伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

ザ・バックヤード 大原美術館

2023年07月14日 | テレビ
整形外科へ行って来た。
タクシーで行って来た(T_T)。
祇園祭の山鉾が建っている四条通を横に見ながら(T_T)、
片道1200円もかかる(>_<)。

8月の頭くらいまでギプスをし続けなければならない。
左足の骨折した部分は痛みはないが、
バランスを取るのが大変だ。
階段を上がるのさえひいひい言いながら両手で手すりを掴まりながらで、
思うように動けないのがもどかしい。
完全に運動不足である…。
それでも散歩をしなくては、と、毎朝雨でなければ町内を回る…。
ほんの5分~10分くらいだけど。
動かないよりはいいかと。。



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NHK Eテレで放送されている「ザ・バックヤード」という番組は、
公立図書館や美術館、博物館などのバックヤードを、
文字通り紹介する番組だ。

普段はなかなか入れない美術館などの裏側(収蔵庫など)
を紹介してくれる。


ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪
https://www.nhk.jp/p/ts/17NP738N5R/

「本当の“知”は、裏にかくされている」ようこそ奥深いウラの世界へ!




なかなか面白いので時々見ている。
7月12日は「大原美術館」だった。
大原美術館のバックヤードなら見てみたい、と、
だから録画しておいた。


NHKプラスで配信中
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2023071221134
見逃し 7月12日 午後10:30-午後11:00 放送


倉敷美観地区にある大原美術館へは行ったことがある。
倉敷には2度行った。

昔、大学生だったころに友人と観光で行ったのだ。
美観地区は人工的だが、きらいではない。
むしろ好きと言ってもいいかな。

その中にある大原美術館は学生時代には憧れでもあった。
西欧絵画、ヨーロッパそのものに憧れていたからだ。
中へ入ると、そのヨーロッパへの憧れそのものが展示されているようで、
何だか切ない、キュンとした気分にもなった覚えがある。


設立されたのは昭和5年で、
その時代の日本人が評価し、好んでいた西欧絵画が詰め込まれていた。

もっとも有名なのはエル・グレコだろうか。
他にはモネやいわゆる後期印象派のゴッホやゴーギャン、ルノワールなど、
名だたる西欧画家の作品が目白押しで、日本では珍しい
一級の西欧絵画中心の私設美術館だった。

自分は当時から最も好きだった画家、
ギュスターヴ・モローの水彩画(雅歌)があったので感激し、とても満足した。


・・・そんななつかしい思い出がある大原美術館だが、
展示されている作品はごく一部で、
多くは(他の美術館もそうであるように)収蔵庫に保管されている。

NHK Eテレの「ザ・バックヤード」では大原美術館が所蔵する、
ゴッホの訳ありの絵を紹介していた。
普段は常設展示されていない作品で、
38年間、収蔵庫に眠ったままの作品だった。
(「アルピーユの道」というタイトルだった)

何故かというと、鑑定結果で贋作だと判明したからで、
しかも真作→贋作
と、鑑定結果が二転三転したのだという。
現在は贋作として扱われていて、
そのため表で常設展示されていないのだった。

今回、その作品が名古屋市美術館で展示されるため、
撮影が許可されたのだろう。

ゴッホは贋作の多い画家である。
情熱的な筆致は、大胆に描けば真似やすいのだと思う。


今回この「アルピーユの道」が展示されるのは、
名古屋市美術館で福田美蘭という現代画家の作品展のため、
ということだ。


名古屋市美術館
https://art-museum.city.nagoya.jp/

https://art-museum.city.nagoya.jp/exhibitions/post/fukuda_miran/
特別展 開館35周年記念 福田美蘭―美術って、なに?
2023年9月23日(土曜日・祝日)~11月19日(日曜日)


福田美蘭は以前、彼女について何も知らなかった時、
「芸術新潮」の特集号を買ったことがあった。
西欧絵画の有名作品を翻案したパロディ?とも
オマージュともつかない作品が何となく面白いと思ったからだ。
福田繁雄の娘だということで、親の七光りかな?と思うこともあったが、
独自の活動をしているようだ。

今回の展覧会も、
そんなわけで有名画家の翻案作品も並ぶのだろう。


大原美術館では、
現代画家を援助する活動もしていたのはまったく知らず、驚いた。
大原美術館はただ単に収集した作品を展示しているだけの
美術館だと思っていたからだ。


大原美術館は美術コレクターでもあった事業家の大原孫三郎が
知人の画家・児島虎次郎に託して収集した作品を展示するため、
昭和5年に開館した。


大原は児島虎次郎のパトロンでもあり、
美術館の一角にアトリエを建て、児島がそこを創作の場としていたという。

現在はそのアトリエに、
現代美術家の若手画家・有望新人を毎年、
一名だけ募集して、数ヶ月アトリエでの制作を支援しているのだそうだ。

完成した作品は大原美術館で一般公開され、
それだけでなく住まいを提供され、生活費を支給され、
制作費も支払われるという…。
なんという手厚い支援ぶりだろうか。


大原美術館は西欧美術を中心に展示する施設だけだと思ってたが、
現代の若手を支援する活動も行っていたとは…。

美大を出ても全員が芸術家になれるわけではない、
年に一人でもこういう環境を提供して、それをチャンスにしてほしい。
そういう精神で支援を行っているのだという。


かつて大原孫三郎が児島虎次郎のパトロンになり、
彼を育てたように、次世代のアーティストを育てる。
その精神が現代にも受け継がれているのだ。


それを知ることが出来たのが、
「ザ・バックヤード」という番組を見た収穫だろうか。




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