創作日記&作品集

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言魂(続・続・第二信 なふ、われは生き人か、死に人か)  石牟礼道子・多田富雄著

2008-08-09 16:43:05 | 読書
妓(遊女)と狂気の祖母(盲目)との交流。妓は一五、六から二十も半ばぐらい。「ばばさま、ほら、そこは水たまりじゃ」と手をのべます。人に手を触れられるのが極度に嫌がる祖母は「ばばさま、こっちでございます」と、声をかけられると、常になく素直な声で、「あい」と返事を返し…。゛淫売゛とさげすまれる妓たちとの、一種の道行。妓たちはたて続けに殺されたり、心中を遂げたりして、中の一人はダイナマイト心中。白壁を血に染めて、飛散した肉片になる。家では淫売などと言わずに「姉さま」とよんでいました。いのちと魂をめぐる古い写真のような世界が見えてくる。


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