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【IM理論】看護実習における「さしすせそ」を理解する

2019年02月04日 | IM理論

今回の記事ではIM理論の概論的なお話になります。

看護実習において大切なポイントとは何かと実習指導をしていて考えていたとき、看護学生に何を伝えれば実習が楽しくなるのか?ということについてまとめました。

看護実習は「実習しにいっている」のであって受け持ち患者には「実習させてもらっている」という臨床研究に近い存在です。

ですから、積極性がないと、「ただ辛いだけの時間」になりますし、「臨床実習」によって知識を定着化させるというメリットが存在します。

では手短にですが、私が考える「看護実習のさしすせそ」について話していきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・(「看護実習のさしすせそ」)

「さ」・・・「参加型」

「し」・・・「身体面、心理面の安楽」

「す」・・・「摺り足対策」

「せ」・・・「清潔ケア」

「そ」・・・「足浴」

・・・・・・・・・・・・・・・(ここまで)

それでは、まずは一つ目の「さ」・・・「参加型」について見ていきましょう。

これは、参加型とは「受け持ち患者が参加する看護展開をすること」という意味です。

もう少し詳しく話すと、看護実習は

1日目 ガイダンス&受け持ち決定、受け持ち情報収集

2日目 受け持ち情報収集⇒看護の方向性決定⇒計画立案

3日目 看護計画実施(SOAP展開)

7日目 中間評価

というおおまかな流れがあります。

ここで毎日行動目標を作る必要があるのですが、実習1日目と2日目の行動目標は「看護学生の行動目標」

3日目は「受け持ち患者がこうなっていく」という「受け持ち患者の行動目標」に変わっていきます。

つまり看護計画を立案し、実施する当日以降というのは、

『学生が立案してきて計画を実施⇒患者の抱える課題が少しでも改善される』

ことが日々の行動目標となります。

その際、患者が「参加型」の目標決定をすることが「ケア時の同意や協力を得てスムーズに介入するために必要」となってきます。

ですから、「さ」の「参加型」とは「患者参加型」の立案をするということになります。

 

「し」・・・「身体面、心理面の安楽」

これは、実際のケアに入った時、「安楽に実施すること」を第一優先する計画をすることです。

安楽を優先するケアとは何か?というと「準備がしっかりできている」ということになります。

ペアで動く場合、主と副、メインとサブが存在します。

その二人が連携してケアに入ります。

ですから、準備とは実施直前の「物品準備」と、「ペア同士の手順の確認」が含まれます。

さらに言うならば、実習指導者への「手順の確認」も含まれます。

そしてその手順にはケア実施の概算時間とその根拠も示す必要があります。

「何も準備せず、だらだらとケアをするくらいなら見学してて」という実習指導者もいます。

ですから、「看護技術の練習」も準備に入ります。

全身清拭も「上肢のリハビリを兼ねて」自分で部分的に清拭をしてもらうことはあります。

しかし、これは本当に必要なのかいつも疑問でした。

「日常生活動作の中からリハビリにつなげる」という考えが昔からありましたが、目的を「清潔保持+安楽」ととらえるなら、ケアの中に詰め込みすぎるのはいかがなものか?と感じます。

手早く実施して「時間を産出す」ことも看護ケアで重要なポイントです。

私は看護ケアは第一に「安楽」でなければならないと考えます。

毎回、入浴時に筋トレを意識して入浴している健常者はいるでしょうか?

「リラックス」「爽快感」「清潔」のために入浴するはずです。

ですからむやみやたらに「全身清拭」に「リハビリ感」を入れて「安楽を阻害する必要はない」ということです。

 

「す」・・・「摺り足対策」

摺り足とは、加齢による筋力低下によるものの代表としてあります。

・・・・・・・・・・・・・・・(バイオメカニズム学会誌,Vol. 38,No.4(2014)転倒リスクと歩行との関連 金 憲 経 東京都健康長寿医療センター研究所)

下肢の筋力群低下としてとらえるならば

・歩くときつま先を上げる役割を担っている「前脛骨筋」


・膝を伸ばすとき,股を上げるとき,椅子から立ち上がったり階段を昇ったりするときに使われる「大腿四頭筋」

・股を上げるとき,階段を昇るときに使用する「腸腰筋」

・膝を曲げるとき,大きく歩幅をとって歩くときに使われる「ハムストリングス」,

・つま先立ちするとき,地面を蹴るときに使用する「下腿三頭筋」

これらのの筋力の衰えが、歩幅の短縮を招き,ひいては歩行速度の低下を招くと言われています。

・・・・・・・・・・・・・・・(転載ここまで)

低下に結びつき,転倒の危険要因となる.

間欠跛行を起こす疾患として有名なものに脊柱管狭窄症がありますが、下肢の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)もあります。

 

間欠跛行を起こす疾患として有名なものに脊柱管狭窄症がありますが、下肢の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)

これらはどういうことが言いたいか?というと

「看護実習では”転倒・転落防止”を必ずしなければならない」ということです。

安静を維持することで下肢筋力低下は必須です。

ですからこれらの「転倒転落リスク」はいつもチェックするのです。

アセスメントシートを使うのも手ですね。

 

「せ」・・・「清潔ケア」

清潔のケアは食事などの栄養摂取にも並ぶくらい重要なものになります。

清潔は排泄と即繋がりますから「看護実習における中心的な存在」だと思います。

ですからこれがキーポイントとなります。

清潔状態を維持すること、セルフケアのレベルを評価して、清潔維持をしていくこと、さらに皮膚状態の観察をして「褥瘡予防、改善すること」を具体的にどう介入していくかを看護計画に盛り込んでいくことが看護実習の肝になります。

そして、清拭、清潔行動は自立していない患者の場合、午前中に行われます。

ですから、看護実習は午前中が勝負になります。

 

「そ」・・・「足浴」

続いて、足浴ですが、看護実習の二枚看板の一つ目が「全身清拭」二つめがこの「足浴」になります。

足浴は毎日しましょう。

必ずしましょう。

気分転換、清潔行動の2つを兼ねる「足浴」は最強です。

絶対に口外してはいけませんが「とりあえず足浴やっとけ」が看護実習のポイントです。

足浴は午後の時間がある時に実施するとよいでしょう。

 

以上が、【IM理論】看護実習における「さしすせそ」です。

この5つを押さえておけば、看護実習は楽しくできると思います。

そのほかには、看護記録がありますが、看護記録も『ケアから逆算していくIM理論』を使えば、情報収集とアセスメントは問題なくできると思います。

参考にしてください。

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