連載小説「Q」第二部10
鈴木さんは、休みの日は殆ど動物園にいるという。動物の飼育員が動物の糞を集めるのを見ている。
ライオンや象の檻なんかは命がけだ。
動物園の客は動物を間近に見たがるのに、糞が嫌いだ。
動物と糞は切っても切れないものなのに。
ホワイトタイガーが飼育員を睨んだ。
鈴木さんは息を飲む。
殺られる。
客と一緒に「行け」と叫ぶ。
次の瞬間防御カバーが、飼育員を包んだ。
鈴木さんは舌打ちをして、昼食のあんパンをかじった。
鈴木さんは動物を見ずに人間を見ている。
――俺の仕事はあれよりましだ。
いつも安全地帯にいるのだから。
何も起こらない世界にいるのだから。
連載小説「Q」第一部をまとめました。
鈴木さんは、休みの日は殆ど動物園にいるという。動物の飼育員が動物の糞を集めるのを見ている。
ライオンや象の檻なんかは命がけだ。
動物園の客は動物を間近に見たがるのに、糞が嫌いだ。
動物と糞は切っても切れないものなのに。
ホワイトタイガーが飼育員を睨んだ。
鈴木さんは息を飲む。
殺られる。
客と一緒に「行け」と叫ぶ。
次の瞬間防御カバーが、飼育員を包んだ。
鈴木さんは舌打ちをして、昼食のあんパンをかじった。
鈴木さんは動物を見ずに人間を見ている。
――俺の仕事はあれよりましだ。
いつも安全地帯にいるのだから。
何も起こらない世界にいるのだから。
連載小説「Q」第一部をまとめました。
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