沖縄・台湾友の会

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「ハバロフスクの乱」を抱えるプーチンはベラルーシに介入できない    根っこは同じ、反モスクワ感情が民主化デモを過激化させている

2020-08-20 23:31:37 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)8月20日(木曜日)
       通巻第6625号  <前日発行>
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 「ハバロフスクの乱」を抱えるプーチンはベラルーシに介入できない
   根っこは同じ、反モスクワ感情が民主化デモを過激化させている
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 ロシアにも野党がある。
 与党「統一ロシア」を率いるプーチンは憲法改正の国民投票を行い、実質的に2036年まで権力のトップに居座るつもりだが、反対票がもっとも多かったのが、シベリアなど極東地区、とくにハバロフスク、そしてウラジオストック地区だった。

 与党に対抗する野党は「自民党」と「ロシア共産党」。前者は「極右」と言われるジリノフスキーが党首。後者は年金、恩給裨益組が多く、ソ連共産党の正式な後継政党をなのるが、哲学博士のジュガーノフが委員長。いまや党員16万人しかおらず、政治的影響力は殆どない。
極東部では、三人の知事が自民党所属である。

 ハバロフスク知事だったセルゲイ・フルガル知事が、7月9日に十五年前の殺人事件に関与した容疑で唐突に逮捕された。そして予定されていたかのように、7月20日にプーチンによって更迭された。知事代行はモスクワから派遣されたミハイル・デグチャイル下院議員である。

 爾来、およそ七週間にわたってデモが続いている。ときにハバロフスク市内は三万人のデモ隊が広場を埋め尽くし、警官隊と衝突した。数人の逮捕者もでている。

 地図を拡げると、ハバロフスクはモスクワより遠く、むしろ中国とはアムール川を挟んだ対岸、日本からは直行便がある。同じロシア語を喋るが、この極東地区は中国、韓国、日本との交易のほうが盛んであり、以前から反モスクワ的な行動をとった。イルクーツク、チタなどは西シベリアで、あまり反モスクワ感情はない。

 さて極東シベリア地区の反プーチンの動きが、ベラルーシと絡むのである。
 モスクワにとって連邦を形成するスラブの三兄弟は、ウクライナ、ベラルーシ、ところが西ウクライナは西側に傾斜しており、ますますベラルーシが重要なのだが、近年はルカシェンコ大統領がモスクワに楯突くことが多く、ロシア・ベラルーシ関係はすきま風が吹いていた。

 東ウクライナへ、事実上のロシア軍派遣と軍事衝突、クリミア半島併呑で、西側から制裁を受けているロシアは、下手にベラルーシに介入すると西側の関係はさらにギクシャクする。
だから口では軍事支援を言いつのりながらも、時間稼ぎに徹し、プーチンは国内の背中にあるハバロフスクの反乱も、時間を掛けて抑え込むという流儀になる。

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