要領少々流暢不要

大きな本屋の文具売り場でお買い物

レジにて。
この店員が私の方を一度も見ずに、
下を向いたまま応対をする。
品物を受け取っていつものように
「ありがとうございます」
と言ったがこれにも無反応。
まだ私がおつりを財布にしまっていないのに
きわめて流れ作業的な口調で
「ありがとうございます。次お待ちのお客様。」

たぶんこの店員さんはここでは出世しないだろう。
上司はちゃんと見ているだろうから。
私はきわめてのんきな人間なので気を悪くしたわけではない。
いろいろ考えちゃったよ。
名札に「アルバイト」とは書いていなかった。
人付き合い苦手なんだろうなとか。
事務職希望だったけど、一度は現場に出なくちゃいけない決まりで、
もういっぱいいっぱいだったのかなとか。
あれはあれで一生懸命だったんだろうなとか。
でもやっぱ接客の店員以前の人間としてちょっと欠けている部分があるのかなとか。

要領がいいことが人間の必須条件だとは思っていない。
不器用な人間も必要だ。
不器用は魅力にもなり得るからね。
でも目前の人に礼を言われた時に、
にっこり微笑むくらいの「要領」は欲しいものだ。

ちなみにその店員。
25歳くらいの男性。
真面目を絵に描いたような人であった。
だから憎めなかったのであるが。

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