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📗 死の定義をAIが変える? 情報社会を考える一冊、五十嵐大介の描き下ろしも

2021-10-28 23:07:00 | 📗 この本

死の定義をAIが変える? 情報社会を考える一冊、五十嵐大介の描き下ろしも
 KAI–YOU より 211028   五十嵐 康太

「死」という切り口から、未来のテクノロジーと社会を読み解く書籍『 RE-END 死から問うテクノロジーと社会』が10月27日に発売された。

五十嵐大介さん、諸星大二郎さん、 しりあがり寿さん、うめ(小沢高広・妹尾朝子)さんなど、著名漫画家たちによる描き下ろしのショート漫画・絵を織り交ぜながら、民俗学・人類学・情報社会学・工知能研究といった多様な識者が、死から問うテクノロジーと社会について綴る。

『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』
 情報化社会における「死」を見つめ直す
現在、故人のデータはネットワーク上に残り続け、データ上で私たちは“死ねなくなる"ともいわれている。
 SNSや写真などのデータから故人を再現したAIも作成可能だ。もはや、バーチャル空間で死者との再会も可能な時代に突入しているともいえる。

 超高齢化社会を迎えている日本でも、暮らす土地への帰属意識や共同体の価値観が変化し、墓や葬儀のシステムも見直されてきている。

 そういったAIによる死後労働や葬儀の変化、死後のアイデンティティと権利、死とテクノロジーの行方などについて触れ、現在のAI時代と未来のテクノロジーがもたらす死の定義の変化、死生観の更新を考える一冊。

 寄稿には、情報学研究者の ドミニク・チェンさん、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事で弁護士の 水野祐さん、人工知能研究者の 栗原聡さんらが名を連ねている。




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⌘ 量子コンピュータで解決!膨大な計算を要す「空飛ぶクルマ」の管制システム 202110

2021-10-28 22:33:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

量子コンピュータで解決!膨大な計算を要す「空飛ぶクルマ」の管制システム
  自動運転ラボ  より211028
 出典:Quantum Transformation Project公式サイト

 数十万台のエアモビリティが都市上空を行き交うためには、リアルタイムで最適航路や運行ダイヤを管制するシステムの開発が不可欠だ。この管制システムを実用化するためには、膨大な計算が瞬時に可能なコンピュータが必要になってくる。

 そんな中、空飛ぶクルマやドローン、エアモビリティなどが当たり前に実用化している2030年代を想定し、量子コンピューティングを活用する実証実験が行われたことが、2021年10月22日までに発表された。

■実証実験を実施した組織・企業は?
 実証実験は,量子コンピューティングによる社会変革を目指す「QuantumTransformation Project」,東北大学、無人機管制システム開発を手掛ける米OneSky Systemsが共同で実施した。

 このうちQuantum Transformation Projectは住友商事で発足した組織だ。「Quantum」は日本語で「量子」という意味。ちなみに住友商事は2020年4月に米OneSky Systemsに出資した経緯がある。

▼OneSky Systems
https://www.onesky.xyz/

■同時飛行数を70%向上させることに成功
 刻々と変化する気象条件や電波状況、ほかのエアモビリティの状況などを加味して空飛ぶクルマの最適航路を決め、交通を制御するには膨大な計算が必要だ。

 急激に増大する組み合わせの中から短時間で答えを導き出すのは従来のコンピュータでは難しい。しかし、量子コンピュータを使えば可能だという。

 Quantum Transformation ProjectのYouTubeチャンネル内の動画によれば、今回の実証では「量子アニーリング技術」によって、空飛ぶクルマが同時に飛行できる数を約70%向上させたという。

 将来的には同時に飛行できる台数をさらに増加させ、新たな技術として緊急飛行時に最短で最適な航路を提供できるようにすることを目指しているという。

■「量子コンピュータ」「量子アニーリング技術」とは?
 量子コンピュータは情報処理の際、量子の「重ね合わせ」や「もつれ」などの量子力学の現象を利用する。こうした現象を利用することで、従来のコンピュータでは膨大な時間がかかった複雑な計算も短時間でこなすことができる。

 問題を解く方式としては「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」の2種類ある。このうち量子アニーリング方式は、最適な組み合わせを導き出すことを得意とする。今回の実証実験では前述の通り、量子アニーリング技術が活用されている。

■急ピッチで進める必要がある「空のインフラ」整備
 空飛ぶクルマやドローンなど、世界中で実証実験が行われているエアモビリティ。すでに実現間近のフェーズに入っており、空を見上げればエアモビリティが飛び交う光景が見られるのはもはや遠い未来の話ではない。

 そかしそうした未来を実現させるためには、空のインフラの整備や管制システムの構築を急ピッチで進める必要がある。こうした中、今回の量子コンピューティングの実証実験は、管制システムの構築に向けて非常に意義がある取り組みと言えそうだ。

【参考】関連記事としては「住友商事、見据えるのは「空のインフラ」!?無人機管制システム開発の米企業に出資」も参照。


■記事監修:下山 哲平 (株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSOとして、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。
 2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)

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堺・百舌鳥古墳群世界遺産きっぷ【Osaka Metro 版】の発売開始  〜‘22/3/31 迄

2021-10-28 21:42:00 | 〽️ 行事・新案内等 控え

堺・百舌鳥古墳群世界遺産きっぷ【Osaka Metro 版】の発売開始
  オールライド!編集部  より 211028

 大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro),大阪シティバス株式会社(大阪シティバス),南海電気鉄道株式会社(南海電鉄),南海バス株式会社(南海バス)及び阪堺電気軌道株式会社(阪堺電車)は、2019年に世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」の百舌鳥古墳群にOsaka Metro・大阪シティバス沿線から便利でお得にお出かけいただける企画乗車券「堺・百舌鳥古墳群世界遺産きっぷ【Osaka Metro版】」を2021年10月30日(土曜日)から発売開始すると発表しました。
 2020年度の発売に続き第2弾の発売となる今回は、南海バス及び阪堺電車の一部路線もご利用が可能となり、利便性がより向上しました。
 また、乗車券のご提示で「堺市博物館」や「堺市立町家歴史館 清学院・山口家住宅」が無料でご入館いただけるほか、「大仙公園日本庭園」や「さかい利晶の杜」等の施設で入園料等の割引等特典が、さらに南海電鉄難波駅構内の3店舗及び駅前1店舗の各飲食店においても割引特典が受けられます。
 Osaka Metro・大阪シティバス沿線から堺・百舌鳥古墳群へのお出かけには、便利でお得な「堺・百舌鳥古墳群世界遺産きっぷ【Osaka Metro版】」をぜひご利用ください。

ー1 発売期間
2021年10月30日(土曜日)~2022年3月31日(木曜日)
ー2 有効期間
2021年10月30日(土曜日)~2022年3月31日(木曜日)のお好きな1日
ー3 有効区間
Osaka Metro:全線大阪シティバス: 全路線(IKEA鶴浜行バス及びユニバーサル・スタジオ・ジャパンTM行バス、空港バス、オンデマンドバスを除く)
南海電鉄:南海本線・難波駅~堺駅、高野線・汐見橋駅~中百舌鳥駅
南海バス:堺市内のワイドエリア内
阪堺電車:我孫子道~浜寺駅前

ー4 発売価格  1,500円(大人のみ)
ー5 発売場所
Osaka Metro全駅駅長室、Osaka Metro全駅構内定期券発売所Osaka Metro案内カウンター(新大阪、なんば)、Osaka Metro駅構内売店(ローソン)

ー6 優待特典(乗車当日に限り有効)
施設/店舗 内容
 堺市博物館 入館無料
 堺市立町家歴史館 清学院 入館無料
 堺市立町家歴史館 山口家住宅 入館無料
 堺アルフォンス・ミュシャ館 入館料2割引
 堺伝統産業会館 2,000円以上商品購入の方に粗品進呈(一部商品除く)
 大仙公園日本庭園 入園料2割引
 堺市茶室伸庵 ポストカード進呈
 さかい利晶の杜 入館料2割引(企画展示観覧料等を除く)+ノベルティ進呈(ボールペン先着1,000個)
 堺駅観光案内所 ノベルティ進呈
 堺東観光案内所 ノベルティ進呈
 百舌鳥古墳群ビジターセンター大仙公園観光案内所 ノベルティ進呈
 南海電鉄難波駅
  構内店舗 マネケン(南海なんば駅店)※ お買い上げ料金500円以上で100円割引
 南海パーラー※ 飲食料金100円割引(モーニングサービス除く)
 ざんまい食堂※ 飲食料金10%割引
 南海電鉄難波駅前(南口すぐ) 博多かわ屋(南海なんば店)※ 飲食料金10%割引
※の4店舗は乗車券付属のクーポン提出が必要

ー7 お客さまお問い合わせ先
(1)Osaka Metro・シティバス案内コール
Tel.06-6582-1400営業時間8時~21時(年中無休)
(2)南海テレホンセンター
Tel.06-6643-1005営業時間8時30分~18時30分(年始を除く)

出典:大阪市高速電気軌道株式会社・大阪シティバス株式会社・南海電気鉄道株式会社・南海バス株式会社・阪堺電気軌道株式会社
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💫 世界で注目を集めている小型原子炉は、本当に脱炭素の選択肢になるのか 202110

2021-10-28 21:16:00 | なるほど  ふぅ〜ん

世界で注目を集めている小型原子炉は、本当に脱炭素の選択肢になるのか
   EnergyShift編集部 より211028

 2050年カーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーの比率をどこまで上げるのか。再エネの導入拡大は重要な論点のひとつだが、その普及スピードや天候による発電量の変動を鑑みると、ある種の現実解として「原子力発電」をどこまで稼働させるのかも、考えるべき論点になっている。
 事実、次世代原子力である小型モジュール炉(SMR)の導入議論が日本でも起こりはじめた。原子力の最大の課題である「安全性」の壁を乗り越える技術のひとつと称されるSMRについて、もとさんこと本橋恵一が解説する。

⚫︎そもそも小型原子炉(SMR)とは
 小型原子炉(SMR:Small Modular Reactor)とは、出力が比較的小さく、パッケージ(モジュール)で製造される次世代原子炉を指す。
 IAEA(国際原子力機関)の定義によれば、出力が30万kW以下とされ、主流の大型炉(100万kW超)に比べると3分の1から4分の1ほどの規模となり、主流の大型炉よりはるかに小さい。なかには5,000kWというものもあり、マイクロ原子炉と呼ばれている。

 実はSMRに近いものはすでに存在している。それが原子力潜水艦だ。潜水艦の内部には、数万kWの原子炉が入っており、それで電力をつくり、海中を走っている。

 主流の大型炉より工期が短く、安全性が高いとされるSMRを導入しようと、各国が開発を進めている。10月12日、フランスのマクロン大統領は原子力発電分野での「破壊的イノベーション」に取り組むと宣言し、2030年までに10億ユーロ(約1,300億円)を投じてSMRを複数導入すると表明した。

 海外電力調査会によると、世界では73基のSMRが開発中で、アメリカ18基、ロシア17基と、この2国が特に積極的で、全体の約半分を占める。次いで中国8基、日本の7基が続く。

 世界で唯一、SMRを実用化したのがロシアだ。2020年5月、SMR2基を搭載した海上浮体式原子力発電所(FNPP:Floating Nuclear Power Plant)が運転を開始。
 また、中国は2021年7月にSMR「玲龍1号」が着工しており、海外電力調査会は「アメリカ、イギリス、カナダの完成時期が2025年以降であるのに対し、ロシア、中国は2020年の運転開始や2021年の運開を予定するなど、先行している」という。

日本でも導入議論が高まりつつあるSMRは、次の4つ特徴を持つ。

ー安全性
ー工期が短い
ー核不拡散
ー水素製造への利用も研究中

 ひとつ目が、安全性だ。そもそも原子力発電は、原子炉の中でウランが核分裂するときに出る熱で水を沸かして蒸気をつくり、その蒸気の力でタービンを回して発電している。
 この原子炉が暴走したとき、原子炉そのものを冷やす必要があるのだが、今、主流の大型の原子炉はポンプで水を汲み上げて冷やさなければならず、電気の供給が途絶えると冷却できない、という問題を抱えている。
 一方、SMRは小型であるため、大型炉よりも冷却が早いとされ、しかも、原子炉全体をプールの中に沈めておくことができるため、メルトダウンを起こしにくいとされている。

 2つ目が工期の短さだ。SMRは、モジュール化して工場で組み立てて、現地へ運ぶことができるため、品質管理がしやすく、しかも工事期間も短くて済む。

 3つ目が核不拡散だ。原子力施設には核兵器への転用を防ぐため核不拡散の原則がある。
SMRは原子炉全体を工場で組み立てて現地に設置することも可能になるとされている。
 原子炉の持ち運びが可能になれば、発電が終わったら、原子炉全体を撤去することもできるということだ。そうなれば、途上国などにつくったとしても、途上国などがSMRを解体して核兵器をつくることを防ぐことができる。そうした意味では、核不拡散にもつながる。

 最後の4つ目が水素製造への利用だ。原子力は電気をつくるだけではなく、発電時に排出される熱を使って水素をつくることも可能だ。原子力による電気エネルギーのみを使って、水を電気分解して製造された水素はイエロー水素と呼ばれ、日本でも研究開発が進められている。

 世界でSMR導入に対する関心が高まる背景には、活発化する技術開発がある。そこで次に国内外の開発状況を見ていきたい。

⚫︎SMR開発をめぐる各国の状況とは・・・
 実用化に向けて先行するのがアメリカだ。
2007年創業のニュースケール・パワー社は、2029年にも1号機が運転開始すると言われている。すでに、米国原子力規制委員会(NRC)の型式認証を取得済みであり、あとは建設するだけの状況になっている。同社は、出力7.7万kWのモジュール炉を最大12基並べて運転する計画で、合計出力100万kW弱と、大型原子炉に近い出力規模となる。緊急時には原子炉全体をプールに沈めるため、非常用電源がなくても炉心を冷やせるという。

 そしてもうひとつの特徴が、負荷追従運転で再エネの変動に合わせた出力調整が可能である点だ。ニュースケール社の原子炉は、再エネが多くの電力を発電しているときは発電量を絞り、再エネの発電量が落ちてきたときには、出力の増加ができる。出力調整が可能という特徴はかなりのメリットになるだろう。

 また、同社には米国エネルギー省が4億ドル(約450億円)を出資するほか、日揮ホールディングス(0.4億ドル)とIHI(0.2億ドル)も出資し、原子炉格納容器など中核部材の開発や建設工程の管理などで協力体制を組んでいる。

⚫︎日立はGEと組み、2028年の実用化を目指す
 日本企業も開発を進めている。

 その1社、日立製作所はGEとの合弁会社(GE日立ニュークリア・エナジー)で、SMRであるBWRX-300を開発中だ。
 出力30万kWとなるBWRX-300のひとつの特徴が「沸騰水型軽水炉(BWR)」だという点である。沸騰水型は事故を起こした福島第一原発と同じ形式であるものの、従来の沸騰水型よりも非常に構造を単純化することにより、コストを削減し、大規模事故の発生リスクを回避しているという。

 GEと日立は2028年ごろの実用化を目指して、NRCには安全審査項目に関する技術レポートなどを提出済みだが、まだ型式認定はおりていない。またカナダでの建設も視野に入れて、カナダ原子力安全委員会でも並行して審査がはじまっており、アメリカではなく、カナダで先に運転開始するのではないかと見られている。

 GEと日立は、PRISM(Power Reactor Innovative Small Module)と呼ばれるSMRも開発している。
 PRISMは原子炉の冷却に水ではなく、ナトリウムを使った原子炉になる。ナトリウムを冷却材に使用し、ナトリウムを循環させることで高温のナトリウムをつくり、その熱いナトリウムからお湯をつくり、原子炉を回すタイプだ。
 そのため「高速炉」とも呼ばれ、従来の原子炉と比べて廃棄物の有害度が低く、量も少ない。また、使用ずみ核燃料から取り出されるプルトニウムを燃料として使えるといった特徴を持つ。

 米国エネルギー省は、PRISMをベースとした出力30万kWの多目的試験炉(VTR)をアイダホ国立研究所に建設し、2030年までに運転開始をする計画だ。

⚫︎三菱重工は小型化と一体化で大規模事故のリスクを回避
 日立が開発するなら、三菱重工もやらない手はない。
 三菱重工が開発するSMRは、3万kWから30万kW級のもので、原子炉内でつくった約300℃と高温かつ高圧の水から蒸気をつくり、原子炉を回すしくみとなる。
 概念設計はすでに終了しており、蒸気をつくる熱交換器などの主要機器を原子炉容器内に入れ、一体化させることで、非常にシンプルな小型原子炉が開発できるとしている。
 この原子炉が実用化されると、離島や船舶の電源に応用することが可能になる。

 三菱重工はヘリウムガスを冷却材に使う高温ガス炉(HTTR:High Temperature engineering Test Reactor)の開発も進めている。ヘリウムを使うことで、高圧の水よりも高い熱を効率よく取り出すことができるという特徴がある。
 実用化にはまだ時間がかかるが、1,000℃の高温ヘリウムを得ることができれば、発電効率が上昇し、さらにこの熱源を使って、効率よく水素をつくることができると期待されている。

⚫︎冷却にナトリウムを使った原子炉の開発も進む
 アメリカにはビル・ゲイツが設立した原子力開発ベンチャーのテラパワー社もある。
テラパワーは「Natrium」という名の原子炉を開発中だ。その名前の通り、先述したPRISMと同じく、ナトリウムを冷却材に使う。
 このNatriumの高速炉技術はGE日立が開発している。中国とも協力協定を結んでおり,2021年6月には,アメリカのワイオミング州にある石炭火力跡地で,実証を行うと発表。

 マイクロ原子炉(MMR:Micro Modular Reactor)の開発を目指すのが、アメリカのウルトラ・セーフ・ニュークリア社だ。親会社はカナダの企業であり、出力5,000kWのマイクロ原子炉(MMR)をつくり、複数基並べて発電させようと、実証を進める計画だ。
 20年間発電し、20年後、発電が終わったら、撤去し、新たなモジュールに交換するしくみで、核不拡散に資するものになるという。

 イギリスのロース・ロイスは1950年代から原子力潜水艦における原子炉の設計・製造をおこなってきた。
 その実績からSMRに参入し、「Rolls-Royce SMR」という名の原子炉の開発を進めている。出力規模が44万kW〜47万kWと他社原子炉より大きいのだが、2030年代に初号機を運転開始させ、2035年には10基程度の運転開始を目指している。
 同社はさらに、2016年にUK SMRコンソーシアムを立ち上げ、Assystem、Atkins、Jacobs、NNL、Nuclear AMRCなどさまざまな企業と開発を進めている。

⚫︎SMRが抱える課題とは・・・
 OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)は、「2035年までに約2,000万kWに達する可能性がある」と指摘するように、今、SMRの開発は日本のみならず、アメリカ、カナダ、イギリス、ロシア、中国、韓国などで進んでいる。

出典:JAEA(日本原子力研究開発機構)

 特に、アメリカやイギリス、カナダは世界をリードしようと国をあげてのSMR開発に取り組んでいる。ロシア、中国もSMRの海外進出を狙っている。だが、課題も多い。

 たとえば経済性だが、確かに工期が短縮されれば、コスト削減はできるが、100万kWの大型炉1基と10万kW10基を製造した場合、大型炉のスケールメリットを覆すほどの経済性は発揮できないとされている。再エネの発電コストの低下が今後も進展する中、コスト競争力を発揮できるかも不透明だ。

 また、小型炉を複数設置するには立地自治体との調整も複雑になり、その手続きが軽減されるわけではない。さらに、核不拡散の原則が遵守されるかもわからない。世界各地で設置されることになれば、それだけ放射性物質の管理が難しくなり、核兵器に転用される可能性も高まる。

 またPRISMやNatriumなどの原子炉は、ナトリウムを冷却材に使うが、本当にナトリウムを適切に扱えるのか? 疑問が残る。実際、日本では高速増殖炉「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故を起こし、2016年に廃炉が決定している。

 日本特有の課題もある。アメリカなど海外企業が主体に製造したSMRが、地震や津波が多い日本の立地条件に適合するのか。導入には原子力規制委員会による審査を通過しなければならない。
 そもそもSMRであっても、原子力そのもののリスクはゼロにはならず、バックエンドの課題は抱えたままだ。使用済み核燃料の処理はまだ誰も解決できていない。フィンランドだけが地中深く埋めることを決めたくらいだ。

⚫︎日本はSMRを導入することができるのか
 SMRの開発は、従来の原子炉メーカーであるGEや三菱重工、アレバ(現・オラノ)などではなく、スタートアップの活躍が目立つ。しかし、ロシアが2基、商業運転を開始しただけで、実用化のめどが立っているとは言い難い。さらに大型炉以上の安全性を本当に持つのか、その実証にはさらなる時間が必要だ。

CO2を排出しないSMRはカーボンニュートラルの実現オプションとしては否定できない。

 しかし、原子力への信頼が必ずしも十分に回復していない状況の日本で、導入を進めることができるのか。10月22日に閣議決定された第6次エネルギー基本計画においても、原子力のリプレース(建て替え)は盛り込まれず、中長期にわたる原子力政策の議論は棚上げされたままだ。

 また、SMRの導入議論の前に、既存原発の再稼働や運転期間の延長に取り組むべきとの意見もある。
 SMRが本当に使えるのかどうか、慎重に見極めることが大切ではないか。

(Research:本橋恵一・渡邊健斗)
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🔭🌄 今日の夕焼けと🌗211028

2021-10-28 18:18:09 | 🔭 観測 🌖
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