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【IM理論】5項目 ①清潔 入浴 全身清拭についての考察

2018年12月14日 | IM理論

(学生を悩ませる小難しい看護理論表、一体何が言いたいかわかりませんね)

 

看護学のカテゴリーを増やし、『IM理論』という私なりの「看護理論」「看護展開」についての記事を書いていきたいと思います。

私なりの理論ですので、まだ完全ではありません。

しかし私が看護学生に向けて、小難しい理論を避けて、説明してきた方法を紹介してくという形になると思います。

『結論からスタートする看護展開』を理解することによって、『看護実習における看護展開が早くなる』というポイントを大切にしていきたいと考えています。

では、実践的な話をしていきたいと思います。

従来の看護理論⇒看護展開では「SOAP方式」が採用されています。

このSOAP方式を分解していくと

要するに情報「SO」から「AP」を導きだす思考プロセスです。

「S」とは、Subject、つまり主観的情報

「O]とは、Object、つまり客観的情報

「A]とは、Asesment、つまり分析判断

「P」とは、Plan、つまり、看護計画

となりますね。

手探りで

『「SO情報」を集め、「AP分析判断計画」までつなげる』

これが従来の看護理論、看護展開です。

実際、教える側の頭の中で起きているプロセスを分析すると、

「SO⇒AP」

ではなく

『CARE⇒PAOS』

であることが分かりました。

私は、大学で看護理論を学びましたが、「全くもって使えないものであった」記憶しかありません。

看護理論を使っても一向に対象理解、患者理解ができないのです。

看護理論をつかっても看護が展開していかないのです。

しかし、臨床に出ると、『看護理論とは何か?』が実践を通して理解することができるのです。

それはなぜか?

臨床は結論、つまりケア(CARE)から開始するからです。

ですから、CARE=Cから一般的なPlanをし、SOをもとに修正Aする考え方が重要になってきます。

簡単に紐解いていきましょう。

 

例えば「心不全、Vfib 90歳、女性、安静度ベッド上」という患者だとします。

看護学生で計画する、つまり一日のルーチンを考える時に出てくる項目を

①清潔

②排泄

③食事

④活動

⑤教育

の5つに絞ります。

そして、それら4つをさらに細かく見ていきます。

①清潔 ⇒入浴

②排泄 ⇒排尿、排便

③食事 ⇒食事介助

④活動 ⇒気分転換

⑤教育 ⇒セルフケア行動、知識、安全教育

看護実習ではこの5つを具体的に介入していきます。

そのプロセスの中で、1番介入頻度が高いのが

『①清潔 ⇒入浴』ですね。

入浴とは何があるかというと、病院では入浴はほとんどしません。

ですから、ベッドバス(BB)と言って、午前中にベッド上で『清拭』を実施します。

そして、午後から『足浴』という形で、足を洗い、気分転換、リラックスしてもらいます。

実は、このルーチンが何十年も続いています。

その理由は単純で、本来入浴は一日の終わりにするものなのですが、夕方から夜勤体制になるため看護師が少ないということがあるからです。

それこそ、『夜間だけでも足湯ができるコーナーがあれば』なんて思いますね。

寝汗をかいたからだを洗う、これが清拭なのですが、そのほかに、「更衣(着替え)」「皮膚の観察」もセットです。

入院している人は湯舟への入浴負荷が高いから、仕方なく体を拭くという考え方です。

ここで看護理論に戻っていきます。

Q、この患者は入浴できますか?

⇒ わかりません。しかし体は動くし、入院前、自宅ではやっていたっぽい。

  できそうです。

Q,清潔(入浴)に関する情報を集めましょう!

⇒O)・ADL自立 自宅では入浴していた

   ・風呂好き

   ・心不全治療のため、ベッド上安静指示

   ・入院当日

   ・その他治療上入院中禁忌(制限)あり

これだけあれば十分です。

これだけの情報を組み合わせて、①清潔、清拭の展開ができます。

『入浴したいけど、心不全を悪化させないように安静指示が出ている人』

であると捉えることができれば、清拭の計画は立ったも同然ですね。

さらに、『心負荷を最小限にして、皮膚の清潔を維持する』ことに注意すればいいのです。

ここで問題になってくるのが『全身清拭でいくのか?部分清拭で行くのか?』というポイントです。

私なら、『協力してもらいながら全身清拭をする』を選択します。

重症で、「体を動かすと循環動態、血圧に影響が強い」という場合を除いては、

ベッドをギャッジアップすることで、背中や臀部にアクセスしやすくします。

『ADLが自立しているのに、看護師側で全部やっていいのか?廃用性症候群予防のために、できるところは患者にやってもらわなくてはならないのでは?』

という意見が出そうです。

しかし、清拭は圧倒的に看護師に拭いてもらった方が『早いし、気持ちいいし綺麗になる』のは事実です。

ですから、ADLが自立している人には敢えて、全身清拭をするのです。

『リハビリを兼ねて部分清拭をしてもらう』

のではなく、リハビリはリハビリで体操などを兼ねて別時間にやればいいというのが私の考えです。

これは健常者が「入浴時、長風呂をしてダイエットのために発汗を促す行為」と似ています。

多くの人が入浴に求めるものは「清潔とリフレッシュ、気分転換、暖をとる」です。

「発汗によるダイエット」を目的にしている人は少数です。

清拭において、リハビリを兼ねるのは、「入浴でダイエットしよう」と考えている人に近いです。

ですから、『体位交換による除圧と皮膚観察』なら清拭の目的に十分入りますが、「ADL低下防止、活動耐性低下防止のために清拭をする」はやり過ぎなのです。

ADL自立した人に、部分清拭をさせることは、「入浴中、ダイエットエクササイズをさせるのと同じ」です。

循環を上げるために、ギャッジアップしたり、端座位にするだけで十分ではないでしょうか?

詰め込み過ぎはよろしくないというわけです。

 

この理論ですと、「患者理解が浅い」となるわけですが、看護実習における患者理解は残念ながら医学分野における『病態』が主流となります。

どのような疾患でも、入院中禁忌というものがあり、それが活動の制限であったり、食事の制限として挙がってきます。

その「入院中禁忌」の部分を看護が補うという考え方が、看護展開です。

『治療中の生活制限を補い、安楽な入院生活を送るにはどうすればいいのか?』

を考えればいいだけです。

更に欲を出すと、『入院生活、日常生活援助を効果的に行うことによって患者自身が持つ回復力を高めることにつなげる」方法を考えることが看護展開です。

今回はとりあえずここまで。

ありがとうございました。

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