「日常の動きをスローシャッターで」

スローシャッターにも大分慣れてきた様に思いますが、逆に混乱をきたしてしまった方も居られるようです。
勿論、暗いところで明るく見えるように仕方がなくスローシャッター（長い時間シャッターを開けておく）を切ることもありますが、これは消極的スローシャッター（私の造語です）で、ここのところしつこくやっていただいているスローシャッターは言わば積極的スローシャッターです。

写真の弱点の一つに、「時間の表現が難しいこと」が挙げられますが、スローシャッターを上手く使うことによって表現が可能になるケースが多々あります。
そのポイントは「動いているもの」と「止まっているもの」を同一画面に配し、スローシャッターを切ることによって、流れたりぶれたりした部分と静止して動かない部分とで・・・スピード感とか、時間の流れ感とか、様々な動きとか・・・短かったり、長かったりする時間を眼で感じてもらうことにあります。
「何分の１以上がスローシャッターなのか？」と質問されたことがありますが、これについての線引きはありません。
と言うのは、被写体の動きのスピードによっては、1秒のシャッタースピードでも高速シャッターになったり、1/1000秒のシャッタースピードでもスローシャッターになるケースもあったりするからです。
そして、その場の明るさによって影響を受けるケースもあります。
・・・まだまだ、勉強することはあるようですね～。

今回は、運動会とオートバイの写真が多かったのですが、1枚面白い写真がありました。三脚を使わなかったらしく、動かないはずの所をブラしてしまったのでベスト20には入れることは出来ませんが、アイディアを評価して番外選として掲載します。
さて、その問題の作品とは・・・。
草野球そのもののグランドです。力強い投球フォームで投げたボールの軌跡が影の暗い部分をバックにしてきれいに残っています。
跳ね上がった右足も躍動感に溢れて、「魔球」のタイトルもぴったりなのに・・三脚を使えば・・モッタイナイ作品になりました！

課題　　「日常の動きをスローシャッターで」　　番外選

タイトル　　「魔球」　　　横堀　義一（笠間）