わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6376号
頂門の一針 6376号
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消費税率が「15%」に上がる日
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高橋洋一
【日本の解き方】 防衛増税で?突破口?狙う財務省 国債の使い方が稚拙、経済と財政を猛勉強すべきだ
消費税率は2014年4に8%、19年10月に10%となった。さらなる引き上げはあるだろうか。
財務省出身の筆者は「なぜ財務省は増税をしたいのか」としばしば聞かれる。簡単にいえば職業病であり、よくいえば日本政府の財政を憂いたものだ。背景には、強烈なエリート志向があり、自分たちこそが日本を指導していると勘違いしている。
筆者は財務省在籍25年の大半を財政の正しい見方の普及に費やした。会計学を使い連結対象を含めた政府のバランスシート(貸借対照表)を作成し、金融工学を用いて日本政府の破綻確率も算出した。その結果、今のところ日本政府の財政状況は財務省が主張するほど悪くないことが分かった。財務省は「増税しないと国債が暴落する」と安倍晋三政権を脅したが、延期しても暴落しなかった。
それでも財務省は相変わらず一部部門の収支に固執し、バランスシートの負債サイドだけで財政を説明して「財政が悪い」という。はっきりいえば、会計無知による間違いだが、マスコミその他の無知に乗じていて改める気配もない。財務省の欺瞞(ぎまん)は、いつまでたっても筆者との直接対話を回避していることからも明らかだ。
幸いなことに、安倍・菅義偉政権では財務省の口車に乗らずに経済政策をしっかり行った。しかし、岸田文雄政権は、防衛増税と事実上の利上げでアベノミクスの方向性を変えた。
防衛増税はたかだか1兆円なので、防衛国債の範囲を拡大するか、埋蔵金(外国為替資金特別会計や債務償還費を活用)によって回避できる。財務官僚がどうしても増税したいとしか考えられない。
これで思い出すのが、東日本大震災後の「ホップ、ステップ、ジャンプ」論だ。復興増税をホップとして、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を行うのが財務省の構想だった。筆者はそれを財務省関係者から聞いたので本コラムなどで暴露したが、そのとおりになった。
今回も、防衛増税はホップであり、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を財務省は狙っている。そして、消費税率は12%を経由し、15%になるだろう。そのためには、ともかく今回「増税」したいのだ。
筆者はこうした財務省の思惑について、できるだけテレビの地上波番組で話している。昨年末、筆者がレギュラー出演する大阪の番組で、消費税15%の可能性について言及した。
この場面について、番組MCの東野幸治さんやスタジオパネラーのほんこんさん、「ジャニーズWEST」の中間淳太さんらが「15%?」とあぜんとしていたとネットニュースなどで報じられた。筆者は楽屋などでこうした話を日常的にしており、彼らも知っているはずだが、あらためて視聴者に分かりやすく表現したのだろう。
消費税はどの増税は経済の立て直しに障害となる。しかも、財務省の主張とは違って財政状況は悪くない。今回の防衛増税でも、財務省は国債の使い方が稚拙すぎる。もっとマクロ経済と財政(ファイナンス)を勉強せよと言いたい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
消費税率が「15%」に上がる日
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高橋洋一
【日本の解き方】 防衛増税で?突破口?狙う財務省 国債の使い方が稚拙、経済と財政を猛勉強すべきだ
消費税率は2014年4に8%、19年10月に10%となった。さらなる引き上げはあるだろうか。
財務省出身の筆者は「なぜ財務省は増税をしたいのか」としばしば聞かれる。簡単にいえば職業病であり、よくいえば日本政府の財政を憂いたものだ。背景には、強烈なエリート志向があり、自分たちこそが日本を指導していると勘違いしている。
筆者は財務省在籍25年の大半を財政の正しい見方の普及に費やした。会計学を使い連結対象を含めた政府のバランスシート(貸借対照表)を作成し、金融工学を用いて日本政府の破綻確率も算出した。その結果、今のところ日本政府の財政状況は財務省が主張するほど悪くないことが分かった。財務省は「増税しないと国債が暴落する」と安倍晋三政権を脅したが、延期しても暴落しなかった。
それでも財務省は相変わらず一部部門の収支に固執し、バランスシートの負債サイドだけで財政を説明して「財政が悪い」という。はっきりいえば、会計無知による間違いだが、マスコミその他の無知に乗じていて改める気配もない。財務省の欺瞞(ぎまん)は、いつまでたっても筆者との直接対話を回避していることからも明らかだ。
幸いなことに、安倍・菅義偉政権では財務省の口車に乗らずに経済政策をしっかり行った。しかし、岸田文雄政権は、防衛増税と事実上の利上げでアベノミクスの方向性を変えた。
防衛増税はたかだか1兆円なので、防衛国債の範囲を拡大するか、埋蔵金(外国為替資金特別会計や債務償還費を活用)によって回避できる。財務官僚がどうしても増税したいとしか考えられない。
これで思い出すのが、東日本大震災後の「ホップ、ステップ、ジャンプ」論だ。復興増税をホップとして、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を行うのが財務省の構想だった。筆者はそれを財務省関係者から聞いたので本コラムなどで暴露したが、そのとおりになった。
今回も、防衛増税はホップであり、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を財務省は狙っている。そして、消費税率は12%を経由し、15%になるだろう。そのためには、ともかく今回「増税」したいのだ。
筆者はこうした財務省の思惑について、できるだけテレビの地上波番組で話している。昨年末、筆者がレギュラー出演する大阪の番組で、消費税15%の可能性について言及した。
この場面について、番組MCの東野幸治さんやスタジオパネラーのほんこんさん、「ジャニーズWEST」の中間淳太さんらが「15%?」とあぜんとしていたとネットニュースなどで報じられた。筆者は楽屋などでこうした話を日常的にしており、彼らも知っているはずだが、あらためて視聴者に分かりやすく表現したのだろう。
消費税はどの増税は経済の立て直しに障害となる。しかも、財務省の主張とは違って財政状況は悪くない。今回の防衛増税でも、財務省は国債の使い方が稚拙すぎる。もっとマクロ経済と財政(ファイナンス)を勉強せよと言いたい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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