大文字山を歩こう―里山で自然観察 | |
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さて今回のミッションは、前回道に迷ってしまった法然院ルートを完歩してマスターすることと、新規ルート開拓として中尾城跡ルートを完歩してマスターすることなのだ!
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2月21日(月)
7:30 やって来ました北白川今出川交差点。
↓ いつものとおりここからスタート。
以前、法然院ルートで「カブトムシの森」(善気山)まで行っているので、今回はまず善気山を突っ切って火床をめざしてみたいと思う。
↓ 疎水沿いの一角にだけツバキの花が咲いていた。諸君、春はもうすぐぜよ!
↓ 6:00に開門している法然院に立ちよってみた。今日の白砂壇(びゃくさだん)はこんな模様だった。
↓ 境内で黒猫発見! フラッシュの光に驚いて逃げていったよ~(@_@)
それじゃあ山へ行きましょうか。
7:50 法然院の墓地にあるアショカ王の仏舎利塔を左に曲がり、
山道に入っていく。
↓ いきなり急な山道が続き分岐ポイント(左コース、直進コース、右コース)へ到着。右の階段を選ばず、左の山道を進む。
↓ 「大文字山」と「観察の森」との分岐標識。どちらを進んでも大文字山へ行けそうだが、尾根道の大文字山方向を選んだ。
歩きやすい尾根道はすぐ終わり、またもや急な登り道となる。
↓ またも分岐ポイント。左(写真中央の道)に行けば月待山なのか? 苛酷な右の道を選んでひたすら登るのだ。あゝ、汗がにじんできたぞ(゜ε゜;)
↓ 善気山に向かう道中で標識があった。観察の森経由でもここまで登れるようだ。
8:10 心臓破りのピークを登り詰めてやってきましたカブトムシの森(善気山)。
以前は暑さと体力消耗のためにここで法然院に引き返したのだが、今回は直進。
あっけなく千人塚付近の森に出た。
↓ 大の字の左の払いの字画に沿った階段に出たら、ひたすら懸命に登る。
8:20 火床の金尾(かなわ)に到着。
弘法大師堂の温度計は3℃。
ここでしばし休憩。買っておいたおにぎりを食す。今日は平日なので登山者の数も少ない。オイラ一人だけが火床にいる状況にもなって、プライベートビーチならぬプライベート大文字山を満喫したぜよ。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜
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さあ次は中尾城跡ルートを新規開拓だ。
8:40 火床~大文字山山頂の間にある中尾城跡ルートの取り付きに向かった。何回か通っているがそんな分岐があったのか定かではないので、直接現地に行って確かめるしかないのである。
8:50 最初のピークを越え、取り付きらしきところを発見。ナゼかこの辺だけ道がぬかるんでいるのが怪しい。多分ここだと思い写真右下の尾根道を下ることにした。
はたしてこの道が正しいのかはわからない。一定の間隔で木に巻きつけてあるリボンをたどっていくことにする。途中T字路に出くわしたがリボンこそが道しるべなのさ、と左コースを選択。
おお、先週に引き続きまたもや鹿を発見! だが鹿の方が素早く、「キィーン」と鳴きながら森の中に逃げ込んでしまい、またしても写真撮影できなかった。
道はクッキリはっきりしているので、進めばどこかへ通じているはずだ。リボンを追ってドンドン突き進んでいくと、またしても道なき道の急斜面に出くわしてしまった。降りるべきか戻るべきかを逡巡していると、急斜面の下の茂みの向こう側には道があって、一人のおばちゃんハイカーが歩いている姿が見えた。
もし、おばちゃんハイカーを見つけていなかったら、オイラは更なる人外魔境へと突き進んでいたかもしれぬ。平日で登山者が少ない日に、メインルートではない人気のない道を歩いている人と出会えたということは、オイラの常日頃の品行方正な行いに対する天の計らいと言わざる得ないであろう。さらにもう一つ言えば、時間が1分違っていただけで出会えるか否かの運命の分かれ道が待っていたのだぞ。
「あの人こそ運命の人!」
道を訊ねようと思い立ち急斜面を滑走したのだが、道に出たときにはおばちゃんは通り過ぎてしまった後だった。走って登り道を追いかけたが、道はクネクネしていておばちゃんの姿が見えない。あれは幻だったのか? ようやくおばちゃんの姿を捕捉したので呼び止めようとしたら、百段ほどある階段の登り口まで来ていた。「この道はここに通じてたんか!」と叫んでしまった。
おばちゃんハイカーが来た道を逆行してみることにした。
約10分ほど歩くと砂防ダムが見えてきた。
↓ そして銀閣寺ルートにぶち当たった。オイラは「山火事注意」の看板の裏から出てきたことになる。この看板が旧道と呼ばれてる道の取り付きだったのだ。もっけの幸いで旧道ルートも制覇してしまった。
看板の写真を撮ってたら、写真左側にも細い裏道があって、そこから一人のおっちゃんハイカーが登ってきた。裏道通なら中尾城跡ルートを知っているかも、と訊ねてみることに。
「中尾城跡やったら、火床の上の山頂までのピークを二つ超えたとこから北へ入る道があるからそこから行くか、朝鮮学校のとこから行くかやな」
「火床の上から道を間違えてここまで来てしもたんです。朝鮮学校のところから行ってみます」
「中尾城跡って何にもないとこやで。朝鮮学校のとこは登りが急やし、中尾城跡から火床~山頂ルートに出るのも道が入り組んでてややこしいで」
親切にアドバイスしていただきありがとうございました。丁重にお礼を言い、オイラは銀閣寺ルートのスタート地点へと向かった。
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9:40 銀閣寺ルートのスタート地点である駐車場に到着。
↓ 奥に見える看板のところが中尾城跡ルートの取り付き。
5分間、タバコ休憩。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜
9:45 中尾城跡ルートに進行開始。
いきなり険しい急坂だ。振り返ると背後には京都朝鮮学園の校舎が見える。
9:57 最初のピーク(「支峰」と呼ばれている)に到着。木々の向こうに北白川の街並みが見える。
↓ 東南方向に道があるので進んでみた。
↓ アバウトな表示を発見。木の幹にマジックで書き込まれている。
10:10 中尾城跡に到着。見晴らしはなく、木が植わっているだけで何もない。探せば城の遺構があったのかも?
再度大文字山をめざすことにする。
↓ アバウトな表示をもう一個発見。
↓ 尾根道を軽快に歩いていたら、分岐ポイントに出くわした。道しるべはない。どっちを選ぶべきか?
左の方が落ち葉の量が少ない。それだけ人が歩いているということだ。左を選んでみた。
↓ しばらく下ると沢に出た。先達のブログによると中尾の滝と呼ばれている場所があるようなので近いのか?
もうこれが道なのか、道でないのかが判別できないので、さっきの分岐まで引き返し、右の登り道を進んでみた。落ち葉がモフモフしており、あまり人が踏み込んでいる気配がないのであるが……。
尾根道を進んでいるとまたもや分岐に出くわした。今度も左の道を選ぶと枯れ沢のようなところに出た。またしても道が途絶えてしまっている。ここまでの道中、誰一人として出会う人がいなかった。四方は見渡す限り山、山、山のアドベンチャーワールドなのだ。今自分がどの辺りにいるのかがまったく分からないので、携帯電話のGPS機能を使ってみた。現在位置は「吉田神楽岡町」だと! オー、マイガー!!
またもや分岐まで戻って右の道を進んだ。進んで進んで急な坂を登り詰めていると、前方の木々が少なめになって空がのぞいているのが見えた。あそこには何かがある!
ビンゴ!
10:55 火床~山頂ルートに出ることができた。
↓ 119番通報の立て札「A-17」が目印だ。
11:00 本日2度目の火床。もう汗だくなのだ。服を脱いでクールダウン。
2度目の弘法大師堂。
温度計は8℃になっていた。
またしての休憩タイム。スゥッ・・・(ーoー)y゜゜
残る霊鑑寺(れいかんじ)ルートを制覇すれば、ほぼ大文字山の火床へのルートは手中に収めたことになるぞ。それじゃ行っとこう。
11:15 大の字の右の払いの字画に沿って階段を降りる。
↓ 道なりに降りると「道しるべ」。前回はここを直進してしまい大失敗だった。今日は左へ行く。
倒れた木が道をふさいでいたり、急な岩場があったりで歩きにくいなあ。
10:30 もうすぐアスファルト道に出るという場所で聴き慣れた歌が流れてきたぞ。
♪雪やコンコ アラレやコンコ
シューワ石油のタンクローリー車だった。
11:35 霊鑑寺門跡に到着。
11:38 安楽寺前を通過。
11:43 本日2度目のアショカ王仏舎利前。水道の水で顔を洗ったら、ちめたくて気持ちがいい。
11:45 本日2度目の法然院。
↓ 法然院の前にある法然院森のセンター。
11:50 哲学の道。
↓ コメントを書き込みしていただいた臣又貝士口さんも喜んでくれるかと思い、疎水沿いにいたネコを撮影。
何だか橋の下をしきりに気にしているぞ。
鴨を狙っていたらしい。
銀閣寺界隈の食事処へ入ってみようと思ったが、ちょうど12時過ぎのお昼時で満員だった。
もう疲れたので大阪へ帰ることにした。
↓ 子安観世音。
12:30 出町柳駅前から大文字山を撮影。
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今回の歩行距離=20.0km
裏道を記載している詳細な地図は市販されていないので、自分で地道に調べていくしかないのかなあ。
最近、山へ行けば人外魔境をさまようことがデフォになっているので、最低限コンパスは必携であるなと感じたけれど、今回歩いてみて、もう蜘蛛が巣を張りかけていたり、羽虫が所々で飛んでいたので、次回からは自重しないと虫どもに襲われそうだ。。。。タタタッ。ヘ(;・・)ノ
最後に火床までのルートを私的に歩きやすさでランキングしてみよう。
1位 銀閣寺ルート…整備が行きとどいており道に迷うことはない。人通りが多いのも心強い。
2位 霊鑑寺ルート…今回は下山だけだったが道に迷うことはない一本道。岩場に気をつけよう。
3位 法然院ルート…健脚の人向け。善気山までたどり着ければ、火床までは目と鼻の先。
4位 中尾城跡ルート…健脚かつ本気の人向け。ディープな大文字山がキミを待っているぞ。遭難しても良いという人は行くがよろしい。