ釣り戦記Ⅰ

大物投げ釣り一筋!(2007~2013年)

55、44cm 座布団ナメタガレイ! 遠征第百二弾!岩手県・宮古 / 閉伊崎 (1日目)

2010-06-08 23:06:01 | 投げ釣り戦記!

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【捜査ファイル102】


俺は4課のJCAだ。


座布団鰈の犯罪を多く扱う事から我々は“マル鰈”と呼ばれている。
今日もまた眠らない鰈大国・日本のどこかで事件は起きようとしている、、、


もうすでに俺が住む関西圏では30度を超える真夏日も多く、コロタマ特殊捜査班
とのコラボが重要任務の一つとなってきている。


50cmを超える座布団鰈検挙を目標に掲げ結成された「4課」の捜査官としては
確率がゼロになるまで戦い続けなくてはならない、、、しかし季節も変わりゆくもの
俺たちが重点捜査エリアとして張り込みを続けてきた東北においても今や数釣り
シーズン到来と呟かれ始めている。


座布団クラスのみを狙う俺たちにとっては今回がラストチャンスとなるだろう。



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昨夜じゅうに岩手県は「宮古」入りした俺たち、昨日は相棒“八戸のちょいワル刑事”
誕生日だったということもあり車内でビールを片手に乾杯し、いい気分になったところで
就寝となった。作戦に備え体力温存も任務の一つだ。







早朝からかなり濃い霧に包まれた重茂半島、あのネチネチと岩礁地帯に立て篭もる事で
有名な「滑多組」のシマを捜査すべく「閉伊崎」近くにある外海に面した沖磯へ渡った
俺たちを待っていたのは軽く10m以上はある絶壁の現場、、、捜査本部を設置する為には
まずはロッククライミングから始めなくてはならなかった。


鋭利に尖った岩で形成されたこのシマは足場も非常に悪く落ち着いて座れるような部分を
探すのも至難の業、頂上付近に荷物をまとめ岩の中腹に連中を狙い打つ最前線設置、
取り込みは下段など打ち合わせをして午前6時半捜査開始。


捨てオモリ戦術で連中の立て篭もるエリアに集中攻撃、、、水深も15mはありどうやら底
のほとんどが岩盤になっており大きな瀬も点在しているようだ。仕掛けを投入後、アイナメ
といった大暴れする邪魔者の来襲を予測してドラグを緩めつつアタリを待つ。


ジッ、ジッ、ジイイイ~~~!?





北海道でもそうだったが俺は最近アイナメにマークされてるのかもしれない!逸る気持ち
を抑え一気に高速リーリングで浮かすもののこのざまだ、、、


すぐさま針を外し海に強制送還するつもりだったのだがちょいワル刑事より連行して情け
容赦無い取調べ後、ズタズタに切り刻み刺身にしたいとの要請があり


午前7時02分、47cmアイナメ逮捕。




今回は水温も上昇し捜査の邪魔をするチンピラ・エサ取りの存在を危惧していた俺たち
だが回収されてくる仕掛けを見る限りそこまで多くは無さそうだ。しかし一帯は潮流が早く
35~40号のオモリを使用しているにも関わらずあっという間にラインが右へ流されてゆく。


最前線から海面まで少なくとも5mはある現場環境を考えれば糸フケは決して作れない!
手前の岩肌に引っ掛からないよう細心の注意を払いながら捜査に臨む。




ジジッ、ジジッ、ジイイイイイッ!


またしても俺の仕掛けにちょっかいを出してきた輩がいた!





きっ、きさま~! 次に姿を現したら即行ゴメカモメの島ゆきだぞ!


よ~く言い聞かせてから海へ強制送還、さっきのような35cm前後のアイナメがエサ取り
として現れると事前情報ではあったのでなおさら熱くなってしまった。


ここからしばらく沈黙が続き、俺たちも尻に突き刺さってくる岩肌に根性で座って朝食、
そして作戦会議、時刻は午前10時を回っているのに一向に霧は晴れない、、、10m以上も
上から覗き込む海面に少しぞっとしながらもどこにコンブ根が張り出していてどの辺りが
根掛かり多発するかなど情報を共有し合う。


先程よく言い聞かせたからかアイナメは一切姿を現さなくなった!非常にいい事だ。
俺たち「4課」の標的は「滑多組」連中のみ、間違いなくどこかにへばり付いているはず
のネチネチカレイを求め投点を少しずつずらしながら地道に探ってゆく、、、




ググッ? グ~~~!?


それはエサチェックをと一番左にセットしていたスピンパワーを持ち上げた時だった!


なにやら藻が引っ掛かったような感触、、、しかし動く。とにかく水面まで浮かすべく竿を
立てながら常に底を切らせてリーリングすると同時に、竿を持ったまま下に下りるのは
急勾配すぎてかなり危険を伴うこともありちょいワル刑事に頼んでスタンバイしてもらう。







午前10時43分、55cm ナメタガレイ逮捕。


あまり暴れずすんなり御用となったわけがだが、正真正銘の“ゴ~マル座布団”だ!
「滑多組」に関しては過去に2枚、ゴ~マルを逮捕している俺だが今期の頂上作戦では
自己記録の更新も目標にあったのでこの55cmは念願の1枚だ。


“ミッション終了!”




「4課」としては目標を達成したのだが、できればちょいワル刑事と二人揃ってゴ~マル
検挙したい。アタってきたピンポイントを刑事に譲り集中砲火をしてもらおう。


このシマでは全てが岩盤になってるので砂地と違いサビく事がほとんどできず広範囲を
探るにはひたすら打ち返すしかない!また複雑な岩にへばり付き立て篭もる連中の習性
からすればここでアタったからそのエリアに集団で居るとも限らない、、、ある意味博打的
要素を含んだ作戦とも言える。


そんな中、足元付近に仕掛けておいた俺のトラップに生体反応が!?







午前11時07分、44cm ナメタガレイ逮捕。


それはともかく、、、


このネトネトの白い粘液はなんとかならんのかぁ!


我々人間と一緒で興奮するとこやつらも粘液を出すらしい、、、当然の事ながら堅気魚が
平和に暮らすこの東北の海においてこんな卑猥かつワイセツな行為を繰り返す連中は
決して許されるはずはなく、法の下に裁かれなくてはならない!


1時間以内に2枚逮捕となると時合いに突入している可能性が高い!そう話してるうちに
ちょいワル刑事が絶壁と絶壁との間に仕掛けていた竿を曲がらせている!?





だがそれは北方領土返還を痛切に願う北の根魚組織ソイの仕業だった、、、


情け容赦無い血の捜査で有名な東北のカリスマ刑事が見せた悔し涙はいつかきっと
「滑多組」への憎悪と変わり再びこのシマにおいて弾圧とも言えるようなリベンジ作戦が
繰り広げられるであろう事を意味していたに違いない。




午後12時半、俺たちは断崖絶壁のシマから脱出した。





これより「4課」「八戸」に戻る!




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