中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

中国の民主党派について

2011年08月02日 | 中国生活

 先の中国共産党成立90周年式典で、胡錦涛が「8000万党員」と発言し、現在の共産党 党員数が8000万ということが公式になりました。13億中の8000万ですから、もはや政党の枠を超えた存在であると思いますが、一方、中国には民主党派と呼ばれる、非共産党の政党が合法に存在していることをご存知でしょうか?

 中国版WIKIPEDIAの《百度百科》で検索すると:
【民主党派】
 中国大陸内で、執政党である中国共産党を除く、8つの参政党の総称。具体的には:中国国民党革命委員会、中国民主同盟、中国民主建国会、中国民主促進会、中国農工民主党、中国致公党、九三学社、台湾民主自治同盟の8つを指す。
とあります。

  “参政党”というのは、「中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度」に基づき、執政党である中国共産党に協力する政党のことで、具体的な参政内容は:国家政権に参加し、国家大政の方針、及び国家指導者の選出の協議に参与し、国家事務の管理に参与し、国家方針、政策、法律、法規の制定と執行に参与する。したがって、立法と行政に参与はするが、決定権はありません。
 では具体的にその活躍の場所は、というと、中華人民政治協商会議、略称“政協”がこの「中国共産党が指導する多党協力と政治協商」の重要機構、つまりこれら民主党派の主要な活動の場です。中華人民政治協商会議の職能は、政治協商、民主監督、参政議政、となっています。

 さて、以下の新聞記事をご覧ください。

( ↓ クリックしてください。中国語原文が表示されます)


□       中共中央は党外人士座談会を召集。胡錦涛が主催し重要な講話を発表
                   2011年7月22日 《中華網》

 中華網北京7月22日電 中共中央は7月21日中南海で党外人士座談会を召集、現在の経済情勢と下半期の経済活動について、各民主等中央、全国工商聯のトップと無党派人士の意見と建議を聞いた。中共中央総書記 胡錦涛が座談会を主催し、重要な講話を発表した。
 中共中央政治局常務委員 温家宝、賈慶林、李克強が座談会に出席した。温家宝は上半期の経済活動に関する情況を報告し、中共中央、国務院の下半期の経済活動をうまくやる上での考え方を紹介した。
 座談会で、中国国民党革命委員会中央の主席・周鉄農、中国民主同盟中央の主席・蒋樹声、中国民主建国会中央の主席・陳昌智、中国民主促進会中央の主席・厳雋、中国農工民主党中央の主席・桑国衛、中国致公党中央の主席・万鋼、九三学社中央の主席・韓啓徳、台湾民主自治同盟中央の主席・林文漪、中華全国工商業聯合会主席・黄孟夏、無党派人士・陳章良が相前後して発言した。彼らは中共中央、国務院の当面の我が国経済情勢についての分析と下半期の経済活動に対する考え方に賛同し、更に経済発展の方式の転換の加速、物価の全体レベルの安定、不動産市場のマクロ・コントロールの強化、中小企業発展へのサービスと支援、地域のバランスのとれた発展の促進の加速、老人介護サービス業発展の加速等について意見と建議を提出した。

 この、中国国民党革命委員会から台湾民主自治同盟までの8つが「民主等派」です。中華人民共和国成立より60年余り経過し、政治情勢が変化したことから、それぞれの団体とも、設立当初の主張、意義は薄れてきています。

【参考資料】8つの党派の詳細:

■ 中国国民党革命委員会:
 略称は“民革”。1948年1月に成立、当時の主要メンバーは国民党内の民主派、その他の愛国民主人士であった。その主張は、国民党の独裁統治をひっくり返し、中国の独立、民主、平和を実現することだった。
 1988年1月に綱領規定が改定され、“民革”の現段階での政治綱領は、社会主義の初級段階の基本路線の指導の下、国内外の祖国統一を擁護する愛国者を団結し、祖国統一、中華振興を図ることとなった。
 現在、“民革”のメンバーは主に、中国国民党関係者、台湾各界の人士、祖国統一事業に尽力されている人々などから成る。

■ 中国民主同盟:
 略称は“民盟”。1941年3月に重慶で秘密裏に結成され、当時の名称は“中国民主政団同盟”だった。1944年9月に“中国民主同盟”と改称された。中国共産党が指導する、愛国統一戦線の構成部部分であり、中国共産党に協力する参政党である。主に文化、教育、科学技術関係に従事する知識層により構成されている。 
 2002年12月に《中国民主同盟綱領》が規定され、小平理論、三つの代表思想が取り入れられ、社会主義の初級段階の「経済建設を中心に、四つの基本原則を堅持し、改革開放を堅持する」ことを貫徹する、との方針が定められた。 
 現在、メンバーは15.7万人余り。内大学等の高等教育関係者が24.8%、高校以下の普通教育関係者が35.3%、文化芸術界5.7%、科学技術関係11.2%、医療関係7.7%を占める。省」レベルの組織が30、市、県レベルの組織が384ある。うち1.4万人が各クラスの人民代表大会と政治協商会議の委員で、400人近くが県、処クラス以上の政府部門の指導者であり、その他、検察員、監察員、監査員、教育監督員に任命されているメンバーもいる。

■ 中国民主建国会:
 略称“民建”。1945年12月に成立、当時の政治主張は、公民の基本的な政治権利と人権の保障、民族商工業の保護、発展、国民党の独裁統治の反対だった。 
 現在の綱領は、中国共産党が定める、経済建設を中心とした方針の執行、中国共産党の指導する自主教育の伝統の堅持、民主集中制の原則の堅持、等である。メンバーは、大多数が経済界の人々である。 
 全国30の省、自治区、直轄市、大中都市に組織があり、メンバーは9万人。

■ 中国民主促進会:
 略称“民進”。1945年12月成立。当時は主に文化教育出版関係の従事者と、上海の商工業界の愛国民主人士により構成され、政治主張は民主政治の推進、政権の改革、国民党の政権を民衆に返還し民主連合政府を建設、憲法の実施であった。 
 1988年に中国民主促進会綱領が定められ、その宗旨は社会主義民主の促進と完備、社会主義法制の健全化、中華民族の素質の向上、社会生産力の発展である。 
 メンバーは主に教育、文化、出版、科学技術等の関係者で、2004年末の会員数は9.4万人。

■ 中国農工民主党:
 略称“農工党”。1930年8月に成立、当時の政治主張は、国民党独裁政治に反対、平民政権の建設であった。 
 現在の綱領は、他会派とほぼ同じ。 現在、メンバーは主に大中都市の医療関係者から成る。

■ 中国致公党:
 華僑社団のアメリカ致公党が母体で、1925年10月、アメリカ・サンフランシスコで成立した。構成員は、帰国華僑やその親戚の社会的地位のある人士。

■ 九三学社:
 1945年5月に成立、当時の政治主張は、民主と科学の伝統の継承、内戦の反対、民主政治の実行であった。 メンバーは、大中都市の科学技術界や大学など高等教育関係、医薬衛生関係などで影響力のある人士。
 九三学社の前身は、抗日戦争時、重慶で組織された“民主科学座談会”で、1945年9月3日の抗日戦争、反ファシズム戦争勝利を記念し、“九三学社”と改められた。

■ 台湾民主自治同盟:
 略称は“台盟”。1947年11月に香港で成立。当時、“台盟”は台湾外に設立され、台湾の国民党統治からの離脱と、民主政治、地方自治の実行を目指した。1949年3月に、拠点を香港から北京に移した。 “一国二制度”により、祖国の平和統一を目指す。
 現在、メンバーは、中国大陸の大中都市に居住する、社会の上中階層の一定の影響力を持った台湾省籍の人士で構成されている。

【出典】《百度百科》“民主党派”より抜粋、翻訳

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 こうしてみると、民主党派は、祖国統一など、目的が明確な党派は別として、主義主張は共産党と変わるところはなく、どちらかというと、社会的に影響力のある著名人の名誉職のような印象を受けます。

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