「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)8月29日(日曜日) 通巻第7031号 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ パキスタン外相が周辺四カ国を訪問。世俗イスラム国家群のタリバン観 平和と安寧が周辺イスラム国家を裨益させる(クエレ外相) *************************************** クエレ・パキスタン外相が周辺四カ国(タジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、イラン)を歴訪し、タリバン以後を協議していた。クエレ自身がパキスタンの有力紙「ドーン」とのインタビューで答えた。 四ケ国のうち、イランを除き、いずれもが世俗イスラム国家であり、原理主義過激派の台頭を好ましい現象とはみていない。中国の上海協力機構のメンバーとして過去にも、アフガニスタンからの過激派の動向を監視していた。 クエレ外相は「とはいえ、アフガニスタンを孤立化されることは有害(Detrimental)だ」と述べた。パキスタンは舞台裏でタリバンと繋がっていることは、国際政治では常識である。 イランにとってタリバン政権の復活は悦ばしいことかと言えば、複雑である。 第一にタリバンはスンニ派であり、イランのシーア派のドグマには反対の立場だ。 第二に米軍の撤退によって生じる力の真空は、中国とロシア同様に、イランにとっても新しい緊張を運ぶことになる。 第三にイランを敵視するイスラエルとサウジアラビアは、つぎにタリバンを政治的利用しかねない。 第四にイラン国内にはすでに300万人のアフガン難民がおり、この人々を以後、如何に扱うのかという難題が残されている。 同時期に米中高級対話の一環として米中軍事高級対話がオンラインで開催された。 中国人民解放軍は黄雪平・准将が、米国からはミカエルチャズが対話し田。会談の内容は明らかにされていない。 |
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