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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年8月17日号) *JAL123便撃墜説を批判する

2024-08-23 14:51:14 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年8月17日号)
*JAL123便撃墜説を批判する
 1985年8月にJAL123便が群馬県山中に墜落した事故を巡って、これは自衛隊が訓練中に誤って撃墜してしまったと言うトンデモ話が流布している。それによると、もし「この事実」がばれると自衛隊は解散に追い込まれるかも知れず、そうなれば国家的危機だから、国家ぐるみで隠蔽したという話らしい。
 もっともらしく聞こえようが、1971年の雫石(しずくいし)の事故を知る者は、この話が嘘だと直ぐに分かるはずだ。

 1971年7月に岩手県雫石町上空で自衛隊機と全日空の旅客機が衝突し、旅客機の乗員・乗客162名全員が死亡した。当時は自衛隊を憲法違反の犯罪者集団呼ばわりする風潮は今よりも、はるかに根強く、野党第一党の社会党は、公然と自衛隊解散を主張していた。
 衝突事故なのに自衛隊が一方的に断罪され、マスコミはもとより政府も自衛隊を庇うどころか、自衛隊に責任をなすり付けることに腐心していた。だが裁判で自衛隊のパイロットが有罪となったものの、自衛隊解散にはなっていない。

 当時の社会党や共産党は、以前から自衛隊解散を主張していたが、自衛隊が一方的に悪者と断罪された、この事故をもってしても、世論の支持を得られなかったのである。
 もしJAL123便が自衛隊に誤射されたとすれば、政府は雫石事故の前例にならい、誤射した自衛官を起訴したはずで、国家ぐるみで隠蔽するなど考える筈もなかろう。
 ちなみに雫石事故までは、自衛隊は日本の領空で訓練を行っていたが、事故以後、訓練空域は領域外の公海上に設定されている。従って自衛隊が日本領空で訓練中に民間機を誤射することは制度上あり得ないのである。


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