朝って、鳥の声がするんだ。
1週間ぶりに家に帰って、久しぶりに自分の家で目覚めた時、鳥の声に気がついた。
それまで、病院のちっとも明けない長い夜は、外の音の聞こえない、閉ざされた夜だった。
音は、いろんな音がして、何度も目が覚め、もちろん、自分の具合の悪い時は、何度も看護師さんにお世話になったのだけれど、呼び出し音に、アラームの音、そして、人々の病に耐える声々…。
帰ってきた晩は、病院と同じく9時に布団に倒れこむ。
そして、何度も打った寝返りは、その晩は覚えもなく、朝方、鳥の声に気が付いた。
今までもずっとしていたはずなのに、今までは気にも留めないでいたけれど、
新しい感動だった。
朝は、鳥が鳴くのだ。
夏はセミのうるさい声で起こされていたように思ったのだけれど、その前に鳥が鳴いていたのだ。
チュンチュン鳴く声の、なんて、かわいらしいこと。
こんなにたくさん鳥が鳴いていたんだね。
それに気が付いたのは、1週間の入院があったからだね。
うんうんうなった夜があったからだね。
人々の苦しむ声を聴いてきたからだね。
新しい朝ってなんて素敵なんだろうね。