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脳を若返らせる耳マッサージが、認知症予防にも効果を!? 2023/08

2023-08-22 23:04:29 | 生活編

脳を若返らせる耳マッサージが、認知症予防にも効果を発揮!?
  クロワッサン より 230822


⚫︎加齢とともに心配なのが脳の老化。
 認知症予防医が、いつでもどこでもできる耳を揉むだけで効果絶大という、脳活を教えてくれました。

⚫︎血流をよくすることで、脳はイキイキする!
 物忘れがひどくなったり、言葉が出てこなかったり。そんなとき気になるのが認知症。今や国内の認知症予備軍は500万人を超えるといわれる。

 しかし、認知症予防専門クリニック院長の広川慶裕さんは認知症は予防できると語る。
「脳は死ぬまで成長します。加齢に伴って脳が縮むと思っている人もいますが、その真偽は不透明。50代、60代でも進化しますから、諦めることはない」

⚫︎そもそも認知症はどんな病気なのか。
「40代を超えると、脳の神経細胞にとって毒のような存在・アミロイドβペプチドという異常なタンパク質が脳に蓄積し始める。これが認知症発病の原因と考えられています。
 そもそも脳は自浄作用を持ち、アミロイドβペプチドを無毒化・排除できますが、40代を超えると細胞内のミトコンドリアの働きが悪くなり、エネルギーを作れなくなる。
 そうなると、脳がまるで電池の消耗が早くなったスマートフォンのようにすぐに疲れてしまい、その日にたまった老廃物を処理できなくなります」

 そしてこの異常なタンパク質が10年、20年とかけて脳内にいっぱいになってしまうと、いよいよ認知症の症状が現れてしまう。こうなると改善が難しくなるので、早めの予防が重要に。そこでキーワードになるのが“血流”だ。

「血流をよくして、脳にエネルギーを届けて活性化させる。これに効果的なのが、“耳マッサージ”です。耳には、体全体につながる12全ての経絡があります。経絡とは中医学の考えで、“気”が通る道。
 つまり耳を揉むだけで全身の血行促進につながるのです。始めてみると痛気持ちいいと感じ、全身がポカポカするはず。ぜひ楽しみながら行ってください。楽しいという感情も、脳にとってはいい刺激。大歓迎ですから」

⚫︎軽度認知障害チェック
□ 最近、同じことを言ったり聞いたりすると周りから言われる。

□ 昨日の夕飯の内容が思い出せない。

□ 別の仕事を始めると直前にしていた仕事のことを忘れてしまう。

□ 最近、段取りが悪くなり、まごつくことが増えた。

□ 長年の趣味が面白くなくなったり、やめたりした。

□ 何をするのも邪魔くさく、億劫になった。

□ 最近、ニュースや新聞、雑誌に関心が薄れている。

□ においや味がよくわからない。

□ レジではお札を出してしまう。小銭が増えた。

□ 睡眠の質が悪くなった(寝つきが悪かったり、熟眠感が減った)。

 広川さんの病院でも使う認知症予備軍である軽度認知障害(MCI)を診断するテスト。3つ以上チェックがついたら、軽度認知障害の可能性が。

⚫︎耳マッサージのやり方
■ 1〜3分くらいの短時間でOK。
■ 頭がぼーっとする時、寝起きなどに行う。
■ 覚醒するので寝る前は避ける。
■ 特定のツボは意識せず耳全体を揉む。

⚫︎では、耳マッサージを始めよう。
 耳には200を超えるツボがあるので、耳の後ろ側、外側・内側など全体を刺激することが大切。
 そのために4つの動きを順に行う。
「痛みを感じる場所があれば、無理のない程度に重点的にほぐしましょう。寝起きや、頭が疲れている時に行うと、シャキッとスイッチが入ります」(広川さん)


1.耳折り
 全体を刺激し、血流を一気にアップ。
手の小指側を使い、耳を後ろから押さえて前に折る(ギョウザのような形に)。次に手の親指側を使い、耳を上から下に押さえて折る。最後に手の小指側を使い、耳を下から上に押さえて折る。それぞれ3〜5秒程度。左右で行う。


2.耳もみ
 ツボを細かく刺激するイメージ。
耳の外側上部には自律神経の、耳たぶには疲れ目の、耳の穴前方の突起部分・耳珠(じじゅ)には鼻炎やホルモンに関わるツボがある。耳の外側上部から耳たぶにかけて指で押し、満遍なく刺激していく。内側も同様にし、左右で行う。


3.耳ひっぱり
 揉みきれないツボにアプローチ。
親指と人差し指で耳をつかみ、両外側にひっぱる。数秒間キープし、勢いよくパッと手を離す。次に、耳を上方向にひっぱり、同様に数秒キープしてから勢いよくパッと手を離す。下方向も同様に行う。


4.耳まわし
 仕上げに耳を全方位に動かす。
親指と人差し指で耳をつかみ、外側にひっぱる。数秒間キープしたら、上から下へ向かってぐるりと回す。そのまま何度か繰り返す。次に下から上へ、今度は逆方向に何度か回す。左右で行う。


▶︎温めるだけでも、効果あり!
「寝る前に緩やかに血行促進したい、寝ている間も効かせたいなら"温める"だけがおすすめ」(広川さん)。耳を手で包むだけでもOK。

▶︎寝ている間は耳まで包むアイマスクや、
イヤフォンのように装着できる耳用のカイロが便利。
本体1セット・発熱体5セット 767円 ※編集部調べ(小林製薬 TEL.0120・5884・06))
 ナイトミン 耳ほぐタイム
1枚 1,540円(アルファックス TEL.06・4792・1193)
耳までとろける濃密パフアイマスク



⚫︎広川慶裕さん(ひろかわ.よしひろ)認知症予防医
認知症予防専門クリニック「ひろかわクリニック」院長。京都大学医学部卒業。著書に『認知症にならないクセづくり』(ワニブックス)など。

『クロワッサン』1094号より

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🚶…天ヶ瀬ダム上部↩️ 230822’

2023-08-22 22:13:00 | 🚶 歩く
🚶☔️🏠↔︎↔︎🌂右岸堤防道…朝雲通…観流橋…右岸路…山吹橋…第一志津川橋…白虹橋…左岸坂道路…天ヶ瀬ダム上部↩️…左岸坂道路…左岸路…天ヶ瀬吊橋…右岸路…観流橋…朝霧通…通圓🍦…右岸堤防道…>
🚶12391歩12F

☔️⛅️天ヶ瀬ダム29℃ 風心地よく

家出て堤防に上がった途端に大雨となり2往復…だがものの5分程で終わり…後は傘不要の小雨,それも右岸路に着く頃には…
 
ダム放流3門280m3/s 見応え有り

通圓で抹茶🍦美味


🌡️ベランダ34.2〜28℃
















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1万3000年前の大量絶滅は気候変動と人間活動のコンボが原因か 2023/08

2023-08-22 20:28:07 | ¿ はて?さて?びっくり!

1万3000年前の大量絶滅は気候変動と人間活動のコンボが原因か
   ナゾロジー より 230822 榊田純



 世界各地で山火事が相次いでおり、深刻な被害が懸念されています。

 アメリカでは20年前に比べて3倍の頻度、そして4倍の規模で山火事が発生しているとも言われていますが、このような大規模な山火事は地球にどのような影響を与えるのでしょうか。

 実は気候変動によって増加した山火事と人間活動のコンボが、過去に大量絶滅を引き起こしていた可能性があるようです。

 約1万年前〜約1万2000年前、サーベルタイガー、ダイアウルフなどを含む多くの大型生物が絶滅しました。

 科学者たちは長年、これらの絶滅の原因は気候変動か人間活動のどちらかにあると考えていました。

 しかし、ロサンゼルス自然史博物館らの新しい研究により、人間活動と気候変動の両方が関係していた可能性が示唆されたのです。

 この研究は、2023年8月23日付で科学誌『Science』に掲載されました。

◆ー目次ー
ー約1万3000年前、コヨーテ以外の動物が突然消えた!
ー約1万3200年前に木炭が劇的に増加

⚫︎約1万3000年前、コヨーテ以外の動物が突然消えた!
 これまで、研究者たちはサーベルタイガー、ダイアウルフなどの大型生物が絶滅した原因を正確に突き止めることができていませんでした。

 しかし、新しい研究では、動物の化石と堆積物を用いた調査により、人間活動と気候変動が連携して絶滅に関係した可能性が高いことが示唆されました。

 では、具体的にどのような調査が行われたのでしょうか。

 研究者たちはまず、当時の化石を調査するため、カリフォルニア州ロサンゼルスに存在する『ラ・ブレア・タールピット』と呼ばれる天然のアスファルトの池に目をつけました。

 これは成分的にはアスファルトと呼ぶのが正確ですが、イメージ的にはタールの池と呼んだほうがわかりやすいでしょう。

 こうしたタールの池は表面に水が溜まっていたため、水を求めてやってきた動物が、粘土の高いタールの地面に捕らわれて逃げられなくなり溺れ死ぬ事故がよくありました。

 そのため『ラ・ブレア・タールピット』にも多くの太古の動物たちの化石が保存されているのです。

 今回の研究チームは、こうしたタールピットから発見されたサーベルタイガー、ダイアウルフ、ナマケモノなどを含む8種の動物の計172個の化石を用いて調査を行いました。

 放射性炭素年代測定法を用いてこれらの化石の正確な年代を特定した結果、約1万3000年前にナマケモノの姿消え、その数百年後にはコヨーテを除く他の種も姿を消していたことが明らかとなったのです。

 研究の共著者でマーシャル大学の生物学者であるF・ロビン・オキーフ氏は、「コヨーテ以外の動物のほとんど が、”パッ “と消えていた」と語っています。

 では、このような短期間で多くの動物が消えた原因は何だったのでしょうか?

⚫︎約1万3200年前に木炭が劇的に増加
 次に研究者たちは、植生、火災、気候などを調べるため、南カリフォルニアにあるエルシノア湖の堆積物を調査しました。

 その結果、約1万3200年前の堆積物に木炭が激増しており、この時期に山火事が増加していたことがわかりました。

 また堆積物からは、この山火事の増加が同時期の植物にも大規模な変化をもたらしていたことも示されました。オークなどの木は姿を消し、松やイネ科の植物など、火に強い低木に変化していたのです。

 ではなぜ、この時期に山火事が急増したのでしょうか?

 この時期の地球では、太陽からの放射量が増加したことで極地の氷床が溶けて二酸化炭素が増加し、大幅に気温が上昇していたと推測されています。

 この地域も干ばつに見舞われ、過去1000年の間に気温が約3.1度上昇したことも示されています。

 現代でも温暖化により山火事が増加していることが報告されています。それと同様の問題が、この時期の地球に起きていたと考えられるのです。

 ただ、山火事の増加は単に地球の気候変動だけが原因ではなかった可能性が、今回の研究から示されました。

 そのもう1つの要因とは、同地域に居住するヒト属が急速に増加し始めたことです。

 人間が増えたことにより、多くの草食動物が狩られ植物の消費量が急激に低下したのです。その結果、この地域では燃えやすい植物が生い茂る事態を招いたと考えられます。

 これらの証拠から、研究者たちは当時の気候変動に伴い増加した山火事が、人間活動の結果によってその被害範囲を拡大し、大型生物たちに特に大きな被害をもたらしたのではないかと推測しています。

 ラ・ブレア・タールピット・アンド・ミュージアムの古植物学者であり、今回の論文の著者でもあるリーガン・ダン氏は「400年に渡る大規模な山火事が続いていたことがわかりました。そして、その期間が終わると生態系は別のものへと移り変わり、すべての大型生物がいなくなったのです」と語っています。

⚫︎現在の環境や生物多様性の危機と似ている
 今回の調査の結果、約1万3000年前の南カリフォルニアでの大型生物の絶滅は次のような事が原因だったと考えられます。

 まず、太陽活動の増加に伴う気候変動で山火事が増加。

 温暖になったことで人間も増えていき、草食動物を大量に狩る人間活動が燃えやすい植物を増やす結果となり、増加した山火事の被害をさらに広範囲へと拡大させてしまったのです。

 温暖化による山火事の増加が多くの生物の絶滅に関与したという問題について、研究者の中には「現在の環境や生物多様性の危機と驚くほど似ている」と指摘する人もいます。

 かつて起きた氷河期の大量絶滅時では、1000年で約5.5度の温暖化だったのに対し、最近の南カリフォルニアではわずか100年で約3度もの温暖化を示しています。またこれに伴い山火事の増加も報告されています。

 以前よりもはるかに急速なペースで温暖化している今日の地球では、過去と同様、生態系に大きな変化をもたらす可能性があるのです。

 山火事の増加や被害範囲の拡大が、わずか数百年で多くの生物の絶滅に繋がっていたとすると、現代でも増加している山火事の問題にはより注意を向けていく必要があるでしょう。

 古代の山火事は、人間の関与で被害範囲が広がってしまいましたが、現代では人間の関与でその範囲を縮小させられるかもしれません。



▶︎参考文献
Human-Caused Fires and a Changing Climate May Have Contributed to Mass Extinction 13,000 Years Ago https://www.smithsonianmag.com/smart-news/human-caused-fires-and-a-changing-climate-may-have-contributed-to-mass-extinction-13000-years-ago-180982759/
▶︎元論文
Pre–Younger Dryas megafaunal extirpation at Rancho La Brea linked to fire-driven state shift https://www.science.org/doi/10.1126/science.abo3594
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国際天文学・天体物理学オリンピック、金・銅メダル獲得 2023/08

2023-08-22 03:14:27 | 気になる モノ・コト

国際天文学・天体物理学オリンピック、金・銅メダル獲得
  Resemem より 230822  川端珠紀



第16回国際天⽂学・天体物理学オリンピック閉会式後の⽇本代表⽣徒ら

 ポーランドで2023年8月10~20日にかけて開催された「第16回国際天文学・天体物理学オリンピック」において、
 日本代表で参加した高校生5名のうち、金メダル、銅メダル、優良賞を
  それぞれ1名が受賞。
 日本は初出場でのメダル獲得となった。

 国際天文学・天体物理学オリンピックは、天文学と関連するSTEM科目への関心向上や、天文学・天体物理学の学校教育の促進、国際交流の強化をおもな目的とする天文学・天体物理学の国際大会。
 中等教育修了以前の生徒を対象に2007年から毎年開催し、例年、成績優秀者30名程度に金賞・銀賞・銅賞、優良賞などを授与している。

 第16回となる2023年は、ポーランド最大の大都市シロンスク県に位置するホジュフで8月10日~20日にかけて開催。52か国からおよそ250名の参加者があったという。
 日本は今大会が初参加。第2回日本天文学オリンピックにより選抜した代表生徒5名のうち、金メダル、銅メダル、優良賞をそれぞれ1名が受賞する好成績を収めた。

 金メダルは海城高等学校3年の下河邊 太智さん、
 銅メダルは富山県立雄峰高等学校1年の淵上 理音さん、
 優良賞は灘高等学校3年の塚原 大輝さんが獲得。

競技後に行われたCultural Eveningというイベントには、代表生徒全員が浴衣姿で参加し各国の選手らと交流を深めたという。

 次回の国際大会は2024年8月17日から27日にリオデジャネイロ(ブラジル)で開催予定。
第3回日本天文学オリンピックは、予選が2024年1月7日午後にオンラインで開催し、本選を2024年2月23日午後に東京都心・京都府京都市の2会場で対面実施予定となっている。
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来年も猛暑?今夏がこんなにも「暑くなった」根因 2023/08

2023-08-22 03:02:13 | なるほど  ふぅ〜ん

来年も猛暑?今夏がこんなにも「暑くなった」根因
 東洋経済Online より 230822  伊藤 辰雄:ジャーナリスト


 世界各地を熱波が襲っています。その理由とは?

 日本だけでなく世界各地を襲う熱波。国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰の時代」と表現し、地球温暖化に対する危機感を強めた。

⚫︎小坂優准教授に今年の暑さの原因について聞いた
 一方、気候変動に関して科学的知見を提供する国際組織の報告書で主執筆者を務めた東京大学の小坂優・准教授は、個々の異常気象の要因は第一には自然変動だと指摘する。
 ただ、温暖化の進行は、極端な高温の頻度や強度を増していると語る。

⚫︎いったいなぜ今年の夏は暑いのか?
 日中の耐えがたい日射の強さと息苦しい空気。街では日傘をさして歩く男性も多くなった。
 全国の平均気温は、7月としては100年余りで最も高くなった。東京都心では1年間に観測する猛暑日の日数が過去最多を更新している。

 今年の夏の暑さは,ちょっと尋常ではない,と多くの人が感じているのではないだろうか。
 同時に,この暑さの原因は,地球温暖化が進行しているためなのか,あるいは一時的な自然変動によるものなのだろうか,という疑問も浮かぶ。

 気象庁は今月28日に外部の専門家も入れた異常気象分析検討会を開催し、7月後半以降の北および東日本を中心とした顕著な高温の特徴とその原因などについて見解を公表する予定だ。

 極端な高温は日本だけでなく、世界各地で同時多発的に発生している。とくに北半球での気温上昇は凄まじい。

 世界気象機関(WMO)によると、アメリカのアリゾナ州フェニックスでは、7月の平均気温が39.3度と最も暑い月となった。
 スペインのカタルーニャ州の都市フィゲラスでは、7月18日に観測史上最高の45.4度(暫定値)を、中国新疆ウイグル自治区トルファン市では7月16日、52.2度をそれぞれ記録した。

 WMOとEUの気象観測機関であるコペルニクス気候変動サービスは7月27日、月末を待たずに同月の全世界の平均気温が観測史上、最高になるとの見通しを示した(後に過去最高を記録したことを確認)。

 これを受け、グテーレス事務総長は同日、「地球沸騰の時代が到来した」と宣言した。
 事務総長は「残酷な夏」「地球全体の災害」といった短いフレーズで危機感を訴えたうえで、国連などによる予測や繰り返されてきた警告と「完全に一致する」とも指摘。
 ただ,「唯一の驚きは、変化のスピードだ」とし,各国の指導者に行動を呼びかけた。

 世界の科学者からなる気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2021年の報告書において、人間の影響が大気、海洋、陸域を温暖化させてきたことは「疑う余地がない」と断言している。

 数十年以上の時間軸でみると、温暖化レベルは人類による二酸化炭素(CO2)累積排出量と比例すると言われている。その排出量は増え続け、今も大気中のCO2濃度は上昇し続けている。

⚫︎熱波は温暖化と自然現象の重ね合わせ
 東京大学先端科学技術研究センターの小坂准教授は「異常気象の背景には、まず自然変動がある」とし「今起こっている熱波は温暖化のせいですかと聞かれれば、温暖化だけのせいとは言えない」と説明する。
 ただ、温暖化が進むと、極端高温の頻度が増え、より厳しくなる反面、極端低温は減る。「ゼロか100ではなく、両方の影響が足し合わさっている」と語る。温暖化の進展と極端気温の関係を図で示すと以下のようなイメージになる。

(画像:小坂優准教授提供)
小坂氏は自然変動(自然の揺らぎ)と人由来で起こる地球温暖化の2つの影響を融合する研究に取り組んでおり、その功績は国際的にも高く評価されている。

 2021年に公表されたIPCC第6次評価報告書・第1作業部会報告書の執筆者は、65カ国から総勢234人に上り、日本からは10名が参加した。小坂氏はそのうちの1人で、第3章(人間が気候システムに及ぼす影響)で主執筆者を務めた。

 自然変動をもたらす例としては、エルニーニョ現象などの海水面温度の変動に伴う気温の変化のほか、太陽活動、火山噴火による影響もある。1991年にフィリピンにあるピナツボ火山の大規模噴火後の数年は、地球に達する太陽光が減り地球の平均温度が低下したことが知られている。

これに対して、人由来の温暖化は、経済活動に伴うCO2やメタンなどの温室効果ガスの排出や森林伐採による土地利用などによってもたらされる。一方、人由来でも、大気汚染をもたらすエアロゾルは、地球を冷やす効果があると言われている。

⚫︎日本の「今夏の暑さ」の原因
 小坂氏は、日本だけに関して言えば、今夏の暑さの主因は、偏西風の蛇行と熱帯地域における低気圧活動の影響の「合わせ技」だと指摘する。
 これらは自然要因と考えられる。北半球の上空では、風が高気圧周辺では時計回りに、低気圧周辺は反時計回りに吹く。
 東西に連なる高気圧と低気圧に,中緯度の西から東に向けて吹く偏西風が加わると,南北に波を打ったように蛇行する流れができる。
 偏西風が北に張り出すところでは,高温な空気に覆われる。今夏の日本はちょうどその部分に該当する。
 一方、地表付近では、太平洋高気圧の等圧線が、「クジラの尾」のように西の端で、日本列島付近へと張り出し、暑さをたらしているという。
 もう1つの要因として,フィリピン周辺の熱帯地域で,熱帯低気圧が多数発生し雨量が増えると,同地域では低気圧気味になる一方,日本周辺は逆に高気圧気味になるという。
 これも太平洋高気圧の張り出しを強め,高温に拍車をかけているという。

 他方、偏西風の蛇行は,日本だけではなく、南ヨーロッパからアジア,北米に伝播して熱波を発生させている。
 小坂氏は「これらは基本的には自然変動である」としながらも「長期的な温暖化が気温を底上げしている」と語る。

 工業化前の1850年以降の長期の時間軸で見ると,人由来の気温上昇が顕著である一方,自然変動による寄与は平均すると小さい。
 しかし,より短い期間で見ると自然変動が地球全体の気温を押し下げたり,押し上げたりしていた時期もあった。

 以下のグラフは、1990年代後半から2010年代始めまでの期間、気温上昇がやや遅くなったことを示している(折れ線の赤部分)。

(画像:小坂優准教授提供)

⚫︎今年と来年は高温になる可能性が高い
 この間も、CO2濃度は上がり続けていたため、温暖化に対する懐疑論が高まった。
 小坂氏は、この10年余りの気温上昇の停滞期には、ラニーニャ現象による熱帯太平洋の水面温度低下が地球の平均表面気温を下げていたことを突き止め、本来であれば人由来の影響で上昇していた気温が一時的に抑えられていたという。
 このように自然変動は気温上昇を抑制する場合もあり、また逆のケースもある。

 平均気温は,2015年から2016年は明確に上昇に転じたが,その後上下を繰り返している。
 小坂氏は「こうした年々の揺らぎには、自然変動要因が大きい」とみる。
 また今年と来年について「世界の年平均気温は結構、高くなる可能性がある」との見方を示す。

 その理由として、現在発達中のエルニーニョ現象がある。エルニーニョ現象は通常12月に最大化し、それに遅れて地球全体の平均気温上昇が最大に達する。

 地球は大気中に温室効果ガスがあるため、世界で平均すると15℃ぐらいの快適な温度を保っており、仮にそれがないとマイナス19℃ぐらいになると言われている。
 WMOが8月に発表した過去最高の世界平均気温17℃は、あくまで7月単月の数字だ。

 小坂氏によると、7月は世界平均気温が、年間で最も高くなるため、年平均では16℃台に落ち着く可能性があるという。
 それでも、以下の図が示すように世界平均気温が上昇傾向にあることは間違いない。

(画像:世界気象機関)

 毎年変動する特定の季節や地域の気象要因について、自然変動と人為要因とに厳密に切り分けることは難しい。ましてや自然由来の異常気象に対して、人類が直接介入することはできない。

 一方、人由来のCO2は、いったん大気に排出されると、自然のプロセスだけでは、何千年もの間、完全には除去されずに大気中にとどまると言われている。

 CO2などの排出量の一方的な増加は、環境保全と経済活動の両立が実現していないことを意味している。
 極端気象の発生を抑えるためには、両者のバランスを考えながら、温室効果ガスの排出を実質ゼロにしていく必要がある。
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