なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

盲獣(1969年公開)

2015-09-19 13:11:01 | 映画
盲獣 [DVD]
船越英二,緑魔子,千石規子
角川書店

 監督:増村保造
 脚本:白坂依志夫
 原作:江戸川乱歩『盲獣』
 出演:船越英二、緑魔子、千石規子

 【あらすじ】from Amazon
 盲目の彫刻家・蘇父道夫(船越英二)は、モデルの島アキ(緑魔子)を拉致、目、口、鼻、乳房、手など女体の一部がオブジェとして並べられたアトリエに監禁する。
 道夫が長年追い求めていた理想の女体、それがアキの体だったのだ。
 はじめは抵抗していたアキだったが、そのうちに道夫との狂気の愛に目覚めていく。

 たまたま乱歩原作の映画やったんで、原作を読んだこともない予備知識ゼロの状態でDVDを借りたんですが、それがなんと大当たり!

 「京都」と縁もゆかりもない映画なんですが、今や京都ロケのサスペンスドラマに欠かせない俳優の船越英一郎氏のお父上が出演してはるので、「袖触れ合うも他生の縁」と言うではないか。ようわからんけれども、一筆啓上たてつかまつり候。

 「○ちがい」や「○くら」など、今の放送コードに引っかかってしまう言葉の数々。変態度合・猟奇度合も極北へ逝っちゃってるし、100%地上波で放送できない……否、してはいけない衝撃的問題作。正常な感覚からすれば、いっそのことDVDを発禁にしてもいいぐらいの内容なのであります。

 されどこの映画、安っぽい下卑たるエロ映画やグロ映画とは一線を画す、正常な感覚を麻痺させてしまう媚薬のようなシュールな芸術性と言うべきものがそこはかとあり、それが本作を後世に残る傑作たらしめている要因ではなかろうかと思います。

 偏執的変態男を演じる船越英二氏の役者魂と、コケテッシュな肉体をさらけ出す緑魔子さんの女優魂に乾杯!

 日本映画史の中の隠れたエバーグリーン。仮にリメイクしようとする酔狂がいたとしても、これ以上の作品は誰にも撮れないのではないでしょうか。

 もしオイラがリメイク版のプロデューサーやったら、緑魔子役は見た目でローラに決定。異論は認めぬ。



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