中国語学習者のブログ

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動補述語に於ける補語の特徴

2010年10月13日 | 中国語
 前回は、動賓述語に於ける動詞と賓語の特徴について取り上げましたが、今回は、動補述語、特にその中での補語の特徴について、取り上げます。

                        二 動補述語(“動補謂語”)

 動詞性述語の中で、最もよく見かけるのは動賓述語で、それに次ぐのが動補述語である。動賓述語の賓語は、いくつか異なる種類があるだけでなく、置かれる位置も異なる。それに対し、動補述語の補語は、必ず決まった位置に置かれるが、いくつか異なる種類が存在する。

 動補述語には三つの種類がある:“得”を用いることのできないもの。“得”を用いなければならないもの。“得”(或いは“不”)を用いるものと“得”(“不”)を用いないものの両方があるもの(“平行格式”)である。

  “得”を用いることのできない補語は、主に数量補語である。①
[注①] 程度補語にも“得”を用いることのできないものがあり、それは形容詞の補語である。例:熱極了、糟透了

 数量補語は、一般に動作の頻度や動作の持続する時間を表す。例えば:
   (1)他用手把門敲了三下
   (2)我昨晩足足睡了八小時

 “得”を用いなければならない補語は、“情態補語”である。情態補語とは、動作と関係のある事物の状態を説明するものである。例えば:
   (3)他洗了許多件衣服,洗得満頭大汗
   (4)他把衣服洗得干干浄浄。
   (5)他洗得遍地是水

  例(3)の“満頭大汗”は“他”を説明しており、例(4)の“干干浄浄”は“衣服”の説明、例(5)の“遍地是水”は周囲の状態の説明である。

 “得”(或いは“不”)を用いるものと“得”(“不”)を用いないものの両方のある形式(“平行格式”)の補語には、結果補語方向補語(“趨向補語”)が含まれる。ここでは、“得”(“不”)を用いない形式を“基本式”と呼び、“得”(“不”)を用いる形式を“可能式”と呼ぶことにする。これらの関係を、以下に説明する。

            基本式       可能式
 
   結果補語   聴憧     聴得憧    聴不憧
             做到     做得到    做不到
             ――     解決得了  解決不了
             ――     吃得     吃不得
 
   方向補語  上来      上得来     上不来
            走回去    走得回去   走不回去

 注意すべき点が二つある。第一、いくつかの言語単位、例えば“説明”、“改進”、“認定”などは、“得”(或いは“不”)を使わない可能式であり、これらは詞である。また、“巴不得”なども詞であるが、可能式の詞組ではない。

・巴不得 ba1bude :~したくてたまらない。切望する

 第二、表中の“解決得了”、“吃不得”は可能式のみがあり、基本式が無い。“吃得”は“吃得得”のことばが合わさった結果である。今も江蘇省南通の方言に“吃得得”という言い方が残っている。

  “情態補語”は“得”を用いなければならず、その結果、補語の可能式の肯定形も“得”を用いるが、これらの否定型は異なる。例えば:

   情態を表す  跑得快        “跑得快不快?”の回答
              跑得不快

   可能を表す  跑得快        “跑得快跑不快?”の回答
              跑不快

 ここで、情態を表すものと可能を表すものの肯定形は同じであるが、ある上下の文の関係の中では(例えば問いかけに対する回答)、そのうちどちらか一方の理解しかできない。

 動詞や形容詞の後ろに補語を伴うことができるが、形容詞は賓語を伴うことができないので、形容詞述語文では賓語と補語のもつれ(“糾纏”)の問題は生じない。動詞の後ろに来るのが賓語であるか補語であるかは、一般に区別は容易である。名詞、或いは名詞性の詞組は賓語になるが、補語にならない。動作の量を表す(動量詞になる)数量詞組は補語になるが、賓語にならない。物量を表す(名量詞になる)数量詞組は賓語になるが、補語にならない。時間を表す数量詞組は賓語にもなるし、補語にもなる。例えば:
   (6)時間已経過去了両三年了。
   (7)這個小組成立了両三年了。

 例(6)の“過去了両三年了”は“両三年過去了”と言い換えることができ、“両三年”は賓語である。例(7)はこのように言い換えることはできず、“両三年”は補語である。

  “我笑痛了肚皮”、“他找到了多年不見的朋友”は、述語の構造が「(動+補)+賓」であるので、動賓述語である。“他找了我三次”、“我看了他一眼”は、述語の構造が「(動+賓)+補」であるので、動補述語である。

 【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年


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