曲がり角で 迷いながら

自分も家族も人生の曲がり角に。戸惑いの中の日々を迷いうろついています。

高齢者の交通事情

2019年04月20日 | 高齢者

大変哀しい事故(池袋で80代男性が運転する自動車が暴走し、次々と10人もの歩行者をはねる事故)に関連してちょっと思うことを。

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亡くなってしまったお母さんとお嬢さん…そしてそのご家族の方には本当にお気の毒で掛ける言葉もないのですが、この事故を起こしてしまった87歳の高齢者本人とそのご家族の事を思っても胸が詰まります。

オット父Gオさんも88才で亡くなるまで自分で車を運転しており、大動脈解離→破裂で亡くなる数日前にはなんと自分で運転してゴルフに行っていたのです。もちろん、私は80才でやめてほしいとずっと言っていましたが、なかなか運転をやめれず、趣味の教室だの、オット母Bこさんの病院の送迎など、毎日車を運転していました。亡くなる1年ほど前に肺の方の病気で入院した後は、少しの間は運転を自粛していたのですが、私には内緒で(オットやBこさんは黙認。)ゴルフに自らの運転で早朝に出かけると言う暴挙ですわ。

よく、無事だったと思います。

Gオさんは88才といいながら、60代に見えるようなしっかりとした人で、認知機能もなんの問題もないような人だったので、能力的には運転は問題なかったかもしれません。けれども、大動脈破裂が運転中、あるいはゴルフ中に起きた可能性も大いにあったわけで、そういう意味でもよく無事だったなあと思う訳です。

けれども、高齢者が運転しなくてはならないという事情も、自分が高齢者に足を突っ込んでくると多少わかってきました。

今日隣町まで所用で出かけたのですが、自家用車なら20分から30分で着くところ、バス電車の乗り継ぎで1時間強かかりました。荷物も多かったので、正直乗り継ぎ時も大変でしたし、普段利用したことのない駅で切符を買い、そして乗り込むと言うのは(すべて自動であることもあり)高齢者になればかなり大変な事です。例えば切符を買うのにお札の入れ口がカードの入れ口と似ていて、表記はあるもののたぶん高齢者にはわかりにくく、お札もうまく入れられないと思います。駅名が書いてあるわけではなく、金額の書いてあるボタンを押す。と言うことはそこまでの切符がいくらかかるのかがわからないと買えないわけで、上の方の駅名と金額の書いてあるところ、まず行きたい駅がどの辺にあるのかがわからないと、金額もわからないわけです。

私は往復で切符を買ったのですが、出てきた切符は一枚?に見えたら、ぴったりくっついて2枚同じもの(矢印が両方向になっている)出てきて戸惑いました。

そして、改札口。

切符(小さい)もカードの入れ口も同じところだったので、小さい切符に対して入れ口が大きいので、ここに通していいのか戸惑いました。出るときも一緒。

そして、駅から目的の建物までも国道を横切る為、地下道をくぐるか、少し歩いて横断歩道のあるところまで行くか。どちらにしても大きな荷物を持っていると大変。

帰りは来た時よりも疲れているわけで、駅の階段(どうしても階段や段差は駅の構造上しかたないですが)がきつい。そして改札口は幅的にもスピード的にも通りにくい。混んでいるときは余計に早くしなくてはと思って焦るので余計にもたもたしてしまう。

電車はすぐ来たけれど、家に帰るバスの本数が昼間は1時間に1本なので、次に近いバス(これも30分に1本、もっと本数のあるバスに乗るには信号を2つ渡っていくか地下道で行くかなので、待つ方を選んだ)に乗り、家まで15分ほど歩いた。

我が家は大きな病院に行くバスがあるのだけれど、土日は休診の為本数ががくっと減ってしまうのだ。

つまり、例えば家族が入院していると、その病院に行くのはバスで行くのは大変になる。Gオさんのお姉さんになる人が身寄りがなく、Gオさんが身元引受人になっていたため、田舎の方の総合病院に緊急入院した時、JRとバスで行こうと思ったが、普段からバスは1時間に1本。土日は1日に2本しかなくて、Gオさんに運転させる訳には行かないと、私が送迎したことがあった...( = =) トオイメ目。今はとてもそんな元気はない。

入院の見舞いだけではなく、Gオさんのお姉さんのように田舎の方の病院だと、通院も車を運転できなくなるととても大変になるわけですよね。

病院だけでなく、買い物も。

今現実にBこさんの通院だの、美容院(洗髪の為週1回)…ほぼほぼ毎日Bこさん関連ですわ。お昼だって、私が出かけるときはオットがスーパーなどに買いに行き(車で)ますので、車が使えなくなると、ほんと大変になります。オットは前期高齢者ですので、そろそろ運転をいつまでするかを(出来るかどうかではなく)真剣に考えなくてはなりませんが、Bこさんがご存命中は難しいですね…。病院もすぐ近くでも車で行かなくてはならないので、というか、Bこさんを車に乗り降りさせるのに大変でして…。

でもでも、オット、最近、非常に怪しい…色んな意味で。認知の面でも、運転技術の面でも、健康面でも。

ただ、早く車から脱却しないと、ますます体の方は大変になって来るので、この事故を起こした高齢者のように「足が不自由になって」しまうと益々車をやめるのは難しくなってしまいますよね。かといって、タクシーを使っていたんでは(もっとも車も維持費が掛かりますが)家計が持たないですし。いや今の時点で医療費、かなり家計に負担が掛かっていますから。要介護の認定を受けた人は、通院には介護タクシーが使えますがそうでない人は介護タクシーは高くて使えませんし、介護認定を受けても介護タクシーの使えるのは前月からの予約と予約もケアマネを通してOKが出た時だけ。

必要な医療を受けない人や介護を受けない(受けれない)人が多くなってしまうでしょうね。介護認定も(私はもうBこさんに関してはあきらめましたけど)なかなか厳しく、自立や要支援の判定を受ける人が多くなるだろうし、実際、Bこさんの場合要支援なので、「介護予防のための支援(自分でその会場まで歩いて行き支援員はいるものの、原則自分でやる)」を受けられるのですが、自分で行くことが出来ないので、利用できません。結局デイサービスの利用ですが、入浴も一応自立との事で、優先順位が低く入浴できるようになるまで何年か掛かりました。

と言う訳で、なかなか、高齢者が車の運転をやめるのは現実的には非常に難しいという現実があるなあというのが実感です。

いやあ、ほんと難しい問題です…。