「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)5月25日(月曜日)
通巻第6512号
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「天滅中共」「香港独立」を掲げて、香港で抗議デモ「天滅中共」「香港独立」を掲げて、香港で抗議デモ
「香港国家安全法」に反対の若者らが行動。180余名逮捕
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昨秋の大乱収束以来、はじめての大がかりなデモが香港で繰り広げられた。
5月24日、日曜日の午後。SNSで呼びかけられてデモ行進は銅鑼湾の「SOGO」前からワンチャイまでの幹線道路がコースである。
これは全人代で採決予定の「香港国家安全法」に反対する知識人や若者らが集まり、コロナ感染予防のため、香港では「9名以上の集会は禁止」とされているが、示威行進を開始した。
道路にバリケード、さすがに火焔瓶は登場しなかったが、警官隊は最初から催涙ガスと放水、暴力的な弾圧に報道陣からも抗議の声があがった。
プラカードには「天滅中共」「香港独立」が掲げられた。180余名が逮捕された。「天は中国共産党を滅ぼす」というプラカードは昨秋までの香港大乱でも、学生達が常套句としていた。
全人代最終日に予定されている「香港国家安全法」は、「香港基本法」の附録文書として追加挿入されるという巧妙な措置が取られており、法案が成立すれば、香港独立どころか、民主化を訴える行為も違反の対象となる。
他方、開催中の全人代のタイミングで王毅外相が記者会見し、「香港の安定のために、香港国家安全法は当然であり、香港は中国の一部であり、外国の干渉を受けたくない。台湾も同様である。また欧米に拡がる賠償請求だが、中国も被害者であり、賠償など、常識では考えられない違法だ」と一方的に喋りまくった。