岩田院長のブログ

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22世紀の民主主義

2022-08-15 16:12:23 | 
午前中にお墓参りをすませて、今日も読書に勤しむ
今日の本は「22世紀の民主主義」
著者は31歳でイェール大学の助教授になった成田悠輔さん
テレビで対談でデータに基づいて政策等が正しいかどうか検討している所を見て本を読んでみたいと思い、電子ブック📕で探して読んでみました。

本書のメインテーマは「政治家不要論」です。日本経済を良くするためには、政治家は要らないと言う主張が書かれています。
昨今、若者の政治離れなどが叫ばれていますが、「そもそも選挙のやり方自体が合っているのか?」と言う疑問を呈示しているのです。
選挙は古いシステムです。アルゴリズムが政治を決める方が合理的ではないかと提案しているのです。
現在、ビジネスの世界ではアルゴリズムが決めている時代です。その結果、ビジネスの世界では、人が機械に代替をされていきました。それと同様のイノベーションは政治には起きないのか?と言う提言をしているのです。
「政治家不要論」が語られるかというと、日本の衰退がその背景にあります。平成の失われた30年で日本は経済的に停滞をしました。
しかし、経済的停滞は日本だけではなく、世界中の民主主義国家が停滞したのがこの30年だったのです。一方で、独裁国家、専制主義国家は成長していたのです。資本主義と民主主義を採用していた国が軒並み経済的衰退をしました。その理由は、「貿易の鈍化」「長期投資の縮小」「コロナ禍への対応の失敗」が挙げられます。専制主義国家と資本主義を採用している中国はこの20年で圧倒的な成長をしました。
多くの国では現在、経済には資本主義を、政治には民主主義を採用しています。経済:資本主義、政治:民主主義
「資本主義」とは、一部の優秀な強者を優先し、経済を成長するシステムです。それは強者と弱者の貧富の差を許容しています。
かつて存在した、共産主義・社会主義という強者と弱者を産まない平等な社会を目指す計画経済が生まれましたが、破綻をしました。その結果、成長と格差を生む資本主義が広まったのです。
「民主主義」とは、投票によって大多数の意見を採用するシステムです。そのシステム構造は共産主義・社会主義に近い考えです。
資本主義で生まれた格差を民主主義で分配するというバランスをとっているのが、資本主義&民主主義を採用した国家の在り方なのです。経済の資本主義と、政治の民主主義の両輪で経済を発展させていったのです。
2000年代から民主主義が機能不全になった理由はSNSが原因です。当初、SNSは民主主義的なツールだと思われていました。なぜなら民衆の声が可視化されるからです。しかしながら、SNSによって扇動と分断が起きました。民意は扇動によってポピュリズム政治に走り、間違った結論に走ってしまうリスクがあるのです。ツイッター、2ちゃん、YouTubeなどで誰かの悪口を書くことで多くのフォローを集め、一部の過激な人たちのヘイトスピーチのツールになるリスクがSNSにはあるのです。そして過激なヘイトスピーチによって生まれた分断は貧しさを生みます。なぜなら世界は貿易でつながっているからです。
政治的な目的で民意を利用し、世界の分断を産むことによって、「あの国のアプリは使用しない」「あの国との貿易はしない」などの状況を招くことは、長期的な投資ではなく短期的な利益を追い求める方向に向かいます。なぜなら、短期的な投資の方が民衆が湧くからです。短期的でインパクトのある政策を打つ方が政治家は投票が集まるのです。その結果、長期的な投資がされず国が衰退していったのです。

内容としては難しいですが、述べている内容は理にかなっています。
成田悠輔に注目していきたいです。
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