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昔ながらのお葬式

2011-06-21 | Weblog

82歳のお爺さんが亡くなったので 山形県西置賜郡のお葬式に行くことになりました。

葬儀はその地区の公民館で午後1時半からです。

私は、家族を代表して 遠方の叔父、叔母の香典も立て替えて 車で1時間ちょっとかかる知らない街に一人で行きました。

山の合間の小さい公民館で 入り口には、テントが張られ そこで参列者の受付がありましたので 私は3軒分の 御霊前を出しましたら 2つお茶の引き物をくれました。

「???」3人分なのに・・・・と思いましたが 催促する訳にもいかず 黙って頂き そして靴を脱ぎ 畳敷きの広間に進みましたら 大きな祭壇が飾られてました。

もう5~60人くらい座ってましたが 私は入り口の隅に座り 目の合った方には 黙って会釈をしてたら もう和尚様が3人いらして お経が始まりました。

 弔事、弔電、ご焼香とすすみ 約1時間で終わりました。

するとアナウンスで「御親族の方はお残り下さい。」と言うのです。

「え、私って親族???」 

まぁ、ここに来たんだから 私も親族だろう・・・・そう思ってその場にいましたら また和尚様が来て また経読が始まりました。これは30分くらいで終わり。

よし、帰るぞ!と思ったら 納骨しますので 外にお並びください、とアナウンス。

ここで又 「ん~私も?」。。。。。

親族でお墓まで行き納骨すると言うのです。だって故人は2日前まで生きていたのに もう墓の中に入れられてしまうの?

私は黙って一番後ろについてお墓まで歩いて行きました。来たこともないお墓です。

10畳くらいあるような広い綺麗な墓で 先祖13代続いた墓だそうです。墓石の脇には 大きな歌碑がありました。

見よう見真似で 手を合わせ拝みました。

誰一人に 私は自分を名乗ることなく また誰一人と「どなたさまですか?」と聞かれもしませんでした。

よし、今度は帰れるぞ! そう思ったのでしたが ながれは故人の自宅まで行くのです。

門前に提灯が下がり すぐお葬式が出た家だな、と分かりました。

家の中には 近所のおばさん達が 白いエプロンをして 「さぁ~どうぞ」「さぁ~どうぞ」と客引きでもするかのように家の中に勧めるので 「???」と戸惑いながらも上がりました。 よほど母に電話して 私も上がっていいのか聞きたかったのですが そのチャンスが無いのです。

祭壇の前でご詠歌が始まりました。10メートルもあるようなお数珠を 円になって「なんまいだぶつ、なんまいだぶつ」と言いながら時計と反対方向にまわすのです。途中に房がありました。ここが自分の手に回ってくると 頭を下げるのです。私はなんか可笑しくて吹きだしたくなりました。

次に「なたぎり餅の儀」が行われようとしてます。

なたぎり餅とは 本物のナタで のし餅を切り それに塩を付けて 後ろ向きの肩越しに頂くのです。

「有難う」とか「美味しい」等と言ってはいけないそうです。美味しくないから葬儀はイヤだ、と言う意味とか・・・・

私も黙ってひと切れ頂いて食べました。

「うわ~美味しい!」つい言ってしまいました。 小腹が空いていたので特に美味しく感じたのかも知れません。

次は 2間続きの座敷に お料理が所狭しと並び 手伝ってくれた近所のおばさん達や親族に ご馳走を振舞うのです。私の好きなお寿司が 各テーブルに置かれてました。

私は隅の方に座ったので お寿司まで手が届きません。

誰か取ってくれないかなぁ~

隣りのおじさんに 酒をついであげた時 すかさず 「お寿司をひとつ取って頂けませんか?」 と言いましたら 本当にマグロ一つだけ自分の箸で取ってくれたのです。(田舎の人って気がきかないな)

だから自分で手を長~く伸ばし 2~3個とウーロン茶を頂き あとは帰ることにしました。

玄関先で 喪主に挨拶し 受付で一人分不足だった「お茶とお酒1升」を渡されたのを持って また山道を帰ってきました。

もう日が落ちかけてました。

家に帰ってから その話をしたら

「故人の親、兄弟、子ども、孫などを ご親族と言うんだよ」

最後までいたなんて。。。。。と笑われました。

でもいい経験をしました。今はセレモニーホールで形だけのお葬式しか見てませんでしたので。