沖縄・台湾友の会

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台湾の風向きが変わった。予備役も動員し実弾演習   軍の近代化を加速化し、兵器体系もコンピュータ戦争に適応

2021-04-12 17:48:49 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)4月8日(木曜日)
  通巻第6854号
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 台湾の風向きが変わった。予備役も動員し実弾演習
  軍の近代化を加速化し、兵器体系もコンピュータ戦争に適応
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 度重なる領海侵犯、領空侵犯。中国は「台湾は中国の一部」と傲慢な主張を変えず、習近平は武力による台湾併合を否定していない。軍に対しては「いつでも戦争の出来る準備を」と発破をかけている。

 中国軍は人民解放軍から30万人を縮小したなどと発張しているが、人民武装警察は80万人以上。また退役軍人を海警に投入している。このように巧妙な改編を偽装しているが、事実上、軍人の数は増えているとみてよい。後者の海警の「漁船」は「避難」を名目にフィリピン領海にすでに一ヶ月も居座り続けている。

 中国は国際仲裁裁判所の「中国の領海の主張には根拠がない」と結審したが、「あれは紙くず」と言い放ち侵略の刃を研いでいる。尖閣諸島近海への度重なる領海侵犯、日本の防衛識別圏への領空侵犯を続行しながら、同時に「日中友好」を説いて薄笑いを浮かべる。
日本のメディアの中国批判には裏側から手を回して、政治宣伝戦争でも優勢である。

 こうした情勢の緊迫化に対応し、台湾の風向きが変わっている。
 台湾ではトランプ前政権の強い支援姿勢と、香港の民主主義が殺されたことを目撃し、世論は中国に対して甘い見解を捨てた。劇的に風向きが変わり、国民党ですら「一国二制度」を発言しなくなった。
 そして国防予算強化、「軍システムの近代化」「その加速化」を鮮明に主唱し始めた。

 台湾軍の実弾演習には予備役から8000名を導入した。またコンピュータ戦争という未来図を予測したウォーゲームも、軍の中で、本格的なドリルが始まった。ハッカー部隊が台湾軍の指揮系統を破壊しかねない情勢にあるため、今後も対応を急ぐことになる。

 台湾が緊張度を深めたのは、習近平が終身皇帝を狙い、しかも「第二の毛沢東」を自認し始めるという誇大妄想に取り憑かれたからである。北京から見れば、習の権力基盤は軍を掌握できたことで固まったと見ており、共青団と旧江沢民派を追い込んだ。香港の植民地化に成功した。これらは習近平にとっては「手柄」なのである。

 こうなると習の妄想はさらに拡大し、功績を残すための最後の仕上げを台湾併合において、歴史に名を留めたいという野心に変貌する。
 台湾軍は、上層部が外省人であるがゆえに中華思想の性格を知っている。したがって台湾軍首脳は習近兵の野心を正確に分析することが出来るからだ。

 日本の防衛力増強は国際情勢からみても必然だろうが、永田町の議論は依然として幼稚園レベルに留まっている。


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