中国語学習者のブログ

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複文の特徴(4): 偏正複文の短縮形式、多重複文

2010年11月09日 | 中国語
 偏正複文のバリエーションとして、分句と分句の間に句読点による区分けが無く、また関連語句が省略されているものがあります。これが「偏正複文の短縮形式」です。また、以前に文の階層分析を取り上げましたが、複文はいくつもの階層に分かれて構成されているものが多く、これを「多重複文」と言います。今回は、これら二つのテーマについて紹介します。

                     偏正複文の短縮形式

 偏正複文の短縮(“緊縮”)とは、次の二つの状況について言ったものである:①分句と分句の間に停頓(ポーズ)が無い;②いくつかの語句が省略されている。これらの文の構造は無駄なくきちんと整っているので、口語でよく用いられる。よく見られるのは以下の二つである。

(一)複文を構成する分句にはそれぞれ主語があるが、これらの分句は緊密に結合しており、分句と分句の間には言語の停頓(ポーズ)が無く、書面上で標点符号(句読点など)による区分は必要ない。例えば:
   (1)你不説我替你説。
   (2)你上哪儿我也找得着。

 例(1)は“如果你不説,我就替你説”の意味であり、例(2)は“無論你上哪儿,我也找得着”の意味である。

(二)文全体で一つの主語しかなく、述語の間に語音上の停頓が無い。この種類の複文には決まった形式がある。例えば:
   (3)他不問不開口。(“不……不”)
   (4)我非写完文章不休息。(“非……不”)
   (5)我再忙也要看報。(“再……也”)
   (6)你不想去也得去。(“不……也”)
   (7)我們一起床就做早操。(“一……就”)
   (8)大伙儿越干越有勁。(“越……越”)

 このような複文の短縮は、見たところ単文のようであるが、単文とは異なる。これらの文の述語は一つではなく、述語と述語の間には譲歩、条件のような関係が存在し、もし適当な関連語句や停頓(ポーズ)を加えれば、一般的な複文になる。

 短縮複文の特徴は簡潔で無駄が無く(“精練”)きちんと整っており(“緊凑”)、一般の複文の特徴は細かいところまで丁寧に描かれ(“周密”)鄭重であることである。どちらを選ぶかは具体的な情況に基づき判断しなければならない。


                         多重複文

 上で挙げた例文の多くは二つの分句で構成されているが、実際のことばの中での複文はこのように簡単ではない。複文によっては、分句の部分がまた二つの分句に分かれる、つまり二層になっているものがある。このように推論していくと、三層、四層、或いはもっと多くの多層構造の文が存在する。二層以上の層になった複文を多重複文と呼ぶ。例えば:
   (1)因為我們是為人民服務的,|所以如果有缺点,∥就不怕別人批評指出。             
            a        (因果)   b    (条件)     c

 この複文は三つの分句から成る。分句aと分句b、cは因果関係を構成し、これが第一層である。この層で、分句aは原因を表す偏句であり、分句b、cは結果を表す正句である。この正句の中で分句bと分句cは条件関係にあり、これが第二層である。この層で、分句bは条件を表す偏句であり、分句cは結果を表す正句である。この複文は二層から成るので、二重複文と呼ぶことができる。

 多重複文を分析する際、二つの点を押えておかなければならない: 一つは先ず全体を捉え、その後に階層ごとに分析すること; もう一つは関連語句を把握し、意味上の関係を結びつけること。この二点を結びつけなければならない。全体を捉えるとは、全体から見ること。階層ごとに分析するとは、全体から局部へ、一層一層順番に分析していくこと。関連語句を把握するとは、いろいろな関係の標示(もし関連語句が省略されているなら、どのような関連語句を加えるべきか)をつかむこと。意味上の関係を結びつけるとは、意味と一定の言語環境に基づき、情理にかなっているかどうか分析することである。次に例を挙げて分析してみよう。

   (2)如果没有氧,∥光有氢qing1,‖或者没有氢qing1,∥光有氧,
        a   (並列)  b   (選択)   c    (並列) d
    |都不能搞成水。
   (条件)  e

(“|”:第一階層の区分、“‖”:第二階層の区分、“∥”:第三階層の区分とする)

  先ず全体を見ると、最初の階層が見つかる。全体を見なければならず、一部だけを見てはならない。この文について言えば、条件関係の接続詞“如果”がある上に、選択関係を表す接続詞“或者”があり、もし一部しか見ていないと、条件関係が最初の階層なのか、選択関係が最初の階層なのか、判断できない。全体を見ると、文全体は条件と結果の関係であり(条件の部分がやや複雑で、その中にまたいくつかの関係がある)、したがって第一の階層はd、eの分句の間にあり、分句eは結果を表す部分で、分句eの前は条件を表す部分である。条件を表す部分は大きく見ると選択関係で、“或者”は選択を表す接続詞であるので、第二の階層はb、cの間であり、a、bが一つの部分、c、dが一つの部分である。更にa、bの部分を見ると、これらは並列関係であり、c、dの部分も同様で、これらが第三の階層である。この複文は全部で三つの階層があるので、三重複文と呼ぶことができる。

   (3)成績能够gou4鼓励人,‖同時会使人驕傲;|錯誤使人倒霉,
           a      (並列)    b   (並列)  c
    使人着急,∥是個敵人,‖同時也是我們很好的教員。
   (並列) d (因果) e   (並列)      f

(“|”:第一階層の区分、“‖”:第二階層の区分、“∥”:第三階層の区分、“”:第四階層の区分とする)

 この文では二つの問題を述べている。一つは成績の人に対する作用、一つは過ちの人に対する作用である。全体を見ると、第一の階層はb、cの間で、b以前が一つの部分、c以降が一つの部分で、これらは並列関係である。次にa、bの部分を見ると、述べているのは成績の二面性で、“同時”は並列関係を表す関連語句であり、これは第二の階層である。次にc以降の部分を見ると、この部分で述べているのは過ちの二面性で、e、f間にまた“同時”という並列関係を表す関連語句があるので、これも第二の階層である。次にc、d、eの部分を見ると、c、dが述べているのは過ちが人をどのようにするかで、eはc、dを根拠に得た判断で、これらの間には因果関係が包含されているので、因果関係を表す接続詞を付け加えることができる。したがってc、dとeの間が第三の階層である。次にもう一度c、dを見ると、これらは並列関係にあり、これは第四の階層である。この複文は全部で四つの階層があり、四重複文と呼ぶことができる。


【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社 1995年


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