恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

6/22(土)第11回 大師匠噺@お江戸両国亭

2019年06月22日 | 噺とか
三遊亭天どん師匠と蜃気楼龍玉師匠の二人会で、私はこれが2度目。
あいにくの天気ながら、客席はほぼ満席に近い状況で、盛況でした。
開場時間よりも早く客席に入れてくれる雨への配慮は感謝。
どっちの師匠のお客さんメインなんだろうなぁと思いながら開演。

ごはんつぶ「寄合酒」
龍 玉「穴泥」
天どん「不精床」
-仲入り-
天どん「熱中症対策本部」
龍 玉「水屋の富」

前座のごはんつぶさん、高座では久しぶりかも。
師匠とは対照的にたっぷりある前髪がちょっと邪魔そう。
噛んだところを自分でネタにするあたりも師匠っぽさが。
「寄合酒」を短い時間でさらっと。
仲入りには必死でチケットを売っておられました。

龍玉師匠の一席目は「穴泥」で、これもあまり聞かない噺。
今日ネタ出ししている「水屋の富」は稽古した割に面白い噺ではなく、
多分今後やらないだろうということで、最初は別のネタにしたとのこと。
酒を飲みながら徐々に酔っぱらっていく様など、さすがですねぇ。
展開の読めてしまう噺ではありますが、楽しませてもらいました。

天どん師匠の一席目はネタ出しで「不精床」。
圓生師匠のネタをあれこれとやっていくと主要なネタはほとんどやってしまっていて、
前座噺のようなこの噺になったのだとか。
圓丈一門の弟子のエピソードをあれこれと。
弟弟子で真打昇進が決まっているたん丈さん、
たしかにほとんど噺を持っていなくてどうやって披露目を乗り切るのか、気になりますよねぇ。
で、自身が通っている自由が丘の床屋さんの話もあれこれと。
かつて通っていたところは鬼丸師匠のラジオが流れているんで行かなくなったそうな。
で、こっちにきたら一之輔師匠の声が流れておいおい、と。
本題よりもマクラのほうがたっぷりでしたねぇ。
「不精床」に出てくる床屋の親方がなんとなくいつもの天どん師匠の新作に登場するような感じで、
特にネタおろしということを意識することなく楽しく聞かせてもらいました。

仲入りをはさんで天どん師匠の二席目。
新作で「熱中症対策本部」という噺ですが、初めて聞く噺です。
栃木の田舎町の熱中症対策に臨むお役人二人の噺ですが、
こういうすっとぼけた人物の描写がたまらなく面白い。
なぜか登場人物がみんな田中さん。
そして、なぜかさっきの話に続いてこの噺の途中にも外を通る救急車の音に妨害される。
抜け目なくそれをネタにするあたりも何とも言えず面白いのですが。

龍玉師匠の二席目はネタ出しの「水屋の富」。
たしか黒門亭で一度聞いたように思いますが、言うほど面白くないわけでもないですね。
富くじを突くあたりのところから、くじに当たって狂喜する場面、
800両を持っているがためにあれこれと悩んで夢にうなされる場面、などなど、
人物描写が何とも言えず絶妙。
これで終わりと言わず、またかけてほしい演目でもあります。

お江戸両国亭という程よい空間で、土曜の午後をゆったりと過ごすことができました。

恐懼謹言。
コメント
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